敬意と親しみ
(本日のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
フクダリーガルでは、弊社にとって「お客様」の立場にある方に対しての敬称は「さま」を使わなければならないと定めています(「フクダリーガルの教科書」)。
では、「お客様」とは(これ自体が敬語を含みますが、要は「客」とは)何でしょうか?
国語的な意味では、「客」とは①「もてなされる人」②「たずねてくる人」③「ものを買ったりサービスを受けたりしてお金を払う人」ということになります(三省堂国語辞典第七版より)。
私がこの「さま」ルールを定めたときに想定していたのは、私達に仕事を依頼してくださる方、つまり③の意味でした。
しかし、礼儀正しさを示す必要があるのは「お金を払う人」に対する場合だけではありません。①や②の意味の方に対しても敬称は「さま」とすべきです。
さらに、フクダリーガルの教科書では、「お客様に対する敬称は『さん』ではなく『さま』」としています。これは示す敬意の高さの違いです。
私達が一般に使う敬称を敬意の高さの順に並べるとすると、高い方から「さま」ー「さん」ー「くん」ー「ちゃん」ということになるでしょう。
つまり、フクダリーガルでは「客」に対しては最上位の敬意を払うべし、ということです。
しかし、高い敬意を示すほど、「親しみ」は薄くなり、所謂他人行儀にはなります。
ですから、対象となる相手や会話の相手との関係性あるいは場面(公的か私的か)の相違によって、敬称の選択は違ってきてしかるべきです(この点はフクダリーガルの教科書には書いてありませんが、例えば「さん」は敬意と親しみを双方バランスよく表現できると言えるでしょう)。
また、「敬称を使うべき全ての場面(文脈)」とも言いました(昨日の「『さま』は対等か」)が、「客」にたいしても敬称を使う必要のない場面(呼び捨てにすべき場面)があります。
それは、その「客」の(社会的)役割や果たす機能に着目して客観的に述べる場合です。例えば不動産の売買契約の概要を登記業務の内容として社内であるいは第三者に対して説明する場面で、「売り主は鈴木一郎、買い主は佐藤建設です」などと言う場合は敬称を付す必要はありません。
ではまた明日。
| 固定リンク | 0
コメント