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2006年3月19日 (日)

担保権消滅制度は「使える」か? その2

昨日は船井総合研究所のセミナー司法書士事務所 地域一番フォーラムのゲスト講師を昨秋に続いて勤めさせていただきました。独立開業後3年で急成長したという事でご指名いただいたのですが、船井のコンサルタントの先生方のお話を改めてお聞きして、まだまだ自分が「PULL型の営業」というものをわかっていなかったという事を実感しました(先日のジェイエル清水社長のセミナでもお話がありましたが-最近同じテーマを続けざまに提示されるという事がすごく増えています)

さて、昨日の続きです。

昨日の質問事項と結論をわかりやすく言いますと住宅ローンを借りてマンションを買う場合に新破産法の「担保権消滅制度」(186条以下)は利用できない、ということです。

※申し訳ございません、この点に関しては訂正させていただきます。こちらの記事をご覧ください。

住宅1戸ではこの制度を利用する必要がある程の多数の担保が設定されている場合は少ないのではないかと思われるかも知れませんが、複数の不動産を共同担保にしている場合などはよくあります。

買主に融資しようとする金融機関は、現在付いている担保が消滅することを条件(引き換え)に融資するのが原則です(最先順位の担保を要求)。従って融資実行時には確実に担保が消滅し、登記も抹消されるという事の確認が取れなければなりません。

しかし、この制度では売得金が裁判所に納付されませんと担保権が消滅しませんから担保登記の抹消の嘱託(裁判所から法務局に直接抹消登記を依頼する)もその後でないとなされません。

したがって、担保権消滅制度では抹消登記手続が確実に行われる保証がありませんので、金融機関の融資を受けるのが難しいというのが現状のようです。

同じような問題は破産の場合や担保権の場合に限らず、差押(担保実行、一般債権者による強制競売、租税の滞納処分)、仮差押、仮処分などの付着している不動産を売買する場合にも問題となります。これらの処理件数も少なくありませんが、これらついてはまた改めてお話したいと思います。

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