金融商品取引法は不動産証券化ビジネスにどんな影響を与えるのか?
テーマは金融商品取引法(証券取引法の改正)。
講演に入る前に、会員としてヤキソバオヤジから「情報発信」スピーチをさせて頂きました(他にはプロロジス様と大和ハウス工業様)。
内容は、ウチが今後新しく提供していく予定のサービス、不動産証券化支援ビジネスについて。
「アクイジション・クロージング業務」、つまり、ファンドに組み入れる物件の取得時に必要とされる業務サービスを提供するというものです。
業務内容としては、①デューデリ対応、②目論見書対応(REIT)、③クロージングドキュメンテーション(物件概要書・重要事項説明書・売買契約書・信託契約書・信託変更契約書)などです。
現在はある上場REITにウチのN君を派遣してこれらの業務を担当させて頂き、不足している実務スキルを習得させている段階です(大変高い評価をいただいておりますことは先日ご報告いたしました)。
従来、ウチの業務内容としてはドキュメンテーション以外の領域については専門外という意識がありましたが、今後はREITの他にも、新しく設立されるAM会社の業務をお手伝いするなど、それ以外のノウハウ・スキルも蓄積し、真にお客様の役に立つサービスを展開して行こうと考えております。
将来的にはこういった業務に関する人材の育成、派遣、業務受託などのビジネス展開をして行きたいと考えております。
さて、本題です。
先ず、第一部は「金融商品取引法と今後の不動産ビジネスについて」と題して、弁護士の田村幸太郎先生のご講演でした。
限られた時間の中でしたが、詳細なレジュメに基づき、今回の改正の趣旨、歴史的位置付けという大局的な観点と、不動産証券化ビジネスに携わるものにとって何を先ず理解しておかなければならないかという事をわかりやすくご説明して頂きました。
キーワードは「有価証券の定義」と「金融商品取引業の定義」。有価証券(とみなされるもの)を取扱うものが金融商品取引業者としての規制を受けることになりますから、現行法で証券取引法の適用を受けていないものが、金取法のもとで適用を受けることになるものも出てくるという事です。
有価証券となるものとしては「みなし有価証券(その3)」(法案2条2項各号)が重要。このうち主なものとして、信託受益権(1号)、合同会社の社員権(3号)、匿名組合契約に基づく権利・投資事業有限責任組合契約に基づく権利・有限責任事業組合契約に基づく権利・任意組合契約に基づく権利等所謂「集団投資スキーム持分」(5号)。
金融商品取引業については第一種金融商品取引業(28条1項)、第二種金融商品取引業(同2項)、投資助言・代理業(同3項)、投資運用業(2条8項12号)等があるが、「第二種金融商品取引業」が重要です。
例えば現在信託受益権の販売、仲介、代理を行として行う場合は信託受益権販売業者として信託業法の規制を受けます(同法86条以下)が、金融商品取引法の下では信託受益権も有価証券になるので、第二種金融商品取引業に該当することになります。
といっても、せっかく取った受益権販売業登録が無駄になるわけではなく、金融商品取引法施行後は金融商品取引業の登録(29条)をうけたものとみなされます(法案附則200条)。
この他、自己募集も金融商品取引業にあたるなど、重要な規定が他にも沢山ありますが、また別の機会に(もっと勉強して)書きたいと思います。
次に第二部。「不動産証券化と金融商品取引法 内部統制報告」と題して、さくら綜合事務所の杉本茂先生のご講演を頂きました。
お恥ずかしいのですが、金取法による内部統制報告に関して全く不勉強なため(会社法の内部統制についても自信はありませんが)、これに関してはもう少し良く復習(?)してから書かせていただきたいと思いますが、この規制がアメリカの通称「SOX法」に倣ったものであるとされているという事と、相当に面倒なものであるらしいということだけ申し上げておきます。
⇒「法的思考シリーズ」の第1回目の記事
⇒「会社法よくある質問」シリーズの第1回目の記事、前回の記事
⇒「プチ信託登記入門」シリーズの第1回目の記事
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※ウチの事務所=フクダリーガルコントラクツ&サービシス
さて、今日はサタスインテグレイト主催の不動産フォーラム。
今日はサタスインテグレイト主催の不動産フォーラム。
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