司法書士が見た地面師ドラマ その2
(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
「不動産事故防止の教科書(仮案)」では詐欺に限らず不動産事故に巻き込まれる要因を「客観的事故要因」と「主観的事故要因」の二つに分けています。本作品ではその双方が生々しく描かれます。
客観的事故要因は5つありますが、地面師の場合のそれは言うまでもなく権利主体性(本人性)です。それを偽る手口(替え玉や偽造)がありありと描写されます。
主観的事故要因は全ての不動産事故に共通するものです。教科書ではこれが事故を引き起こす最大の要因であるとしていますが、これはさらに「認識」と「意識」に分けられます。特に意識の部分、認知バイアス、正常性バイアスが重要な要因となりますが、本作品ではこの部分も人間ドラマとして克明に描かれています。
時に生じる依頼者との認識の隔たりを考える時、各々の立場に立って主観的事故要因を考察する必要性も教えてくれます。
このドラマは、教科書で学んだ大事故を疑似体験できる生きた教材として観ることも、なぜ事故が防止できなかったのか、反面教師として観ることもできると思います。
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