2006年6月29日 (木)

信託法研究会終了/目標はYサービサー?

今日は、先日状態(!)書けませんでしたサタス・インテグレイト不動産フォーラム主催の信託法研究会の事を少し。

060629 このブログでも何度か触れましたし、プチ信託登記入門なるシリーズを始めたのもこの研究会が契機でした(まだほんのさわりですが)。一昨日が最終回だったのですが、信託法の権威の筑波大学法科大学院教授であり同院長でもいらっしゃる新井誠先生をコーディネーターにお迎えして、信託法の概要(特に改正案)を勉強すると供に、信託業法の改正により可能になった事業会社(金融機関以外)による信託会社設立の実例を、実際に当該信託会社の方々をお招きして、免許(運用型)・登録(管理型)を受けるに至るまでの過程などについて、生々しいお話をお伺いすることが出来ました。

出席者は、皆さん不動産ビジネス・証券化ビジネスの最先端の部分で活躍されている会社の方々ばかりで、中には自社でも後に続いて信託会社を設立しようという計画をお持ちの会社も何社かあったようです。

この研究会(昨年に引続き第2期という事になるそうです)に参加させていただき、如何に自分が信託というシステムの一部しか知らなかったかを痛感(これは自分が不勉強だっただけですが)したばかりでなく、信託が本来極めて多様な機能を果たすことができるにも関わらず、そのごく一部の機能にしか注目されてこなかったのかを知ることが出来ました。

現在不動産証券化のビジネスの中では信託を利用したスキームを用いることが不可欠であり、信託銀行の受託能力を超えている(行列が出来ているという言い方をされていた方も)だけでなく、ずさんなチェックで処分を受けるところ(外資系他)も出てきている有様ですが、信託の用途はそれだけではないのです。

060629_1 お招きした信託会社各社の皆様はそれぞれ多種多様な目的と信念をもって信託会社の設立を企図したという事に大変な感銘を受けました。そういえば桐生信託様(28記事登録完了おめでとうございます!。同社は日本初の不動産の管理型信託会社として注目を集めています。

最終回にお招きした日本エスクロー信託(安井取締役様、大変分りやすいご講演を有難うございました)は、私と同業(といっても規模も歴史も桁が違いますが)の司法書士の山田晃久先生の会社(山田サービサ総合事務所、上場企業です)が母体となって設立されたもので、「不動産エスクロー業務をフルラインで提供する」という大きな目的をもって臨まれているものです。

ヤキソバオヤジの事務所も色々なビジネス展開を行っていて、あるコンサルタントの方から「福田先生、目標は山田先生ですか」と聞かれたくらいですが、今回のお話はエスクロービジネスだけでなく金融事務代行、不動産調査・ドキュメンテーション代行等、登記業務とシナジー効果のある業務を展開するに当たってのヒントを色々と提供して頂けた様な気がします。

ウチはまだ「フルライン」で提供できるだけの陣容もノウハウもありませんが、先進的な取り組みに注目してくださっている会社様も少なからずあるようです。

人材のポテンシャルもモチベーションも低くはないと思っていますので、山田サービサーを目標に出来るかどうかはわかりませんが、まだまだ伸びていく(課題ももちろん多いですが)と思っています。

⇒「法的思考シリーズ」の第1回目の記事、前回の

⇒「ライブドアシリーズ」の第1回目の記事、前回の記事

⇒「会社法よくある質問」シリーズの第1回目の記事、前回の記事

⇒「プチ信託登記入門」シリーズの第1回目の

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2006年6月27日 (火)

信託法研究会ラスト

060627 いやーイタリアの方達どうですか満足してますかオーストラリアの方達憤懣やる方ないですか。

でもこれが「実力」ってものなんでしょう。

だれだって一次リーグの肘ウチ一発退場の事は覚えているでしょう。マラドーナの「神の手」と同じくらい。でないと未来はないと思うサッカーの。

さて、真面目な話は今日は無理です。不動産フォーラムの「信託法研究会」の最終回だからというわけではなく、その研究会員のごく一部で盛り上がっているだけすけどこれは神楽坂の駅からの発信・・。

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2006年5月28日 (日)

不動産の管理型信託会社は何をするのか?

今日北海道(稚内~紋別)から帰ってきました。

060528_002 またいくつかの新しい出会い(同じ星の下に生まれた?)があった素晴らしい旅でした。N先生、皆さん、本当に有難うございました。

さて、ちょっと日がたってしまいましたが、信託法研究会(サタスインテグレイト主催)のご報告を。

今回(24日)は、これまで同様、信託法の権威、筑波大学法科大学院長の新井誠先生をコーディネーターにお迎えし、「きりう不動産信託株式会社」の桐生幸之介さんと米田淳さんを講師としてお迎えしました。

同社は、3月20日に近畿財務局へ、不動産の管理型信託会社(ビル管理業務中心)登録の申請が受理され、今月末~6月の設立に向けて準備に入っております。

お二人とも大変アツく信託会社の設立趣旨を語って下さいました。朝日信託の皆見社長の場合(26記事で御紹介しました)もそうでしたが、想像した以上に高い志と熱い信念を持って信託会社の設立を企画し、実現されているという事に大変感銘を受けました。

リースバックを受けて「さや」を稼ぐのは時代に逆行している、また、不動産の管理を信託を受けて行うことにより、例えば明渡訴訟の原告になることができる(業務委託ではオーナー、特に大企業は訴訟までやらないので、不良テナントを温存することになる)とか、「信託型分譲マンション」(区分所有でなく信託受益権で分譲する事により、建替え等もスムーズ)の提案など、長年の不動産管理の実績・経験に基づいた、斬新なアイディアも、大変に新鮮な驚きでした。

詳しくはお二人の共著、「不動産の信託」(住宅新法社)をご覧下さい。

また、現在国会に法案提出中の信託法改正案についてですが、紛糾している「共謀」の新設のあおりを受けてまだ審議入りしておらず、今国会での成立が危ぶまれる状況になっているとの事でした。

※写真は滝ノ上の芝桜です。

⇒「ライブドアシリーズ」の第1回目の、前回の記事

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2006年4月27日 (木)

物納制度大改正・会社法も大改正

060426_009_2 先日、上級相続アドバイザー資格講座についての記事で、物納制度の改正に触れましたが、今日はそこにスポットを当てたセミナに出席させて頂きました。

主催は株式会社国土工営。しかも講師はあの右山昌一郎先生。同社編著、右山先生の監修になる、「物納制度大改正・その実務と対応」(大蔵財務協会)をテキストに、さらに官報で政令・省令の条文も検索し、大変わかりやすい講義をして頂きました。

今までの「とりあえず物納申請してあとの手続き(境界確定・権利調整等)はゆっくりと」と言うことが出来なくなったという事で、早めに測量や境界確定の準備をしておく必要性が高まったということなのです。

060426_003 これまでも開発山内先生の様に相続対策としての測量という事を訴えてきた方はいらっしゃいましたが、ますますその必要性が高まってきたという事になります。山内先生、今後ますます忙しくなりますね。

もっとも、今日右山先生の言葉の中で印象に残ったのは、相続や物納じゃなくたって土地を処分しようとしたら、境界確定や測量は必要なんだから、資産家地主は早めに準備しておく必要がある、という事でした。

そういえば明日は明日でまた物納のプロ、ナレッジバンク伊藤社長とお会いします(ある地主さんの登記の仕事を頂いてます)。これは偶然ですが、最近は物納や遺言・遺産分割・意思能力の問題(認知証=痴呆・アルツハイマー)後見、等々、高齢化社会の到来を象徴するような仕事が急増しています(会社法の関連業務だけでなく)。昨日、朝日信託皆見社長のお話を伺ったのもあながち偶然ではないのかもしれません。

早速朝日信託様を連休の谷間にお尋ねして、皆見社長様と、私共との連携の可能性についてお話をさせて頂く予定になっております。何か私たちの仕事になる事があるような気がします。

先ほど少し会社法に触れましたが、施行が目の前(5月1日)に迫ってきておりまして、ウチ事務所会社法部隊も忙しさのピークを迎えております。

060426_006 今日もウチのクライアントの某電鉄系事業会社(一部上場)へ改正と登記の対応方法についてレクチャーにお伺いし、大変喜ばれたとの由(この時間もまだ仕事をしているようですが-ワタシは一足先に失礼して自宅でこれを書いています)。

そして明日はワタシと朝一から、連休明けに予定しております、税理士会計士の先生方向けのセミナーの打合せ、その後午後からはおなじくクライアントの大手損害保険会社にレクチャーに行く予定です。

⇒「法的思考シリーズ」の第1回目の記事

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2006年4月26日 (水)

唯一の個人信託会社

060426_005 ワタシばかり毎日毎日素晴らしい出会いを体験させて頂きましてほんっとうに申し訳ございません。

今日は(なぜか昨日の日立キャピタル信託高井部長様に続きまして)日本で3番目の(そして唯一個人信託を目的とする運用型信託会社)株式会社朝日信託皆見一夫社長様。

相続アドバイザ協議会の特別研修講座「オーダーメイド相続、個人信託の活用」、大変興味深く拝聴いたしました。

新井先生、申し訳ございません、劣等生の分際で皆見先生となぜか親しくお話をさせて頂きました。

060426_008 皆見先生、酒の席とはいえ偉そうな事を申し上げまして本当に失礼申し上げました。

ただ、ワタシも先生同様、ウソ偽りを申し上げるような人間ではございません。

先生の熱き志に感銘を受けたからこそ、もっともっとよく伝わる方法があるのではないかとおもって申し上げたことですが、先生には謙虚に受け止めて頂きまして、本当に有難うございました。

資産を保全し、適切な財産承継を守っていくことを出来るのは(後見と組み合わせた)個人信託しかないという、先生の信念には心動かされました。

060426_009_1 先生に「商才」があるかどうかなど、非才の私は申し上げるべくもございませんが、先生のお人柄には誰しも惹かれ、その志の高さに感銘を受けるものと思います。

明日まで覚えていて頂けるかどうかわかりませんが、明日またお電話させて頂ければ有難く存じます。

ぜひFを御紹介させて頂きたいと思いますので・・・。

⇒「法的思考シリーズ」の第1回目の記事

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2006年4月25日 (火)

会計参与、会社法施行前の設置は可能? その3

今日は不動産フォーラム・第二期信託法研究会の第4回。株式会社サタスインテグレイト本社にて、立キャピタル信託株式会社の高井敏男経営管理部長を講師にお招きして、日本で未だ4社しかない運用型信託会社の免許取得まで、そして営業開始半年間の、極めて興味深いお話をお聞かせいただきました。

コーディネーターは信託法の権威、波大学法科大学院長の新井先生。新井先生、質疑応答で二度に渡って話題を振って頂いたにも関わらず満足なお答えが出来なくて申し訳ございません!

エスクローの倒産隔離に関して証券化ストラクチャーが使えないかという事は以前検討したことはあったのですが、信託宣言の応用というところには考えが及んでおりませんでした。お恥ずかしい限りです。セキュリティトラスティに関しても、勉強不足で申し訳ございません(改正信託法案をさらっと読んでわかったような気になっていました)。

最終回までには名誉挽回いたします・・・。

さて、今日の本題です。

060422_004昨日の記事で、会社法施行前の会計参与設置(選任)は、現行商法上に根拠規定が存在しないためそもそも決議不可能であるとする「会社法施行前後の法律問題」(郡谷大輔編著、商事法務)の見解を紹介しました。

しかし同書は、会社法施行前であっても、「会計参与設置会社となる旨」の「定款変更決議」は可能であるとしています(4頁)。

この違いはどこにあるのでしょうか。

060422_003 同書によれば、「定款の変更は、現行法の定款変更の規定に基づくものであり、条件付で会社法の制度を前提とした規定を設けることができるかどうかは、当該規定に基づく定款変更の内容の話であり、定款変更自体は、現行商法に根拠があるものといえる。」

しかし、「会計参与設置会社となる」ということも、現行商法上は根拠規定がないわけですから、やはり設置(選任)自体と同様に会社法施行前には決議不可能であると考えざるを得ないのではないでしょうか。

逆に、会社法が公布されている以上、施行日前であっても総会において十分な議 060422_002_2 論が可能であり、決議自体が可能である(効力は施行日まで発生しない)と解することもできるのではないでしょうか。

確かに、定款という会社の根本規範を定める行為と、会計参与選任という個別具体的な決定とを同レベルで考えるのは妥当でないかもしれません。条件付決議を認めるか否かについて、定款変更とそれ以外とで別異に取り扱うというのも不合理ではないかもしれません。

しかし、その理由を前掲書のように現行商法上の規定の有無で説明するのは今一つ説得力に欠けるのではないでしょうか。

それよりも、葉玉さんのブログ(会社法であそぼ)にあるように(質問いろい())、「条件付定款変更は、これまでも例があるので良いけれども、定款以外の決議については、条件付が広がるのは良くないのではないか」という、実質的判断に基づくものであると正直に言った方が良いのではないでしょうか。

⇒会計参与の条件付決議の最初の記事

⇒「法的思考シリーズ」の第1回目の記事

⇒「ライブドアシリーズ」の第1回目の

⇒「プチ信託登記入門」シリーズの第1回目の

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2006年4月13日 (木)

プチ信託登記入門 12 土地信託と建物登記

__060410_1

⇒今日の「ジャケ買い」。当然まだ読んでませんが、賑やかしということで・・・・。

ここで少し用語の説明をしておきましょう。

まず「土地信託」。これは、不動産を対象とする信託のうち、特に土地所有者が土地の有効利用を目的として、信託銀行等に土地を信託し、受託者がその土地に建物の建設を行い、そこからの収益(賃料収入、まれに分譲収益)を受益者(=受託者)に分配するというものです。

この場合の建物の登記が特徴的です。

建物の登記記録(甲区)の記載・・

1|所有権保存

 |所有者 東京都○○区○○四丁目5番6号

|      ★★信託銀行株式会社

 |――――――――――――――――――――

 |信託

 |信託目録 第○○○号

※所有権保存登記とは初めてする所有権の登記のことです。

信託銀行が建物を建築して原始取得者(始めての所有者)となりますが、土地信託の場合、あくまでも信託として所有権を取得したという事になるのが通常です。

というのは、信託財産である土地を担保として融資を受けて建物を建てるのが通常で、その場合建物も信託財産となるのです(物上代位性、信託法14条)。従って、所有権保存登記と同時に信託登記をする必要が出てくるわけです。

これが建物信託(既存の建物を信託する)であれば、登記の内容は土地と同様、所有権「移転」登記と信託登記を同時に行う、という事になります。

1|所有権移転

 |平成○○年○○月○○日信託

 |受託者 東京都○○区○○四丁目5番6号

|      ★★信託銀行株式会社

 |――――――――――――――――――――

 |信託

 |信託目録 第○○○号

なぜか所有権保存登記の場合は「受託者」でなく「所有者」と登記されます。

藤原勇喜先生は信託行為の本質論について実質的法主体説(四宮説)を支持する根拠の一つとして、登記実務上所有権移転の場合に「所有者」と表示せずに「受託者」と表示する点を上げています(「信託登記の理論と実務」改訂増補版172頁)。

ところが所有権保存登記の場合は(信託という原因が使われないから)受託者でなくて所有者と記載すると言う考え方で処理しているとしています(同、登記研究469号142頁)。

信託行為論に関しましてはまた改めてご説明いたします。

⇒前回の      

⇒このシリーズの第1回目の

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2006年4月12日 (水)

プチ信託登記入門 11 受益者変更

10」で、土地信託、REITのための信託、私募ファンド(オフバラ目的の信託)、それぞれの「信託目的」を比較しましたので、今日は信託の目的との関連で着目すべき点として、受益者を見てみましょう・・。

登記記録(甲区)の記載・・

1|所有権移転

 |所有者 東京都○○区○○一丁目2番3号

|  株式会社 A

――――――――――――――――――――――

2|所有権移転

 |平成13年2月1日受付 第1001号

|平成13年2月1日信託

 |受託者 東京都○○区○○四丁目5番6号

|      B信託銀行株式会社

 |――――――――――――――――――――

 |信託

 |信託目録 第○○○号

信託目録(旧信託原簿)の記載・・

1|委託者の|東京都○○区○○一丁目2番3号

 |住所氏名|  株式会社 A

――――――――――――――――――――――

2|受託者の|東京都○○区○○四丁目5番6号

 |住所氏名|  B信託銀行株式会社

――――――――――――――――――――――

3|受益者の| 委託者に同じ

 |住所氏名 |

――――――――――――――――――――――

変|3.受益者変更

更|  平成13年2月1日受付 第1002号

 |  原因 平成13年2月1日 受益権売買

 |  受益者 東京都○○区○○7丁目8番9号

 |      有限会社C

(注)以降受益者変更なし

――――――――――――――――――――――

4|信託条項|1.信託の目的

 |    |  (略)

 |    |2.信託財産の管理運用及び処分方法

         (以下略)

さて、これは土地信託、REIT、私募ファンド(又はオフバラ目的の流動化)、どの目的の信託でしょうか。

答えは私募ファンド、です。

信託と同時に受益権売買をして受益者が変更されている点にご注目下さい。

※「受益者の住所氏名」の欄の「委託者に同じ」という表示に下線が施してありますが、これは抹消を意味します

まず、土地信託であればこのような受益者変更は通常考えられません。土地所有者が土地の有効活用のためにする信託だからです(委託者=受益者)。

次に、REIT(J-REIT)であれば受益者は(最終的に)「投資法人」となっているはずですから、この信託がREITを組成するものであるとは考えにくいと思います。

⇒前回の記事      

⇒このシリーズの第1回目の

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2006年4月 6日 (木)

プチ信託登記入門10信託の目的②

今日はに引続き「信託の目的」を見ていきます。

まず「土地信託」の場合。

都内の某ホテルの信託目録を見ると、信託の目的は次のように書かれています。

土地を信託し、当該土地を敷地として本信託契約に定める内容の建物を建築し、信託財産として管理・運用すること」

管理・運用の方法は項を改めて記載されています。

次にREIT(不動産投資信託の場合)

これは都内のある賃貸マンションの信託目録です

「信託財産を管理・運用・処分すること」

そして、「7」で見た流動化(オフバラ)のための信託のものをもう一度見てみましょう。

「委託者は、信託不動産の管理・運用・処分を目的として信託し・・」

さて、ここで着目すべきなのは「処分」という言葉の有無です。一つ目のもの(土地信託)のみ「処分」の語がありません。

これは土地所有者が土地を有効活用するために信託し、受託者が建物(ホテル)を建てて一定期間運用(賃貸)するものだからです。証券化のための場合のように「出口」としての売却処分を予定していないのです。

ここで、目的に反した処分の抑制の効果が発揮されます。つまり、受託者が勝手に土地(及び建物)を売却したとしても、その登記(信託目的に反する登記)は受け付けてもらえません(却下される)。

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2006年4月 4日 (火)

プチ信託登記入門 9 信託法改正案②

060404_003 今日の「写真」は事務所の応接セットです。1年半前に西新宿(事務所を立ち上げた場所です)から現在の飯田橋の事務所に移転して来たときから、東側の窓際で、沢山のお客様をもてなしてくれた赤いソファとテーブルです。手狭になり、高いタイプのテーブルと椅子に換えることにしたため(今度も赤い椅子にしたいと思っています)不要になりました。行き先は決まっていませんが、とてもお世話になっ060404_001 た、愛着のある品です。大事にしてくれる人のところにもらわれていって欲しいのですが(粗大ゴミにはしたくありません)・・・。

Wさん、よろしく手配お願いしますね。

さて、今日の本題は昨日に引続き信託法改正案から。

060404_002 まず信託の対象となる「財産」と「処分」の内容について争いのあった点を明確に規定している点です。

信託の対象となる財産としては、「金銭的価値に見積もりうる全てのものが含まれ、特許権などの知的財産権はもちろんのこと、特許を受ける権利、外国の財産権等も含まれる」(補足説明)とされることを確認しています。この点は現行法上も認められていると解されていましたが、次の「処分」の内容に「担保権の設定」が含まれることが明文で規定されました。所謂「セキュリティ・トラスティ」の容認です。

セキュリティ・トラスティとは債権者と担保権者を切り離す形の信託(債務者を委託者、担保権者を受託者、債権者を受益者として担保権を設定することをいいます。

現行法では、担保付社債信託法でのみ認められている方法であり、これはあくまでも例外であり、原則としては認められないとされており、これに対しては有力な反対意見が主張されていましたが、今般の改正案はそれを明文で認めようとしています。

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