権力格差とタテ社会
(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
これまで何度か「対等」という価値やその尺度としての「権力格差」について書きました。権力格差が大きい組織、つまり例えば上司と部下、先輩と後輩、年長者と年少者、男性と女性、等々に関してそれぞれの間の距離感が大きい組織はイノベーションを生み出しにくいという評価です。
しかし、日本の権力格差の度合に関しては既に数十年前に優れた研究が行われていました。「タテ社会」という分析です。
これは社会人類学者の中根千枝(東京大学名誉教授)が、著書「タテ社会の人間関係」(講談社現代新書1967年)で発表したものです。
同書によれば、社会集団の構成要因には氏素姓あるいは学歴や地位、職業などの「資格」(属性)と、会社や一定の地域などの「場」(枠)があります。どちらが集団を構成する第一条件になるのかで、社会集団のありようや人間関係は大きく異なります。
日本では場が優先されます。例えばどこの会社に属しているか、どこの「家」の者か、などです。そして場のなかでは「タテ」の関係、即ち同列に置かれない二者を結ぶ関係が重視されます。
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