各社会における序列意識
(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
「タテ社会の人間関係」は綿密な調査研究に基づく鋭い分析とともに、具体的な実例がわかりやすく書かれているので非常に興味深く読める本です。序列意識についての中国社会以外の例も興味深いのでご紹介します(古さを感じません)。
この点インド人は中国人よりもさらに自由です。敬老精神が強く、カーストなどの身分差があり、年少者や低身分の者が、年長者や上の身分の者に対して行動では序列を見せます(煙草を吸わないとか着席しないなど)が、こと議論の場面では堂々と反論できるそうです。
チベットは日本以上に序列意識の強い社会ですが、学者の議論においてはこれが放擲されます。敬語は完全に姿を消し、発言の仕方、応酬も全く同列に立ってなされ、そこには実力しか存在しなくなります。ダライ・ラマ(君主)でさえ玉座を降りて他の学者と同列の座に着く習慣だそうです。
英米では「タテ」でなく「ヨコ」(資格)の社会であり、同じ資格(教師同士、学生同士、等)では序列意識は極めて低調で、年長者と年少者がファーストネームで呼び合ったりもします。
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