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2024年10月31日 (木)

未知の方との雑談の収穫としてもう一つ大切なもの

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

それは成長です。前に書いたような(29日)会話や社交の技術を高めることだけではなく(これも大切ですが)、もっと本質的なことです。

人は自分と価値観の近い人と親しくなります。もちろん価値観の共有は組織で仕事をしていく上では重要なことですが、半面、考え方が一面的になり、新しい、未知の価値観、考え方を受け入れにくくなってしまう危険があります。

人は新しい(未知の)考え方を身につけることによって成長していきますが、敢えて求めなければそれに触れることはできません。そのチャネルの一つが未知の人です。未知の人は未知の考えを持っている可能性があるからです。

そのための手っ取り早い方法が、未知の人に声をかけて話をしてみることです。雑談でも、その中にはその人の考えが現れます。

ところでここで言っている「未知の人」には、全く未知の人だけでなく、知ってはいるけれど普段あまり話をしたことのない人も含まれます。

また、日頃良く話をしている人と、新しい考え方について話し合うことも成長の糧です。

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2024年10月30日 (水)

未知の方との雑談の収穫としてもっと大切なもの

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

その一つがイノベーションです。以前ここでイノベーションを引き起こすためには多様性(アイディアの)が重要であると書きました(8月7日)。

人は本質的に自分と考え方の似通った人と親しくなります。そのままでは多様なアイディア(自分とは異なる考え方)を知ることはできません。そのために知らない人、つまり考え方が違うかもしれない人との雑談が重要になります。

これを証明するような(昨年有名になった)エピソードがあります。mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンを開発し、2023年のノーベル生理学・医学賞を受賞した、米ペンシルベニア大学のカタリン・カリコ特任教授とドリュー・ワイスマン教授の出会いです。

ワイスマン氏が学術論文を複写しようとコピー機に頻繁に通ううちにカリコ氏とたまたま出会い、2人は雑談するようになり、がん治療薬開発に関してはDNAや遺伝子の研究が全盛だった中で、カリコ氏があえて貫いていたmRNA研究にワイスマン氏が興味を持ち、共同研究を申し出たのが始まりという話です。

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2024年10月29日 (火)

目的のない雑談はない 3

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

未知の方に話しかける目的はその他にもあります。

◆自己成長やコミュニケーション能力の向上
知らない人に話しかけることは、コミュニケーション能力を試す場でもあります。適切な話題を選び、相手の反応を見ながら会話を進めることで、自分の話術や社交技術を高められます。

◆会話そのもの、人間的なつながりそのものの喜び
深い意味や目的がなくても、人と話すことそのものが楽しい場合もあります。特に共感や笑いを共有できる雑談は、一時的にでも楽しさや満足感を与えてくれます。

◆偶然の出会いや発見
何気ない雑談の中で、偶然にも共通の興味や目的に気付いたり、興味深い情報や機会や新たな人脈を得ることがあります。何気ない一言が、予想もしていなかった未来のチャンスにつながることがあるのです。

◆問題の解決
困りごとを抱えている方に、解決の助力ができることがあります。困っていそうな方には一言声をかけるだけでも助けになることがあります。

このように未知の方との雑談は、深い意図はなくても多くのポジティブな効果をもたらす可能性があります。

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2024年10月28日 (月)

目的のない雑談はない 2

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

より積極的な目的を持った雑談とは未知の方に声をかけて交わす雑談です。

もちろん相手は無限定ではなく、同じ場所、空間におり、そこにいる目的が同じである場合が多いとは言えますが。

話しかける目的には次のようなものがあります。

◆新しい社会的地位を築く第一歩
新しい人間関係やネットワークを作ることで、仕事やプライベートで予期しないチャンスが生まれることがあります。
この場合は話しかける相手との関係性もある程度強い場合に限られます。

◆好奇心を満たし、新しい視点を得る
未知の方との会話は、自分が普段関わらない世界や経験に触れる機会を提供してくれます。異なる背景や考え方に触れることで、視野を広げたり新しいインスピレーションを得たりすることができます。

◆その場の雰囲気を良くする
エレベーターや新幹線など、無言で過ごすよりも少し軽い雑談を交わすことで、その場の緊張をほぐし、心地よい雰囲気を作ることができます。特に、共通の小さなトピック(天候、スポーツなど)を話題にすると、互いにリラックスできます。


(つづく)

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2024年10月25日 (金)

目的のない雑談はない

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

アイスブレイクやウオータークーラー・カンバセーション以外でも雑談には全て目的があります。

例えば、職場の隣席の同僚と交わす何気ない(仕事と直接関係のない)会話にも、何らかの目的があるはずです。当初は人間関係を育むという目的を持って行われることが多いと思います。これはウオータークーラー・カンバセーションと同じです。

やがて人間関係が育ってくると(仲が良くなってくると)、雑談の目的は変わってきます。例えば一息入れて仕事の疲れを癒すという目的であったり、アイディアに行き詰った時のヒントを得るためであったり、様々なものがあります。

話すことそのものが目的になることもあります。相手に好意を持っている場合は話をすることそのものに喜びを感じます。話の内容は無関係です。

もちろん、より深い理解を得て、人間関係をより深め、絆を強めるという目的がある場合もあるでしょうし、何らかの原因で遠ざかったり傷ついた人間関係を修復するという目的がある場合もあるでしょう。

もっと積極的な目的で行われる雑談もあります。

(つづく)

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2024年10月24日 (木)

「雑」な雑談はない

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

先日の朝礼で「雑談」の例として研修や会議冒頭のアイスブレイクとウオータークーラー・カンバセーションをとりあげましたが、少し説明が「雑」でした。

【目的】
・ アイスブレイク(IB)には、緊張を和らげて研修や会議を円滑に進めるという明確な目的があります。
・ ウォータークーラー・カンバセーション(WCC)にも、リラックスした日常の会話を通じて職場での人間関係を育むという目的があります。
【場・契機】
・ IBは特定の場で、司会者の指示に基づいて行われます。
・ WCCはIBほど限定的ではない場が設けられますが、自然発生的に始まります。
【形式】
・ IBはある程度形式化されており、特定の質問に基づいていたり、時には行動(ワーク)を伴います。ただし、内容はできる限り自由なものが求められます。
・ WCCは自由な会話であることが基本ですが、ファシリテーター的な者からの呼び水となる働きかけが必要な場合もあります。

・・・しかし、よく考えると、これら以外でも目的のない雑談というものはないのです。

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2024年10月23日 (水)

地頭ってなんだ

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

時々「地頭(じあたま)が悪い」という言い回しを聞くことがあります。人のことを指して言う場合と自分のことを言う場合とがあります。人のことを一刀両断に評価して全否定したり、そういうレッテルを貼って自分の可能性を狭めたりします。

人のことでも自分のことでもそんな評価をしてしまう原因は様々ですが、ある人の人格のごく一部を取り上げ、しかも他の人と比較してそのような評価をするのが大半です。

例えばある方が、あの人は時間内に試験問題を解けたが、自分は解けなかった。だから自分は地頭が悪いと言ったとします。しかし、時間内に問題が解けなかった原因についても、それ以外の能力についても考えていません。

失敗とは原因を把握して改善すべきもので、個人の能力に帰結させるのは短絡的過ぎます。また人間の能力は多様であり、変化・成長して行くものでもあります。

決めつける前に考えるべきことは沢山あります。

地頭を知能と言い換えて、それをテストできるという方がいます。しかし、一般的な知能テストも知能の全容を捉えてはいないのです。

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2024年10月22日 (火)

価値研修でマネジメントに期待する役割

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

今価値研修と言っているものも、FLC&Sの成長要因の共有を目的として始めたものです。当初はその要因を構成員の「思考習慣」あるいは「マインドセット」にあるとしていました。また、それを身につけるために作られた仕掛け(しくみ)にはどのようなものがあるかも、この研修で紹介していました。そして最終的には同じ思考習慣・マインドセットを身につけて欲しいと思っていたわけです。

しかし最近の価値研修ではさまざまな局面で直面する価値観相互のあり方について、新人だけでなく参加者全員に考えてもらうことが目的となっており、さらに今後は企業としての価値観(企業理念)を共に作り上げていくことになると考えています。

チーム内価値研修はいずれマネジメント職が主催(ファシリテート)して行い、最終的にはチーム理念を策定してもらうことになります。

気を付けるべきは、マネジメント職はファシリテーターであって単なるメッセンジャーではないということです。つまり、会社の価値観を部下にただ伝える役割ではないということです。

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2024年10月21日 (月)

チーム内価値研修

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

先週、チーム内価値研修を実施しました。アイスブレイクだけで時間を長くとり、予定していた価値研修には殆ど踏み込めず、参加者からも時間管理をしっかりせよとお叱りを受けました。

価値研修自体がまだ開発途上であるためこのようなことになるので参加者には申し訳ないのですが、研修は有意義であったと感じています。

元来このプログラムは最終価値である「幸せ」を実現するために共有して欲しい価値観と各人の価値観、そして現場の最前線で必要とされる価値観相互のあり方について構成員全員に考えてもらうのが目的ですから、2,3時間では足りません。

ですから、今までの価値研修も導入部分であったと捉えなおすべきだと思います。

また、この研修の意義は業務に追われて十分に行えていないチームビルディングの手掛かりを掴むことにもあります。セッションでは必須のゴール設定(今回はチームビジョン設定を予定)が参加者側から提案されたということもあり、予想外の成果があったといえるかも知れません。

他の課でも実施の希望があれば遠慮なく言って下さい。

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2024年10月18日 (金)

価値観の選択基準例

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日の、仕事に関する価値観(仕事観)は、正確には「仕事とは人を幸せにすることである。それによって対価を得て、自分も幸せになる」という考え方と、「仕事は分け合うものである。それによって自分たちが幸せになる(人の幸せは考慮外)」という2つの考え方を想定したものです。

資本主義経済原則を基準とすればどちらをとるべきかは明らかです。

では、「コミュニケーション観」はどうでしょう。職場で必要なコミュニケーションの度合いに次のような考え方があると仮定してみます。

1 業務に直接必要なコミュニケーション
2 業務に直接必要ではないが、業務をより円滑に進めるために必要なコミュニケーション
3 業務を円滑に進めるためだけなら必要ではないが、業務を改善しより生産的にするために必要なコミュニケーション

どれをとるかの判断は資本主義経済原則の解釈によります。

この原則は幸せの実現まで求めると解釈し、さらに、幸せにゴールはなく人はより良いものを求め、高みを目指すと考えるのが弊社の立場です。

この立場に立てば答えは当然3です。

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2024年10月17日 (木)

価値(観)の限界

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

価値観といっても、絶対的なものではなく、状況や条件によって変わるものです。価値研修における価値(観)はあくまでも経済活動という限られた場の中で、FLC&Sが企業として発展していくために必要とされるものです。

ですから、「自分が幸せになるためには人を幸せにしなければならない」という考え方も、そのような限られた条件の下で考えて頂きたいと思います。

そして、私達がこの国で活動する以上、憲法や法制度が採用する資本主義経済原則に従うことが当然の前提でもあります。

それによれば「自分が幸せになるためには人を幸せに」は「人を幸せにする仕事で対価を得、それで自分達が幸せになる」という意味で捉えることができます。

もちろん違う考え方もあり得ます。例えば「仕事は分け合うものだ」という考え方です。弊社にもそういう考え方の方がいるかも知れませんが、そうでない考え方の方との間でよく議論してみると良いでしょう。

そして、その時の前提になるのが、資本主義経済原則です。議論はあくまでもこの原則の枠内で行われなければなりません。

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2024年10月16日 (水)

新・価値研修

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

まず事業目的は、一言で言えば企業理念のPurpose(存在意義)に掲げた「幸せの実現」です。誰の幸せか?「自分が幸せになり、人を幸せにすること」です。

幸せの中身は価値や基本理念として表現して来ました。自分の幸せについては「楽しさ」「生きがい」「成長」「健康」、人の幸せについては「世界一楽しい会社」、社会の「安全」「確かさ」「持続可能性」「正しさ」「楽しい世界」。

つまり、自分が幸せになるためには人も幸せにする必要があるということで、意見が分かれ得るところです。

そして構成員が目的に同意しているとすると、その根底にある価値観が共有できていることになります。

それが、朝礼でお話した「土壌」の部分、「対等」「平等」「多様性」と「リスペクト」です。

これらの価値が全ての価値の根底をなすもの(目的実現のために不可欠なもの)であるとすることもまた、意見が分かれ得ます。

価値研修では特に、意見の分かれた点のギャップを埋めること、そのために本欄で述べたことなどについて皆さんの考えをお聞きすることになると思います。

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2024年10月15日 (火)

価値の「研修」とはなんだろう

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

一つの組織が最も効率よく成果を上げるために必要なことは何でしょうか?

私は、それは構成員全員がその成果を上げること、即ち事業目的について十分同意できていることだと思います。

そして、それができているということは、その目的の根底にある価値観が共有(知り、一致する)されているということです。

価値研修には、それができているかどうかを確認し、できていない場合はその原因を探り、実現を促進するという目的があります。
 
しかし、先月まで行っていたやり方では、その目的の実現に十分ではありませんでした。その理由は次の3つです。

1 事業の目的を改めて確認していなかった

2 講義の形式(一方的に私が話をする)であった

3 より小さい単位の組織(課など)における目的や価値観にまで落としこんでいなかった

そこで、事業の目的を再確認し、形式を変え、小規模組織単位の研修も実施して行きます。

尚、事業目的や価値観の共有は多様性の尊重と矛盾しないこと、価値観の位置づけを今月の朝礼で見直したことも念のため申し上げておきます。

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2024年10月11日 (金)

地面師対策は司法書士?

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

本日発売のビジネス雑誌「PRESIDENT」に、地面師に関する私の寄稿が掲載されることは、既にお知らせした通りです。

内容は、配信ドラマで話題になった地面師と不動産ブローカーの実態を中心に扱ったもので、不動産事故全般に触れたものではありませんし、司法書士が事故防止の担い手であることもさほど強調してはいません。

それは、今回はまず業界人でない一般の読者に興味を持って頂くことを第一に考え、司法書士の役割、特に予防法務(不動産事故防止)についてより広く知って頂くためのきっかけになれば良いと考えたからです。

私は、司法書士の仕事が極めて多岐に渡っているにも関わらずそれが世間に余り知られていないことをとても残念に思って来ました。

不動産事故防止もその一つですが、それを広く認知して頂く事は、司法書士にとって、そして社会全体にとっても極めて意義のあることだと考えています。

また一般への発信は、不動産・金融の業界の方々や司法書士自身が、司法書士の仕事の奥深さを再認識することにもつながるのではないでしょうか。

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2024年10月10日 (木)

研修ってなんなんだろう その2

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

価値研修ワークショップでも初めはアイスブレイクです。まず、全参加者に自己紹介をして頂きました。内容は弊社のオリジナルの新人研修に倣って、最近の自分自身のトピックなどを話してもらい、それに対して質問をしたり、関連した発言をしたりしました。

当然私も自分自身のことを話しましたが、気がつくと普段身近な人にもあまり話していないことを話していました。秘密ではありませんが何故か人にあまり話す機会がないことを、知り合ったばかりの方達に話している。それは自分でも不思議に思いました。

他の参加者が同じように感じたかどうかはわかりません。また。アイスブレイクの目的はまだよく知らない者同士がお互いの見えない部分を少し見せ合うことで、それぞれ感じる不安感や緊張感を減らすことですから、個人的な話をするのは理にかなっています。

しかし、他人に、まして初対面の方に通常話さないような個人的なことまで自然に話してしまうのは、義務感からだけでなく、人は本能的により良い人間関係を求めているからではないでしょうか?

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2024年10月 9日 (水)

研修ってなんなんだろう  その1

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

私が行う研修に、「価値研修」という、自社の(私の)価値観を毎月入社する新人の方達に共有してもらう目的のものがあります。直近では200ページ近いスライドを私が2時間で一方的に説明するというものになっていました。

しかし、今月からはやり方を大きく変えて、関連するいくつかのテーマについて参加者に自分の考えを話してもらうというワークショップ形式に変更しました。

やり方を変えたのは先月から行った「アイスブレイク・セッション」なるものがきっかけです。これは、同期入社の新人派遣社員の方同士のコミュニケーション促進のために始めたものです。

価値研修をそのセッションの素材にすることにしたのですが、一方的に私が話すやり方では参加者同士のコミュニケーションは図れませんので、自己紹介や雑談を中心としたワークショップ形式にしました。

本来の価値研修も当初は従来通り行うことを考えていましたが、「アイスブレイク」の経験から価値観の共有の効果もワークショップ形式の方が効果が上がるのではないかと思った訳です。

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2024年10月 8日 (火)

実体に踏み込むおせっかい

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

実は仮装であって実体がないが、一見してそうとはわからない取引について登記を依頼された時、それにどう対処するかは、悩みを抱えているけれど明るく振る舞っている友人に対してどう声をかけるか悩む状況と似ています。

これは、一つには取引当事者/友人の客観的な状況によりますし、もう一つは当人の仕事観/人生観によります。

客観的な状況とは、一見して怪しい/心配だと思えるような外観を呈しているのか、ということであり、当人の仕事観/人生観とは、義務がないことには関わらないのか、義務はなくても自分が必要と思えば関わろうとするのか、ということです。

これは、これまで何度かここでも触れ、価値研修でもお伝えしてきた「能動的思考」というマインドセットを、どう使うかという問題だとも言えます。

つまり、このマインドセットは、仕事の場面だけでなく、私的なコミュニケーションでも同様に効果を発揮するものだと言えるのではないかと思います。

私は、義務はなくても関わっていく、いわば「おせっかい」も時には悪くないと思っています。

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2024年10月 7日 (月)

実体のない登記を依頼されたら その5

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

司法書士が本人確認・意思確認をするために行う質問の中には実体の存否に関連するものもあります(取引の目的など)。

その回答が予め準備された虚偽のものであっても、矛盾点がなく実体の存在に疑いを抱かせない程度のものである場合には、本人性や意思能力に疑いがない限り、それ以上の確認は困難です。

また、それによって仮装を見破れなかったとしても過失は認定されにくいと思います。

ただ、売主の資産状況についての情報を掴んでいる場合には別の問題があります。

例えば、自己所有の不動産を売却する者に多額の負債があり、その返済が滞っていて他に資産もないことを知った時には、売却が詐害行為にあたる可能性を疑うべきです。

これは売買が仮装かどうかとはまた別の問題です(そもそも無効である虚偽表示は詐害行為取消権の対象となりません)。また、売買代金が適正だから良いということでもありません(民法424条の2)。

疑いだけなのか、さらに事実関係と買主側の認識を確認し、取引中止の進言、場合によって委託の拒絶もあり得ます。

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2024年10月 4日 (金)

実体のない登記を依頼されたら その4

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日、実体のないことを察知できる兆候について書きましたが、こういう兆候が全くなくても実体がないことはあり得ます。

それはあたかも地面師が詐欺のために偽物を精緻に作り出すように、実体がある場合と寸分違わぬ外形が作り出されている場合です。

むしろ当事者が本物であり、従って書類や資料も本物である以上、偽物の外形を作り出して司法書士を騙すことは、地面師の場合より容易だとも言えます。

例えば売買の意思のない売主と買主が売買契約を締結し代金も送金し、所有権移転行為も行うなどです。

この契約は虚偽表示で無効ですから(民法94条)、実体は存在しないと言えます。しかし、彼らがその内心(通謀)を秘している以上、見破ることは極めて困難です。

ただ、知らずに依頼を受けて登記しても、実体が不在である兆候がない限り司法書士に過失はなく、責任を問われることはない場合が多いでしょう。

尚、仮装行為の背後に強制執行妨害などの違法な目的があった場合、売主の資産状況にまで目を光らせることを求めるのは酷かも知れません。

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2024年10月 3日 (木)

実体のない登記を依頼されたら その3

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

典型類型

◆資産を隠す(強制執行や破産手続きから逃れる)ための所有権移転
◆贈与税等の課税免れに、税率のより低廉な法形式を装う

兆候

◆売主から依頼される
通常の2者間売買であれば買主側からの依頼が大半ですが、この場合は所有者の利益だけのためのものなので所有者即ち売主から依頼されます。
◆仲介を介さない
所有者から直接依頼されます。通常仲介事業者が作成する売買契約書の作成も合わせて依頼されます。
◆送金の証拠がない
売買代金が支払われた旨の登記原因証明情報に署名捺印をし領収書も提出しますが、送金の客観的証拠がありません。
◆移転の証拠がない
鍵引渡、引渡・移転書面の作成等がされません。
◆登記費用を売主が支払う
通常は買主負担です。
◆完了書類(新登記識別情報)を売主に引き渡す
通常は買主に引き渡します。
◆通常の付随資料がない
境界確認書、賃貸人変更通知等多数
◆以上の扱いを買主も承諾

これら変則的手法採用の理由が説明されない場合、対象実体がなく登記が不能で依頼を拒絶すべきである可能性が高いでしょう。

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2024年10月 2日 (水)

実体のない登記を依頼されたら その2

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

日頃多数の売買や担保設定の登記を扱っていると、実体を伴わない案件などというものは想像がつかないかも知れません。

もちろん、大多数の案件は真っ当な、依頼される登記に合致する実体を伴うもので、そうでないものはごく例外的な少数のものではあります。

しかし、これはこれまで学んだ不動産事故と同様現実に起きていることで、もし自分は大丈夫と思ったらそれは正しく正常性バイアスです。

ですから、そういう案件に遭遇した時にどう対処すべきかを日頃から考え、備えておく必要があるのです。

これまで事故として扱ってきたのは主に(登記の依頼者である)買主側が被害を受けるものでしたが、事故はそれだけではないということです。

このケースでは主な被害者は当事者以外(債権者など)ですが、私達司法書士も被害者になる可能性があります。過失責任を認められ損害賠償を請求されたり、最悪の場合犯罪の共犯者にさせられてしまうという危険まであります。

そこで、事故防止研修も範囲を広げて、このケースへの対処法を学んで行く必要があります。

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2024年10月 1日 (火)

実体のない登記を依頼されたら

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

強制執行妨害など違法行為であることを示しての登記依頼であれば拒絶するのは容易ですが、動機が隠されている場合、実体(売買なら代金支払と権利移転)の存否を確認することになります。登記は物権変動の反映だからです。

まず、代金を支払わない場合は売買とは言えません。

例えば、親が子供に不動産を贈与するのに、贈与税を回避するために形式上売買したことにする、などという場合です。これはもちろん違法なことですが、その事情を聞かされずに所有権移転登記の依頼を受けた司法書士は、実際に売買契約通りの代金が支払われたかどうかを確認する必要があります。

もし「支払ったことにして売買の登記をして」と依頼されたら、当然それは断らなければなりません(あるいは贈与に変更して頂く)。調査・課税される危険もないとは言えません。

さらに引き渡しや所有権移転も行わない場合は実体が全くなく、当然登記もすることはできません。

実体がある場合でも目的によっては違法となりますが、知らなかった場合は共犯にも過失にもならない可能性は高いです。

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