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2008年9月17日 (水)

特約その4「履行の引受」-今さら聞けない「新・中間省略登記」⑩

随分間があいてしまいましたが「超・入門」は続けます。前回の記事で書きましたように、直接移転の理解や実践に関しては「二極化」が進んでおり、まだまだ基本的な点を理解されていない方も多いからです。

またこれだけサボれば当然ですがランキングもかなり下がってしまいました。それでも毎日新たに数十人の方にアクセスして頂いていますので、最新情報の提供は今後も行って参ります。

さて、前回は3番目の特約「受益の意思表示の受領委託」についてお話しました。

今回は、4番目の特約です。

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【第一の売買契約の4番目の特約】

「AはBの所有権移転債務の履行を引き受ける」(履行の引受け)

「履行の引受け」とは債務者でない第三者が本人の債務を弁済(=履行)することを、債務者との間で約束することです。

この特約を理解するためには、まず第二の売買契約(BC間の売買契約)に着目する必要があります。

BC間の売買契約では、B(売主)は権利(不動産の売買では不動産の所有権という権利)をCに対して移転する義務を負います。因みに買主CはBに対して代金を支払う義務を負います。民法555条です。

民法第五百五十五条  売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

「直接移転売買」では、このBの負う所有権移転義務をAが第三者として履行することをAB間で約束します。即ち、「履行の引受」です。

尚、この特約を実際に契約書に書く場合はこんな表現になります。

(履行の引受)
第○条 買主以外の者に本物件の所有権を移転させるときは、売主は、買主がその者に対して負う所有権の移転債務を履行するために、その者に本物件の所有権を直接移転するものとします。

但し、Aさんに対して説明する場合は、「所有権は直接あなたからCさん(またはBの指定するだれか)に移転しますよ」という事を理解して貰えれば足り、厳密に「履行の引受」という概念を理解してもらう必要はありません。

「それを法律的に表現するとこういう条文になる」という説明で十分だと思います。

(続く)

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