前例をつくる仕事
(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
法務局への照会について今日は少し視点を変えて考えてみます。
それは、法務局への照会とは、ある登記やその申請手続きで法的・理論的には可能と解されるが前例がないものについて、それを「可」として頂く、言ってみれば「前例を作って頂く」ことである、ということです。
法務局に限らず行政機関が「前例を作る」ことは容易なことではありません。国民に奉仕する職責を担った行政機関が公平かつ安定的な判断を迅速に行うためには、その判断が法令・通達等のルールに基づく必要があり、ルールに合致しているかどうかは、まず運用前例に照らし合わせて判断されるからです。
しかし、前例がないことが必ずしもルールに反しているとは限りません。ですから「照会」とは、あることが「前例はないがルールに反しない」ことを明らかにすることなのです。
従って、照会する側の準備(理論武装)にも、行政機関側の判断にもある程度の時間がかかることを考慮にいれておく必要があります。
弊社の前例創出の典型例である「会社分割・合併スキーム」(※)も双方に数ヶ月を要しました。
※ 拙著「新・中間省略登記が図解で分かる本」Q24)。
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