ある司法書士さんからのメールです
夏休み特集(?)としてブログ開設当初にある司法書士の方(古くからの知人で、地方都市で開業されています)から頂いたメールとそれに対する私の答えを掲載させていただきます(ご本人の了解は頂いております)。
こんなメールを頂きました。
「福田さん こんにちは。東京の司法書士の方々は、これについて堂々と反対意見をされておられる方が多いですね。
それは、以前はできていた・・・とか、判例が認めているとか・・・。
まあ、私は言わんとするところは、わからんではないですが、ウソの登記原因証明情報は出したくないというのが本音です。
債権的な・・・とか、地位の譲渡・・・とか何かでするのか否かわかりませんが、所有権は譲渡されているんじゃないんですか?
判例の見解も基本的には三者合意だと思います(中間者の同意かもしれませんが・・・)ので、実務に合致しているとも思えません。
色々言ってもなんなんですが、どういったスタンスでやるかだと思いますので、福田さんは中間省略容認のスタンスでしょうからまたやり方等情報をいただければ、我県の司法書士にも情報は伝達します。
なお、私も含め、我県の司法書士は中間省略反対論です。これは、地方は大きな物件がないのもその理由でしょうね。(登録免許税が高額ではありません)
その為、代理申請で困っている都会の司法書士さんがおられるようですので、ご注意ください。」
・・・・・・これに対して以下の様なお答えをさせていただきました。
「私もウソの登記原因証明情報を出すつもりはありません。
また、所有権が移転しているものについて後から売買予約だとかをこじつけるつもりもありません。
やるとすれば三者合意です。これは必ずしも実務と乖離しているとも言えないのでは?
又、中間省略登記「容認」というより「反対することに反対」という気持ちが強いかも知れませんが(登録免許税だけの問題ではありません)。
いずれにしても現在「中間省略」として登記を申請中です。
このままでは却下になります。
ブログには今後これだけでなく色々と掲載していきます。」
・・・・すると、次の様なメールを頂きました。
「福田さん おはようございます。
ブログ 読ませていただきましたので、されることの意味はわかりました。
確かに、どこにも中間省略登記が不可とは明示されてませんね。
> 私もウソの登記原因証明情報を出すつもりはありません。
> また、所有権が移転しているものについて後から売買予約だとかをこじつけるつもりも
ありません。
> やるとすれば三者合意です。これは必ずしも実務と乖離しているとも言えないのでは?
地位の譲渡理論か請求権譲渡でやるのかと思ってました。
> 又、中間省略登記「容認」というより「反対することに反対」という気持ちが強いかも知れませんが(登録免許税だけの問題ではありません)。
登録免許税の問題は大きいと思ってます。
中間省略が容認されるとすると、登録免許税の脱税を容認することになります。
我県ではそんなに高額ではないですが、東京では高額ですよね。
だから、高額な免許税の負担を逃れることを容認することができるのだろうか?という疑問については、どう対応されるのでしょうか?脱税ではなく節税であるという論法はどこにあるのでしょうか?
中間省略容認者は必ず判例を引き合いに出して、中間省略を認められていると言いますが、判決の場合、中間者の登録免許税を誰が負担するのでしょうか?
つまり、A⇒B⇒Cで依頼を受けるとすると、Cから依頼を受けます。
そのCが「先生、登記お願いします」と言われ、
「この判決の場合、Bに移転してCに移転しますので、登録免許税が2倍かかります・・・・」と言って、おしまいにできるでしょうか?
多分、裁判官は、よく考えてくれていて、中間者は基本的に争いの当事者ではないので、A⇒Cに移転登記ができるのであれば、こと足りると判断したからあのような判決になったのではないかと想像してます(これは、詳細に読んで言っているのではない。あくまでも実務的な考え方から、私個人の意見である)
登記法の考え方に、中間省略を認めないという「公示的機能」があるのは誰しも認めるところだと思います。
これを、登録免許税の負担の側面で見ると、どうしても脱税を指南していると指摘されても仕方ないと思えるのではないでしょうか?
少なくとも我県では、未だ中間省略容認の話はありません。
会長が強く指導しているということもありますが、地方は都会と比較して登録免許税の負担が少ないということもあろうと思います。
ただ、業者はなんとかならないかと、何度も電話してきますが、私は「できない」と言ってますし、地位の譲渡の考え方は、「実体がそうならば・・・・」と、釘をさして伝えてます。
こういったことは、司法書士のスタンスの問題でもあろうと思いますので、この辺りでやめますが、私はやはり中間省略登記はすべきではないと思ってます。」
これに対してはまだ返信していなかったので、ここでお答えさせて頂きたいと思います。
>中間省略が容認されるとすると、登録免許税の脱税を容認することになります。我県ではそんなに高額ではないですが、東京では高額ですよね。だから、高額な免許税の負担を逃れることを容認することができるのだろうか?という疑問については、どう対応されるのでしょうか?脱税ではなく節税であるという論法はどこにあるのでしょうか?
→そもそも納税義務がないのですから脱税にはならないと思うのですが。登記義務がないのですから、登記するか否かは自由だという考えに立ち、登記しない以上当然登録免許税の納税義務は発生しないと思います。
>中間省略容認者は必ず判例を引き合いに出して、中間省略を認められていると言いますが、判決の場合、中間者の登録免許税を誰が負担するのでしょうか?つまり、A⇒B⇒Cで依頼を受けるとすると、Cから依頼を受けます。そのCに「先生、登記お願いします」と言われ、「この判決の場合、Bに移転してCに移転しますので、登録免許税が2倍かかります・・・・」と言って、おしまいにできるでしょうか?
→先ほども申し上げましたように、登記をしなくて良いという前提に立てば、登録免許税の納税義務も生じないのです。
>多分、裁判官は、よく考えてくれていて、中間者は基本的に争いの当事者ではないので、A⇒Cに移転登記ができるのであれば、こと足りると判断したからあのような判決になったのではないかと想像しています(これは、詳細に読んで言っているのではない。あくまでも実務的な考え方から、私個人の意見である)
→これは中間省略登記請求権を認めた判決だと理解しております。また、訴訟において原告Cが中間省略登記を求めているのであればそれを認容する判決がA→Cという中間省略登記を命ずるものとなるというのは弁論主義の帰結だと思うのですが。
>登記法の考え方に、中間省略を認めないという「公示的機能」があるのは誰しも認めるところだと思います。これを、登録免許税の負担の側面で見ると、どうしても脱税を指南していると指摘されても仕方ないと思えるのではないでしょうか?
→登記しない以上納税義務は発生しませんから、脱税にはなりようがないのではないでしょうか。ところで登記に「公示機能」があるのは当然の事ですが、それが中間省略を認めないのというのが「誰しも認める」かどうかがまさに議論の対象となっているのではないでしょうか。
>少なくとも我県では、未だ中間省略容認の話はありません。
会長が強く指導しているということもありますが、地方は都会と比較して登録免許税の負担が少ないということもあろうと思います。
ただ、業者はなんとかならないかと、何度も電話してきますが、私は「できない」と言ってますし、地位の譲渡の考え方は、「実体がそうならば・・・・」と、釘をさして伝えてます。
こういったことは、司法書士のスタンスの問題でもあろうと思いますので、この辺りでやめますが、私はやはり中間省略登記はすべきではないと思ってます。
→例えばこの「地位の譲渡の考え方」のように物権変動の態様自体を何とかする方法に関して、私の「スタンス」としては「実体がそうならば」やりますよ、というものではありません。司法書士は「登記屋」でなければならない(=登記のスペシャリストでなければならない)と思っていますが、単なる「登記屋」に止まってはならず(=登記しかしない・出来ないという考え方をしない)、常に依頼者(=お客様)のためになる努力を積み重ねなければならないと考えていますから、このような問題に関してもお客様が作り上げた実体関係通りの登記をしますよというのではなく、実体関係の形成を手助けするというスタンスでの仕事をしなければならないと思っています。
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