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2017年4月30日 (日)

新・中間省略登記の活用実例⑥ 直接取引の回避 その1

買主CがAとの直接取引を望まない場合である。

例えばCが法人で、A所有の不動産が欲しいが、Aとは取引実績がなく会社の承認が下りないため、取引実績のある(またはネームバリューのある)不動産会社にBの位置に入ってもらい、一旦AからBに売却し、Cは直接的にはBから購入するという形を取る場合、等である。

つづく
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2017年4月28日 (金)

新・中間省略登記の活用実例⑤ 販売リスクの回避

Aが販売リスクを負いたくないケースである。
 
典型例がマンションの「専有卸」。

専有卸とは、デベロッパーAがマンションを建てて一棟丸ごとデベロッパーBに売却(卸す)。

Bが(自社ブランドを付けて)エンドC1~Cn向けに分譲する。

Aは開発利益のみを享受するというわけだ。販売利益よりは利は薄いが、リスクも少ない。

つづく

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2017年4月27日 (木)

新・中間省略登記の活用実例④ 信用補完

◆例えば商社AがデベロッパーBとの共同事業でマンションを建て分譲する(エンドがC1~Cn)場合。

  Bの信用力に不安があるのでB持分も一旦Aが買取り、Aの単独所有とする。

  建物が完成し分譲する段階では一部をA→B→Cという経路で売却し、一部をA→C
  という経路で売却する。
 
  Cとの関係でABは共同売主である。

  このA→B→Cの部分を新・中間省略登記で行うというものである。
☆(ワンルーム)マンションの「専有卸」も「信用補完」の目的でもあると言える(後述)。

つづく

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2017年4月26日 (水)

新・中間省略登記の活用実例③ グループ会社の遊休土地の活用

事業会社A所有の遊休地を子会社であるデベロッパーBが取得してマンション・建売住宅を建て分譲するという実例である。例えば電鉄会社などが典型例。
※特にこのケースは危険が極めて低いため新・中間省略登記を活用すべきである。

つづく

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2017年4月25日 (火)

新・中間省略登記の活用実例② 中間者が瑕疵担保責任を負担する

Bが仲介でなく当事者(売主)となる事によって、Cに対して瑕疵担保等きちんとした責任のある仕事をしたい。

※ Bが瑕疵担保責任を負担する理由は様々である(宅建業者であるAが負担するのを回避するため等)。

尚、BC間が無名契約の場合は、宅建業法が適用にならないため、瑕疵担保責任の排除も可能となる場合がある。

つづく

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2017年4月24日 (月)

新・中間省略登記の活用実例① 危険に相応した収益を上げる(買取転売)

Bが、仲介するよりも敢えて危険を負担してでも大きな利益を得たいと考えた場合である。

仲介手数料では宅建業法上の制限があるが、転売差益であればその様な制限はない。

もちろん、当事者(買主、売主)になる以上、それなりに危険も責任も重くなる(最終取得者からすれば、信頼のおけるプロに責任を負ってもらえるという利点がある)。

つづく

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2017年4月23日 (日)

新・中間省略登記では固都税の精算はAC間で直接おこなうのか(よくある質問20)

理論的にはAC間で直接行う事はもちろん可能であり、最も簡便ではある。
二者間の売買であれば、引き渡しの日を基準に売主と買主で按分するのが通常であり公平である。つまり占有(使用)するものが負担するという考え方である。
この考え方に従うと当事者が一人増えた場合も占有している期間に応じて按分するという事になる。
しかし同時決済の場合中間者Bの占有は一瞬であり、実質的にはAから直接Cに占有が移される場合と同視して良い。
従ってACのみが固都税の負担をする(AC間で精算する)としてもあながち不都合ともいえない。むしろ合理的である。
しかし実務上はAC間で直接精算する事は殆どない。
AC間に直接の契約関係はなく、AC間で(売買代金をはじめとする)金銭の精算を行う事は通常考えられないからである(直接顔を合わせる事も少ない)。
つづく

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2017年4月22日 (土)

新・中間省略登記では買主であるCが見つかるまでの固定資産税はA・B・Cの誰に課税されるか?(よくある質問19)

固定資産税は、一月一日現在の固定資産の所有者に対して課税される(地方税法343条1項、359条)

この場合の所有者とは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者をいう(同条2項)

従って中間省略登記を伴う取引であっても、一月一日現在の所有者に課税されることには何の変りもない。

つまり、納税義務は一月一日現在の所有者であったAが負う。

勿論当事者間では実際の占有者が負担するという取り決めをする(日割り精算等)のが通常であるが、この関係に新・中間省略登記で行うという事が影響を及ぼすことはない。
つづく

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2017年4月21日 (金)

新・中間省略登記では消費税は課税されるのか(よくある質問18)

国内において事業者が行った資産の譲渡・貸付等には、消費税が課税される(消費税法4条1項)

但し土地の譲渡・貸付等については消費税の性格上非課税である(同法6条1項、別表第一 一号)

AもBも事業者であり不動産を譲渡して対価を得ている場合は建物代金について消費税が課税されるのは言うまでもない。

中間省略であってもこの関係には何の影響もない。

つづく

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2017年4月20日 (木)

新・中間省略登記で同時決済の場合の司法書士の選定は取引当事者のうちの誰が行うのか(よくある質問17)

中間者Bが宅建事業者で最終取得者Cが非宅建事業者の場合は、B(又はCに融資する金融機関)が指定するケースが多い。

BもCも宅建事業者の場合はさらにCが加わる。

報酬はいずれの場合もB、C双方から支払って頂く。

つづく

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2017年4月19日 (水)

新・中間省略登記で司法書士報酬は中間者にも請求できるのか(よくある質問16)

当然請求できる。

司法書士の仕事は単に登記の手続きを行うだけの事ではないからである。

新・中間省略登記においては中間者Bへの所有権移転登記は行わないが、現所有者AとBとの間の売買の安全確認・遵法性確認を行い、Bが代金を支払う事に対して責任を負うのであるから、Bから報酬を受けることが出来るのは当然である。

つづく

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2017年4月18日 (火)

「新・中間省略登記」は司法書士の業務機会を奪うものではないか(よくある質問15)

「新・中間省略登記」によって、むしろ司法書士の業務機会は増える。

この疑問は、中間省略登記が出来なくなった事によって司法書士の業務機会が増えたにも関わらず、「新・中間省略登記」の公認によってこれが失われるのではないか(司法書士はそれを嫌って「新・中間省略登記」に否定的なのではないか)というものである。

確かに中間省略登記ができないということは、省略できていた中間者Bへの移転登記を省略せずに登記しなければならないということであるから、登記の「件数」自体は増える。

しかし、司法書士の仕事内容が大きく変わるものではない。それは、「中間省略登記」の場合でも、司法書士はAB間の取引に立会い、法的安全性を確認する業務を行っていたからである。

この点は「新・中間省略登記」でも同様である。司法書士はAB間の取引の安全確認業務を行うから、業務機会を奪われるということにはならない。

むしろ「新・中間省略登記」によって不動産取引が活性化することが期待され、司法書士の業務機会は増えるのである。これは規制改革会議が中間省略登記を推奨した趣旨でもある。

なお、AB間の取引の安全確認業務に対しては適正な額の報酬が支払われるべきである。

つづく

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2017年4月17日 (月)

新・中間省略登記と地位譲渡との使い分け(よくある質問14) 2 使い分けのポイント

① 地位譲渡の場合中間者Bの差益が当初所有者A及び最終取得者Cに知られてしまう

② 地位譲渡の場合売買契約書の作成が一件分だけでよく、また、印紙も一件分だけで済む。地位譲渡にも契約書は作成するが、宅建業法も適用にならず、内容も簡易で可能。また、印紙も所有権の譲渡でなく債権譲渡なので、200円で済む。

③ 消費税。 売買代金の場合、建物分にのみ消費税が課税されるが、地位譲渡対価に関しては通常「土地建物」の区別はないと考えられ、譲渡対価全額に対して課税される可能性がある。
以上から、地位譲渡を使える典型はプロ間取引(差益がオープンの場合も多い)等、差益が知られても良い場合や差益取得目的でない場合である。

但し、③の消費税の点は注意を要する。

つづく

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2017年4月16日 (日)

新・中間省略登記と地位譲渡との使い分け(よくある質問14) 1 地位譲渡とは

地位譲渡とは、契約上の地位の譲渡、即ち売買契約の当事者(主に買主)の地位を、契約の同一性を保ったまま第三者に譲渡する事をいう。

170416

つづく

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2017年4月15日 (土)

新・中間省略登記には期間の制限があるか(よくある質問13)

新・中間省略登記に期間の制限はない。従って例えばBに不動産が引き渡された後半永久的にAに所有権を留保してあったとしても問題はない。

契約自由の原則からは当然の帰結である。

但し、実質的な制限として、Aの印鑑証明書の有効期限には注意する必要がある。

AからCへの所有権移転の登記をする際に必要とされるAの印鑑証明書の有効期限が発行の日から3ヶ月とされているからである(不動産登記令)。

つづく

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2017年4月14日 (金)

新中間省略登記ではAがCに瑕疵担保責任を負わなくても仲介業者が負うのではないか。(よくある質問12)

仲介業者が瑕疵担保責任を負う事はない。

瑕疵担保責任は売買契約に基づいて売主が負う責任だからである。

仲介業者が負うとすれば、媒介契約に基づく債務不履行責任である。
例えば、瑕疵の存在を仲介業者が知っていたのにそれを買主に説明しなかったような場合には、重要事項の説明義務違反の責任を負う事になる。

逆に重要事項として説明されていれば売主に瑕疵担保責任を問う事もできない。

つづく

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2017年4月13日 (木)

新・中間省略登記ではAはCに対して瑕疵担保責任を負うのではないか。(よくある質問11)

所有権がAからCに直接移転する事から生じた質問であるが、結論から言うとAがCに対して当然に瑕疵担保責任を負う事はない。

瑕疵担保責任とは、売買(及びその他の有償契約)の目的物に隠れた瑕疵(普通に気をつけているだけでは気が付かないような欠陥=期待された品質・性能を備えていないこと)があった場合に売主が買主に対して負う責任のことをいう。

これは、売買契約に基づいて発生する責任であるから、売買契約の当事者でないAC間では当然には発生しない。つまり、AはCに対して瑕疵担保責任を当然に負うことはない。

民法577条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

民法566条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
3  前2項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない。

つづく

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2017年4月12日 (水)

新・中間省略登記でAB間とBC間の契約形態が違う場合の注意点(よくある質問10)

例えばA-贈与→B-売買→Cの場合、Cの所有権取得登記の原因(所有権移転原因)は「売買」でなく「贈与」になる。

Cの所有権取得はAB間の契約の効果として生じるというのが法務省の見解である。

ただしBC間の実体関係(売買契約)には何ら影響はない。BやCに贈与を理由とする税金が課税されるという事もない。あくまでも贈与契約の当事者であり受贈益を得るのはBであり、(ABが個人の場合)贈与税を課税される。
逆にCは無償で所有権を取得しているわけではない。

こう考えると、必ずしもCの所有権取得原因はAB間の贈与契約だけだとも言えない様にも思える。

※A-交換→B-売買→Cの場合はCの所有権取得原因は「交換」である。

つづく

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2017年4月11日 (火)

新・中間省略登記は所有権移転原因が売買でない場合(贈与、交換等)でも使えるのか(よくある質問9)

新・中間省略登記では所有権の移転原因は(第一の移転原因だけでなく第二の移転原因も)売買でなくても良い。

契約等、意思表示に基づく所有権移転原因であれば全てこの手法を活用する事が可能だ。Bに所有権を移転させないと取り決める事ができるかどうかが可否判断の分かれ目である。
従って、例えば所有権移転原因が相続である場合は新・中間省略登記を使う事が出来ない。

逆に会社分割や合併の場合は可能である(後述する)。

つづく

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2017年4月10日 (月)

新・中間省略登記でCはAの売買代金領収を確認できるのか(よくある質問8)

前回の質問によればCはAが受け取るべき売買代金額を知る事が出来ない事になるが、それではAが売買代金全額を間違いなく受取ったのかどうか確認できないことになる。確認できないとすると自己の所有権取得が不確実なものとなる。

確かにC自身(及びCに融資した金融機関)が直接売買代金額を確認する事はできない。ではどうすればよいか。

難しい事ではない。公平な第三者の立場にある司法書士に任せればよいのだ(司法書士はそれを確認する義務を負いまたその権利がある※)。

他の方法としてはAから「売買代金全額を受領した(そして他に一切の債権はない)」という内容の書面を提出してもらうという事も考えられる。

※当事者以外の第三者に売買代金額を知らせる義務はない

つづく

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2017年4月 9日 (日)

「新・中間省略登記」では売買代金がガラス張りになる?(よくある質問7)

売買代金が「ガラス張りになる」とは、AB間の売買代金がCに、BC間の売買代金がAに、それぞれ知られてしまうのではないかということ。

「新・中間省略登記」ではあくまでも売買契約はAB間のものとBC間のものとの2つが別個に存在する。
AはBC間の売買契約の当事者とはならないから、BC間の契約内容(売買代金)を知りうる立場にはない。
逆に、CはAB間の売買契約の当事者とはならないから、AB間の契約内容(売買代金)を知りうる立場にはない。
詳しくは「新・中間省略登記が図解でわかる本」Q58、p.124参照の事

つづく

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2017年4月 8日 (土)

新・中間省略登記でも所有権移転の効果は売買契約だけで生じるのではないのか(よくある質問6)

民法上の原則はまさしくその通り(意思主義)

実務上は売買代金の支払いと引き換えに移転するという特約を付すのが通常。

新・中間省略登記ではさらに売買代金全額が支払われただけでは所有権は移転しないという特約を付す。

※なぜこの様な民法学習の様な質問が出るのだろうか?
思うに新・中間省略登記では売買契約の流れ(A→B→C)と所有権移転の流れ(A→C)が異なるから、売買契約とその効果としての所有権移転が不一致でも良いのかという疑問が生じたのではないだろうか?

つづく

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2017年4月 7日 (金)

新・中間省略登記では第一売買の決済が終わらないと第二売買は出来ないのでは?(よくある質問5)

その様な制限はない。

これは他人物売買の原則禁止という宅建業法上の制限から来ている誤解かもしれないが、前述の様にこの点の問題は解決している。

実務上第一の売買の決済が終わってから第二の売買をするというケース(異時決済)は極めて少ない。

但しこの異時決済のケースでも他人物売買となることに変わりはない。

つづく

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2017年4月 6日 (木)

他人物売買を含む「新・中間省略登記」は宅地建物取引業法違反ではないのか(よくある質問4)

確かに「新・中間省略登記」における第二の売買(BC間)は必ず他人物売買となるが、宅建業法違反ではない。

同法33条の2は宅建業者が自己の所有に属しない宅地建物について自ら売主となる売買契約を締結することを禁じている。

しかし、この規定には例外規定があり、当該宅地建物を「取得する契約」を締結しているときその他当該宅地建物を取得できることが明らかな場合を除外している(同条1号)。

国土交通省も、この点の解釈を明確にするため、省令で宅建業法施行規則を改正した(平成19年7月10日公布・施行)。

宅建業法第33条の2  宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
(第1号) 宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)を締結しているときその他宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得できることが明らかな場合で国土交通省令・内閣府令で定めるとき。

宅建業法施行規則第15条の6  法第33条の2第1号 の国土交通省令・内閣府令で定めるときは、次に掲げるとおりとする。(1~3号略)
(第4号) 当該宅地又は建物について、当該宅地建物取引業者が買主となる売買契約その他の契約であつて当該宅地又は建物の所有権を当該宅地建物取引業者が指定する者(当該宅地建物取引業者を含む場合に限る。)に移転することを約するものを締結しているとき。


つづく

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2017年4月 5日 (水)

新・中間省略登記は他人物売買を含むので民法上不可能ではないのか(よくある質問3)

結論から言えば、可能である。

この疑問は、他人物売買の売主は「権利を取得して」移転する義務を負うとされている(民法560条)ことから、常に他人物売買の売主となるBは権利を取得しなければならず、従ってBに所有権が移転してしまうから、「新・中間省略登記」は成立し得ないのではないかというものである。

「登記研究」708号の法務省担当者の解説も同様の見解を取っているように見える。

しかし、他人物売買の売主の義務も、第三者の弁済を禁ずるものではない。
即ち、Bの義務の履行は、所有者Aが第三者として行う事ができる。

前期登記研究の解説者も、後にこの点を「修正」している(710号)。

※そもそも権利取得義務を負わないとする見解もあるし、任意規定であるから権利取得義務自体を排除することは契約自由の範疇であると考える事も可能であろう。

つづく

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2017年4月 4日 (火)

よくある質問 2 第2の契約は「無名契約」? ②

《第2の「売買契約」(BC間)は「無名契約」であり、「売買契約」とはならないのではないか》

確かに、BC間の契約がこの様な無名契約であり、売買契約ではないと考えることは可能である。

しかし、BC間の「他人物売買」が容認される以上売買契約であると考えることにも何の問題もない。

むしろ売買とすることにより、宅建業法その他の消費者保護制度の適用を受けることができるという重要な意味がある。

なお、法務省も、所有権の移転先の指定につきその原因となるBC間の契約の内容がどのようなものであるかは登記の申請の場面においては直接には関係がないとしている(前記「登記研究」708号)。

つづく

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2017年4月 2日 (日)

よくある質問 2 第2の契約は「無名契約」? ①

第2の「売買契約」(BC間)は「無名契約」であり、「売買契約」とはならないのではないかという質問である。

無名契約」とは「典型契約」(「売買」「賃貸借」「請負」等、民法や商法上に名前を付けて規定されている契約)以外の契約をいう。「契約自由」が原則であるから、無名契約ももちろん有効である。

この疑問は、第2の契約(BC間)は、Bが「Cを所有権取得者として指定する」、Cは「指定されることに対する対価を支払う」という内容の契約であり、これは売買契約ではなく、いわば「指定契約」とでも言うべき「無名契約」なのではないかというものである。

前記登記研究708号も、無名契約であり売買契約ではないという見解に立っているようにも解される。

つづく
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