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2026年2月27日 (金)

意思決定の改善 58

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

例題について著者はまずこう書いています。「余計な気を回さずに考えるなら、アナリストの予測を信頼する根拠は十分である。結局予測の基になったデータの詳細についてはあなたよりもアナリストの方が良く知っているのである」。

そうなると「あなた」はアナリストの予測(380万ドルという平均よりはるかに高い数値)をそのまま受け入れることになるのでしょうか?

いや、必ずしもそうはなりません。
その根拠として示されるのが「直観に反する基本的な統計概念」です。

この概念とは、「平均への回帰」です。これに関しては説明していなかったと思いますが、簡単に言いますと、「極端な成績は時の経過と共に平均に回帰する」という統計学の基本的な原則です。

これについて同書ではメジャーリーガーの成績予測の例題を使って、大半の人がバイアスにとらわれた誤った判断をしている例(の数ある中の一つ)を客観的データで示してくれています(興味のある方は同書を読んでみて下さい)。

予測の不確実性が高いほど、極端な予測は避けて平均値に近づけるべきだということです。

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2026年2月26日 (木)

意思決定の改善 57

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

例題には追加情報があります。一つは、あなた(小売りチェーンのマーケティング部長)は、その候補の店(建設予定地)は「既存店舗と比較していい線を行くだろう」という「大ざっぱな見積もり」をしていること。

もう一つは、その見積もりは、「この立地の代表的な特徴を既存店舗の立地に当てはめて得られた」こと。

著者がこの例題を通して伝えようとしているのは意思決定改善の6番目の方略「他者のバイアスを理解する」ことの重要性なのですが、前提としてこんなことも書いています。

「マネジメントにおいては、他者の意思決定と密接に関わりを持ちながら仕事をしなくてはならない。他者からの助言をよく検討して自分の意思決定に反映させ、あるいは他者の過去の意識決定を調整して自分の意思決定に当てはめる」。 

「他者の意思決定を評価する作業と自分自身の意思決定を監査することには根本的な相違がある」。

「全ての人の意思決定が共通のバイアスの影響をある程度まで受けている」。

そして、学ぶべきは「自分自身のバイアスや他者のバイアスを体系的に検出する」方法なのです。

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2026年2月25日 (水)

意思決定の改善 56

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

今日から本題に戻ります。番外編では人間関係の修復法について考えましたが、できるだけ早い段階で悪化の目を摘む必要があること、そして悪化防止に力を入れるべきであることがよく分かりました。

さて、「行動意思決定論」(ベイザーマン&ムーア 2011)の最終章、意思決定の改善のための方略の最後(方略6)は「他者のバイアスを理解する」です。

これを学ぶ材料として同書はこんな例題を出しています。

・・・

あなたは14都市に40店舗をかまえる小売チェーンのマーケティング部長です。各店舗の年間平均売上高は200万ドルから400万ドルの間で全店舗の平均は300万ドルです。過去3年間に新規開店したのは25店舗で、会社は今後4年間に30店舗を新規開店する予定です。

この規模拡大に向けて、あなたはそれぞれの建設候補地の売上を予測するために立地アナリストを雇いました。残念ながら、新規市場の売上の予測は非常に難しく、たとえトップのアナリストでもかなりの不確実性に直面します。

あなたはマーケティング部長なので、あなたの部門が作成した予測の正確性はあなたの人事評価のポイントの1つになります。

ちょうどいま、立地アナリストから、ある建設予定地について、年間売上高が380万ドルであるという最新の予測が届きました。この地区はこのチェーンの中で稼ぎ頭のひとつになるだろうというアナリストの報告は人口統計学のデータで裏付けられています。

あなたはこの予測をどのように取り扱いますか?

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2026年2月24日 (火)

意思決定の改善 55

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

【番外編 その6】

(人間関係の問題の最終段階)(3)具体的な加害や損害の発生の例と対処法

​① 職場の理不尽

「上司が無能」
有能だから上司になったはずですから、無能だと思うことに合理性があるかどうかも問題ですが、そもそも誰かに対して馬鹿だ無能だなどとレッテルを貼っている暇があったら具体的な問題点を指摘して共に解決すべきです。 

「仕事の丸投げ」
上司と部下の違いは役割の違いです。部下の役割である仕事を部下に任せることを丸投げというなら筋違いです。 

「理不尽な叱責」
人間関係を良好に保つための「三要素」(2月17日「51」)の「1」と「2」です。
即ち人の多様性を知り相手を具体的に理解した上で、意思疎通を図ることが必要です。

​② ハラスメント
本質的に人は皆対等であることを理解し、尊敬と感謝の念を忘れなければハラスメントは起こりようがありません。

​③ 行動の干渉 
プライベートに立ち入ってくる、仕事と直接関係しない行動を制限される、などです。
人の多様性、対等性や尊敬の念などについて深い理解があれば関係性に応じて距離を保てるはずです。

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2026年2月20日 (金)

意思決定の改善 54

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

【番外編 その5】


(2)心理的な負担やストレスを感じる場合の例と対処法

​① 無理な気遣い

相手の顔色を伺いすぎて疲れてしまうようなことです。
なぜそこまで相手の機嫌を気にするようになってしまうのか。

これはもしかすると「人間関係悪化の予防策」として行われるのかもしれません。

しかし本来の予防策は「相手を理解すること」から始まるはずです(三要素の「2」)。この場合はそれをせずに自分の側で問題を解決しようとしているのですから、そこから見直しが必要です。

​② 信頼の欠如

裏切られたとか信用できないという気持ちになることです。
これも色々な場合があると思いますが、三要素の1番目と関係していることも多いのではないでしょうか。 

つまり見えているものが違うのに勝手に期待してしまっている。

これも意思疎通が十分できれば解決することです。

​③ 嫉妬・羨望

相手の成功や幸せを素直に喜べなかったり、自分にないものを持っている人をただ羨ましいとだけ思ったり。

これこそなんの生産性も持たない無駄な感情だと思うのですが、これが行動や発奮の原動力になることもありえないことではない、いやこのネガティブな感情をポジティブに変えられたら良いでしょう。


・・・これらの「悪化」もやはり自分のちょっとした努力で解決します。

つづく

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2026年2月19日 (木)

意思決定の改善 53

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

【番外編 その4】


​(1)認識や理解の不一致の例と対処法

①​「言った・言わない」トラブル

これはよくあることで、事実認識が一致していないのですが、もちろん問題はそこではなく、意思疎通ができていないところにあります。

三原則の「1」、人は多様だということです。
同じ事象でも人によって違って見えるのは当たり前ですし、正しさの基準だって違います。

自分と相手は同じことが見えているとは限らないので、相手のことがよくわかるまで意思疎通を密にすることが大切です。

②​ 「普通こうするでしょ」トラブル

これもよくありますが、それはあなたの価値観を押し付けているだけかもしれません。 

価値観は人それぞれ違うということを理解した上で歩み寄る努力が必要です。

そういう姿勢でものごとにあたって行けば、衝突することも少なくなるはずです。

​③ 「どうしてわかってくれないの」トラブル

自分の気持ちを伝えても、理解・共感してもらえないことで疎外感や孤独感を味わう例です。

これも当たり前のことですから、わかってもらう努力が必要です。


・・・・いずれの場合でも自分と相手との間には溝(谷かもしれません)があることを認識し、それを前提とした意思疎通(溝を埋める、谷に橋を掛ける等)をすることが必要だということです。

つづく

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2026年2月18日 (水)

意思決定の改善 52

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

【番外編 その3】

1や2が欠如した当事者は、いざ人間関係が悪化した時、その原因を理解することはできないでしょうから、当事者のみで関係を修復することは難しいでしょう。

3が欠如している(良好な人間関係を保とうという意思がない)場合は、関係修復という概念自体が想起できません。

いずれにしても関係が悪化した後で修復を図るのは極めて難しいと考えられますから、望ましいのは関係が悪化しないように「予防策」を施すことです。

そこで、修復方法を考える前に悪化予防策について考えてみたいと思います。これが修復方法の検討にも役立つかも知れません。

さて、悪化予防策とは、三要素を大前提とした上で、人間関係に問題が生じた(生じそうになった)時に速やかに問題の芽を摘むことです。

人間関係の問題は、段階や関係性の強弱に応じて次の3つのパターンに分けることができます。

①認識や理解の不一致
②心理的な負担やストレスの招来
③具体的な加害や損害の発生

これらのパターン毎に問題の具体例を想定し、それぞれの問題解決方法(人間関係悪化予防策)を考えてみましょう。

つづく

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2026年2月17日 (火)

意思決定の改善 51

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
【番外編つづき】
人間関係を良好に保つ方法には、双方の個性に応じた様々なものがあるはずです。ですからその方法を見つけるためには相互に相手を理解しなければなりません。

より具体的には

1 人の性格や価値観が多様であり、人間関係を良好に保つためには努力がいることを理解すること
2 相手の性格や価値観を具体的に知り、受け入れること
3 相手との人間関係を良好に保ちたいと望むこと

が必要です。

実際に良好な人間関係を築き、保てている場合、当事者双方がこれらの三要素を備えていて、人間関係を円滑に進める何らかの努力をしているはずです。

その努力が、人間関係悪化の「予防策」であり、双方が揃ってこれを行っていなかった場合に人間関係が悪化する訳です。

そしてこの予防策が取られない場合、その原因は

①人は多様であることや人間関係を保つには努力が必要であるという認識がない(1の欠如)
②相手の性格や価値観を理解しようとしないか理解しても受け入れることができない(2の欠如)
③そもそも人間関係を良好に保とうと思わない(3の欠如)

が考えられます。

つづく

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2026年2月16日 (月)

意思決定の改善 50

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

【番外編 人間関係の修復】

先日あることがきっかけで、「人間関係の修復」について考えてみました。

意思決定の改善とも関連しますので、「番外編」として少し考えを巡らせてみたいと思います。

ところで、人間関係が修復を必要とするような状態には、相手方と「口もききたくない」「顔も見たくない」、つまり「相手方との接触や意思疎通を忌避するに至った状態」から、「なんとなくギクシャクした関係」程度のものまで、様々な段階があると思いますが、ここでは「悪化した関係」とだけしておきます。

さて、まず確認しなければならないのは、人間関係というものは漫然と営めば悪化するのは何ら不思議ではないということです。

なぜなら人は一人ひとり考えることも価値観も違うからです。そんな多様な人間が意思疎通を図ろうとすれば、摩擦が起きるのは当然で、黙っていても問題なく円滑に進むと考える方が無理があります。

ですから人は多くの場合人間関係を良好に保つように何らかの努力をしているはずです。ただ、その努力の具体的な方法は、当事者に多様性があるのと同様に多様であるはずです。

つづく

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2026年2月12日 (木)

意思決定の改善 49

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

多くの司法書士事務所の中に既に存在する、外部者の視点から意思決定者に対して異論を述べることができるしくみ(に似た構造)とはなんでしょうか。もちろんフクダリーガルにもあります。

それは、(登記申請のために作成・加工した)情報をチェック(レビュー)するしくみです。

自分が作成・加工した情報はまず自分自身でレビューします(セルフチェック)。

次にそれを別の人がレビューします。多くの場合さらにそれをまた別の人がレビューします(トリプルチェック)。

この間に間違いがあれば自分で修正するか、作成・加工者に差戻します。

通常作成者は自分の作った書類には間違いがないと思っています(内部者の視点/バイアス)。その書類をレビューする第三者は外部者の視点で、必ず間違いはありうるという前提でレビューします。

でも時々第三者も間違いを見逃すことがあります。それは外部者の視点を忘れてしまうからです。

レビュアー(チェッカー)にとって知識や経験以上に重要なのは、外部者の視点なのです。

そしてともするとそれを忘れてしまいバイアスを外すことができず、(後知恵では理解できないような)単純なミスの見逃しをするのです。

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2026年2月10日 (火)

意思決定の改善 48

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

そして著者はさらに一歩進んだ方法を紹介しています。

「あなたの中の外部者ならこの状況をどう見るだろうかと自分自身に問いかけること」です。

そのときの「コツ」は「その意思決定は自分ではなく友人のものだと考えて、その友人にどんな助言をしたらよいかを考える」というものです。

とにかく意思決定改善の「キーポイント」の一つは、「意思決定プロセスに外部者の声を強く反映させる手立てを考え出すこと」です。

そしてこれは、組織にも生かせます。

組織の中には様々な意思決定場面が有りますが、意思決定者自身が外部者の視点を持つだけでなく、意思決定者以外のメンバーが外部者の役割を果たすことができれば組織が不適切な意思決定を行うことを回避することができます。

そしてそれを永続的なものにするために、あらゆるレベルの意思決定について、あるメンバーが他のメンバーに、外部者の視点で異論をのべることのできる風土ないししくみを作ることが必要です。

しかし実はこれに似た構造は(少なくとも外形的には)多くの司法書士事務所の中に既にあるものなのです。

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2026年2月 9日 (月)

意思決定の改善 47

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

著者は、外部者の視点を取り入れて「バイアスを補正する」方法としてこんな方法を紹介しています。

それは「重要な意思決定を下すときに自分以外の人に頼んで意見を言ってもらう」「似たような意思決定の経験がある信頼のおける友人や同僚に相談してみる」という一見当たり前にも思える方法です。

そして再度家の新築を引き合いに出しています。「興味深いことに、私たちは友人が家を建てている時には予定よりも時間も費用もかかるだろうと予測する。それを知らないのは当の友人だけ」だと言います。

つまり「重要な意思決定に際しては、信頼を置いている友人に結果を予想してもらい、外部者の予測の方が内部者であるあなたのバイアスのかかった見通しよりもはるかに正確かもしれない」と考えることです。

私もフクダリーガル創設当時「外部者の視点」を取り入れて失敗可能性を冷静に計算していれば、失敗はもう少し少なく済んだかも知れません。

それでも「5年生存率33%」の世界で20年以上生存して来られたのは、失敗の度に多くの方に「外部者の視点」からの助言を頂き、問題点を改め、再び上を向くことができたからだと思います。

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2026年2月 6日 (金)

意思決定の改善 46

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

私の場合も例に漏れず「内部者の視点」から独立開業の成功可能性をかなり甘く見積もっていて、数々の失敗を経験してきました。

ではなぜ人は外部者の視点をなかなか取り入れられないのでしょうか。カーネマンらの研究では、「将来の見積もりや意思決定に関しては外部者が内部者よりも優れていることを示す説得力のある証拠」が示されました。

「外部者の視点のほうが過去の意思決定から得られた関連データをよく取り込んでいる」ということです。

にも関わらず「依然として私達は内部者の視点を信じ、それに沿って行動する傾向」があります。

その理由の一つに著者は「楽観主義と自信過剰」を挙げています。

さらにカーネマンらは、「人は意思決定のプロセスにさまざまな詳細事項の全てを組み込むので、結果的にそれぞれの決定をユニークなものとみなす傾向がある」と言います。

「『いま、ここ』に集中してしまうがために歴史的なデータを見逃してしまい、またバイアスの暴走を許してしまう」のだそうです。

「その結果、私達は外部者の視点が十分に利用可能なのにもかかわらず、内部者の視点に従ってしまう」のです。

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2026年2月 5日 (木)

意思決定の改善 45

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

次の例は、1988年のA.C.クーパー, C.Y.ウー, W.C.ダンケルバーグらの研究成果に基づいたもので、特に独立開業を目指す方達(過去の私も含め)に大いに参考にして頂きたいものです。

私自身自分が独立しようと考えた当時を(ちゃんと)振り返ってみますとこの思考傾向がピタリと当てはまっていたことに気づかされます。

また、これから新しいプロジェクトを企図する際にも全く同じことに留意する必要があることに、改めて気づかされました。

この研究によれば、「起業者の80%以上が自分のビジネスが成功する確率を70%以上と見積もっていて、また3分の1は成功確率を100% と回答した」そうです。

その一方で、「自分のと似たようなビジネスについては平均成功率を59%と見積もった」とのことです。

ところが現実には、カーネマンらの研究によれば新しいビジネスの5年生存率はたったの33%なのだそうです。

私の場合、フクダリーガルを立ち上げたのは長女が大学受験をする年でしたので、「これから一番お金がかかるタイミングで独立するなんて馬鹿じゃないの」と、口の悪い友達に言われました(外部者の視点)。

それに対して私は「根拠のない自信がある」などと根拠のない(自分は違うという)理屈をこねてました(内部者の視点)。

そして案の定、思ったように順風満帆ではなく、何度も失敗しました。

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2026年2月 4日 (水)

意思決定の改善 44 

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

そのメンバーはこう答えたそうです。「プロジェクトの40%は完成にたどりつけなかったし、7年未満で完成したプロジェクトは一つもなかった。」

そしてカーネマン氏の当該プロジェクトの結果は「完了まで8年もかかってしまった」そうです。

さらに別の例として著者は、「著作に携わっている人ならこのパターンに共感を抱くであろう」といいます。

まさしく今の私がその状態です(笑)。

「本を書くには長い時間がかかるものだということは大抵の人が知っている。それにもかかわらず、 最初の章を書き始めるために 机に向かった時に、非現実的なまでに早い締め切りに間に合わせることができると楽観的な見通しを抱いているのである。」

今私が執筆している(仮題)「不動産ディフェンスの教科書」も昨年秋には刊行する予定でしたが、(様々なことを犠牲にしているにも関わらず)伸びに伸びてまだ初稿校正中です(汗)。

「プロジェクトは完成さえしないかもしれないのに、私たちは今度のプロジェクトはそんなことにはならないと信じてしまう。」

そして次の例も一部の方達には(私自身を含め)大いに参考になるのではないかと思います。

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2026年2月 3日 (火)

意思決定の改善 43

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

外部者の視点、内部者の視点に関しては他にも例が挙げられています。

より一般的な例です。「家の新築や大がかりな改修のプロジェクトを考えている人は、友人からそんなプロジェクトは予算も期間も20から50%は超過するのが普通だと聞かされ」ます(外部者の視点)。

「にもかかわらず、そのような建築プロジェクトを始めた多くの人は、自分は違うーー自分の家はスケジュール通りに計画に近いコストで出来上がる」と思ってしまいます(内部者の視点)。

カーネマンも自身の体験として例を挙げています。

「同僚とチームを作って大学の新しいカリキュラムを作成したときに内部者の楽観主義が現れる古典的な状況を経験したこと」を1993年のロバロとの共同論文に書いています。

「作業チームはプロジェクトは完成まで18ないし30ヶ月かかると」見積りました。

カーネマンは「カリキュラム編成にかけては際立った専門家であると目されるチームメンバーのひとり」に対して「あなたが知っているケースをできるだけ多く思い出して欲しい」と伝えた上で、こんな質問をしました。

それらが「今の私達と同じ段階にあったとき」に「その段階から、そのプロジェクトを完成するのにいったいどれくらいの時間がかかりましたか」。 つづく

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2026年2月 2日 (月)

意思決定の改善 42

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

「行動意思決定論」(ベイザーマンとムーア)による「意思決定改善6方略」の5番目は、「外部者の視点に立つ」です。

プロスペクト理論でノーベル経済学賞を受賞したD・カーネマンは、シドニー大学のD・ロバロとの1993年の共同論文の中で、「人間は意思決定において『内部者(insider)』の視点と『外部者(outsider)』の視点のふたつを持っている」と述べています。

「内部者の視点」に立つと、意思決定において「それぞれの状況をユニークなものとみなすバイアス」がかかってしまいます。

「外部者の視点」に立てば、意思決定に当たって「複数の状況の一般化と類似点の明確化」ができます。

それらを著者はコンサルティング・チームを例にとって説明しています。

チームのメンバーは、外部者の視点から「ほとんどのプロジェクトは完了するのに最初に見積もった期間より長くかかることをよく知って」います。

にもかかわらず、内部者の視点から「自分がこれから取り組むプロジェクトの継続期間の見積もりはどういうわけか正しくてバイアスがかかっていないと信じて」しまうのです。

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