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2025年11月21日 (金)

「お悩み解決メソッド」への批判 その2

(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

この「お悩み解決メソッド」は、人間関係の困難さが「自分に原因があると思わないこと」にあるとし、その背景にシステム1の働きや認知バイアスといった要因を分析している点は評価できます。しかし、その論理構成や結論にはいくつかの疑問点があります。

まず、人間関係の問題の原因を考察する際に、「泥棒に入られた側、騙された側にも原因がある」といった過度に極端な事例を持ち出したことは、筆者自身も認めているように、議論を不必要に道徳的・倫理的な側面へ引きずり込み、問題の本質から乖離させています。

また、複数の仮説を立てる過程で、途中で「仮説自体が誤りである」や「問題設定が問題だった」と自己否定的な見解を提示する「一人ディベート」のスタイルは、思考の柔軟性を示すものの、論旨が一貫せず、読者に混乱を与える可能性があります。

最も批判的な点は、複雑な人間心理や進化的な背景まで掘り下げて分析したにもかかわらず、最終的な結論として、全ての原因を「認知バイアスで一括りにできる」とし 、対処法が「他人の意見を聞くこと(聞く耳を持つこと)」という、極めて一般的な提言に落ち着いていることです。

緻密な分析プロセスを経たにもかかわらず、「思えない」を「思いにくい」に言い換える工夫だけで、解決策が具体的な行動変容を促すものに昇華されていないため、分析の深さと結論の単純さが釣り合っていない印象を受けます。

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