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2023年11月 6日 (月)

照会は法技術

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

前回、法務局への照会とは前例を作ってもらうことだと言いましたが、これは実は、私達法を扱う者は誰でも本来身につけている基本的な技術です。

それが法解釈という技術です。法解釈とは一定の事実に法を当てはめるとどのような結論が出るのかを考える作業です。司法書士も日頃、例えば、「この不動産を貴方に売ります」と誰かに言われた方がそれに「買います」と答えた、という事実が、法的にはどんな結果をもたらすかを考えた上で、それに基づく手続きを行っています。大前提として法解釈が行われているのです。

法務局に対して行う照会は、これまで扱ったことのない事実が現れた時に、それが法的にどんな結果をもたらすのかを考えた上で、その結果が法務局が考えた結果と一致することを登記申請前に確認する作業です。

事前にそれを行わずに登記申請をし、その後に法務局の考えと違うとされた場合には、登記手続きを止めた上でその不一致を解消する作業を行う必要が生じ、取引を不安定なものにしてしまうため、そうならないために事前に確認しておく必要があるわけです。

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