気になる敬語
(フクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
昨日「立ち読み」をご紹介した「エリートと教養」はまだ買っていませんが、「気になる言葉遣い」について、もう少し考えてみました。
私が「気になる」言葉使いの典型は「敬語」にまつわるものです(同書の評者の方が「日本語の乱れ」とおっしゃっているのはもっと広い範囲のもののようですが)。
そして「気になる」の中身は「違和感」や「不快感」を感じるということです。
また、同じ「気になる」場面でもその言葉を使っている人が良かれと思って使っている場合(敬語として使っている場合)と、そもそも良かれと思う気持ち(気遣い)がない場合(敬語を使う気持ちがない場合)とがあります。
当人が良かれと思って(敬語として)使っているが「気になる」ものとしては所謂「バイト敬語」があります。例えば「こちらが本日の議題になります」「弊社がご用意するという形です」「打合せの場所は弊社の方です」などで、敬語として使われていますが、私は違和感を感じます(それで「フクダリーガルの教科書」にも載せています)。
それぞれ「・・議題です(でございます)」「・・ご用意いたします」「・・弊社です(でございます)」と言ってもらえれば気になりません。
同じバイト敬語でも違和感を通り越して不快感を感じるのは、例えば、飲食店や物販店舗で商品◯◯を持ってきたときに「はい、こちら◯◯ですねぇ~」などと言われたときです。
バイト敬語以外で気になるのは、会話中に相槌として、「はい」ではなく「ええ」(良かれと思っている)「うん」(良かれと思う気持ちがないかおそらく無意識)と言っている場合などです。
ただ、なぜこれら(特にバイト敬語)が気になるのか、を論理的に説明しろと言われるとなかなか難しいことになってしまいます。今言えるとしたら、これまで私達が使ってきた言葉遣いと違うから、なのですが、これではさんざん批判してきた「前例踏襲主義」と何ら変わりません。
この点はもう少し考えます。
さて、「良かれと思う気持ちがない場合」については、また明日。
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