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2006年3月17日 (金)

売主がボケていれば登記しても永久に無効なのです。 Part 3

まず、「フクダリーガルwiki支店」から注目ページのご案内。

今日は、「うちのちえちゃん」。ちえちゃんは女性スタッフのお母さん。これが実にキャラが立ってます(はじめから)。「おっちょこちょいでおちゃめでかわいい」というよりかなり豪快(?)。是非ビジュアルも見てみたいですね。

では本題です。

(昨日までの記事のあらまし)

不動産の売買契約で、売主さんがご高齢などで取引(決済)にご出席できないので、フクダさん事前に会っていただけますかというご依頼を頂くことがあるが、面談して判断能力不十分と思われるときはどうするか・・・・。今までにこんな提案があった。

① 決済を延期して後見人を選任する

② 取引自体を中止する

③ そのまま代理人を立てて手続きを進める

④ やってくれる司法書士を探す

⑤ やってくれる弁護士を探す

⑥ 相続人全員から念書を取る(実印・印鑑証明書つき)。

(それでやってくれる司法書士がいるかどうかはなはだ疑問ですが)。

このうち③~⑥はまったく意味がありません

つまり、多少売主がボケていて意思能力が疑わしくても「OKです、登記しましょう」という司法書士や弁護士がいたとしても(いないとは思いますが)、それで取引が有効になるわけではないということです(相続人全員の承諾があっても同様)。

司法書士の責任だから任せてしまうと言う問題ではないのです。誰が責任を取ろうが(この場合は仲介業者さんの責任も半分ぐらいは問われますが)契約が無効であることには違いがないのです。

売買や所有権移転が無効でも、司法書士がそれなりの書類を作って登記申請すれば、登記は出来てしまいます。登記所(法務局)の係官(登記官)は原則として形式的審査権(提出された書面からのみ判断する)しかないからです。しかし、残念ながらわが国の不動産権利登記には権利創設的な効力はありません。無効な権利関係に基づく登記は無効だという事です。また公信力(仮に真実の権利が存在しない場合でも、登記を信じた者には権利が存在したと同様の法律効果が与えられる効力)もありませんから、善意で転売を受けたり、建売住宅やマンションを買った人たちも当然には保護されることはありません(権利を取得できない)。

もっとも誰も無効を主張するものがいなければ、そのままで済むかもしれません(それを狙って⑥のような方法を考えるのだと思います。)しかし、無効は永久に無効ですし、仮に誰かが無効を主張する代わりに金銭を目的としてクレームを付けてきたりすると大変厄介なことにもなりかねません(⑥の場合も相続人が合意してもその次の世代が蒸し返すことも有り得る)。そういう可能性もある訳ですし、企業の場合はコンプライアンス(法令遵守)上も大変問題があると思います。

ですからどうかアタマのカタいフクダリーガルがやってくれないんだったらもっと柔軟な司法書士を探そうなどと考えないで頂きたいのです。

それだけはくれぐれもお願いしたいと思います。

⇒このブログのトッ

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