諸先生方、残暑お見舞い申し上げます。
根井先生、コメント有難うございます。
先生のような経済の最先端でご活躍されている弁護士の方に意見を寄せていただけるのは、心強い限りです。
「第三者のためにする契約」による方式はまさに先生の仰る「契約行為に中間者を関与させつつ、所有権については中間者に一度も移転しないようにして、実体と登記をあわせる工夫」であり、「小手先の技術的な発想ではなく、公示制度や租税制度に反することなく正々堂々と手続をすることを意味するのであり、むしろ正攻法」であると考えております。
そして「取引関係者のニーズにあわせて柔軟な対応が出来るよう」努力するというのは法律家としての司法書士の職責でもあり、結果として(前の記事でご紹介した川上先生も援用されている)日本司法書士会連合会の提唱する「国民の権利の保護に寄与する」ことにもなると信じております。
内藤卓先生、ブログで取り上げて頂き、有難うございます。
只、少々異論があります。「中間者の利益追求的発想であり、本来保護されるべきエンドユーザーの利益を保護する視点はないように見える。」と仰っていますが、流通過程でのコストは、最終売価に転嫁されますから、中間者のコスト削減は結局「エンドユーザー」の利益保護のためでもあるわけです。事実、旧法下での中間省略登記についてエンドユーザーに説明するに際して、売買代金額を抑えるためであるという説明がされています。
「司法書士のひとりごと」のmo-chanさん、ご紹介いただき、有難うございます。
そしてご意見ごもっともです。「第三者のためにする契約」による方式の当局承認についてはもう少々お待ち下さい。
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コメント
福田先生
中間省略登記通信の閲覧者の一人です。最近の内容は以前とは全く変わりましたね。
第三者のためにする契約が、なせ今まで利用されてきなかったのかずっと考えています。第三者のためにする契約は、甲と乙が丙に所有権を移転することを契約します。これが第三者のためにする契約の内容であり、これ以外の乙丙間の関係を語りません。第三者の契約が結ばれるためには、乙丙間で何らかの動機があったはずです。乙丙間が親子であれば、乙丙間に契約書などは存在せず、子供の笑顔だけで済むでしょう。親会社と子会社との関係であれば、覚書ぐらいは交わすかもしれませんが、全幅の信頼関係があり、本来ならば握手でも済ませる世界です。第三者のためにする契約が、これまであまり利用されなかった理由がここにあるのかもしれません。乙と丙が特殊な関係でなく、一般的な関係であるとき、第三者のためにする契約を新しく利用するためには、乙と丙との関係が説明されていなければなりません。この関係が分らないと利用できなくなります。
更に、乙丙間が不動産業者とその顧客であるときは、宅地建物取引業法の規制も受けます。これらをまとめて考えてみました。宅地建物取引業法33条の2は他人物売買を禁止しています。空売りの禁止です。但し除外規定があり、不動産業者が当該不動産を購入する契約を結んでいるときは、適用されません。第三者のためにする契約では、甲と乙間には売買契約が存在します。丙に所有権を移転するという特約付ですが、不動産業者の空売りではなく契約は存在します。
次に、宅地建物取引業法では、乙丙間にも契約を必要とします。乙丙間では売買契約が結ばれるでことになります。それは許された他人物売買です。他人物売買は民法560条により、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負います。この義務の履行のために、甲乙間の売買契約の中の特約である第三者にためにする特約条項が働きます。甲から丙に所有権が移転します。正にこれが給付の簡便化のために存在する第三者のためにする契約です。
乙丙間の関係を他人物売買とした場合でも、第三者のためにする契約が、給付手続の簡略化であるならば、他人物売買の乙の決済の方法として、第三者のためにする契約が選択されたと考えればどうでしょうか。
投稿: 村田耕作 | 2005年8月20日 (土) 18時29分