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2023年10月31日 (火)

幸せの実現

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

「ホスピタリティ」を重視する理由として「私達の業務が対人的なサービスを提供するものであるから」と言いましたが、もっと単純な理由があります。それは「幸せ」です。

以前、「幸せ(の実現)」を基本理念に加える(「purposeパーパス、存在意義」とする)という話をしました。幸せの「実現」とは、自分が幸せになること、そして人(自分以外)を幸せにすることです。一人一人にそれができるようにすることがFLC&Sの存在意義であるということです。

ある価値を尊重する理由も、マインドセットを備えることを望む理由も、未来を創るという理念も、全て「幸せ」で説明できます。

ホスピタリティを実現する行動として「(笑顔で、元気よく)挨拶」することをルールにしていますが、これも「幸せ」で説明可能です。「挨拶すれば自分が幸せ(な気持ち)になり、相手を幸せ(な気持ち)にできる」ということです。

もちろん感じ方も「多様」ですから、挨拶されても自分は幸せなんて感じないという方もいるかも知れませんが、そういう方にも「ルールなので」で済みます。

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2023年10月30日 (月)

価値観の共有と多様性の尊重の矛盾

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

価値観の共有(同じ価値観を持つ)と、多様性の尊重は矛盾します。

同じ価値観を持たなければ、組織は同じ方向に進むことはできません。一方、多様性を尊重し、異なる価値観を認めなければ、創造性を発揮し、イノベーションを起こすことはできません。

私達は双方を最大限尊重するために、矛盾する2つの価値観がぶつかりあった時に、そこで発生する問題の一つ一つについて、それを解決していきます。

例えば「ホスピタリティ」という価値も、「多様性」を尊重する立場からはそれを強制することはできません。しかし、私達の業務が対人的なサービスを提供するものである以上、「ホスピタリティ」を尊重しないわけには行きません。

そこで、内心に関わらず、ホスピタリティを実現できるしくみ、すなわち「ルール」を置いています。

例えば「笑顔で、元気よく挨拶をする」。これは「ホスピタリティ」を実現する行動です。
FLC&Sのメンバーである以上、ホスピタリティを実現する行動を求めますが、価値観まで変えることを求めるものではありません。

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2023年10月27日 (金)

マインドセット再考 つづき

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

これまでマインドセットは「思考習慣」と同義と考えてきましたが、これを改めます。

〈マインドセットとは「行動する意思」である〉とします。
〈その意思に基づいた行動を反復継続することで、行動習慣が形成される〉

思考習慣は性格に近く、後天的に変えるのは難しいですが行動習慣を変えることは難しくはありません(その方法は23日、24日の本欄)。

これを「法的思考」というマインドセットにあてはめて説明します。

「法的思考」とは「『決まり事や命令の正当性や合理性、効率性を疑い、根拠を考えること』であり、/問題解決のための技法・マインドセット。/より上のレベルの仕事、社会的に意義のある仕事をしていくために必要な技法・マインドセット」です(2023年8月「価値研修」)。

つまり、決まり事や命令に直面した時に、必ず
1 その正当性・合理性・効率性を疑う。
2 根拠を考える
という「行動」をする意思、これがマインドセットです。

そして、思考習慣を身につけている者は、あえて意識せずにこの、法的思考に基づく行動ができるのです。

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2023年10月26日 (木)

マインドセット再考

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

先日、昼食時にある社員の方に、私が資格を取って司法書士事務所に勤め始めた頃(1989年当時)の話をしました。

当時のことで良く覚えていることの一つは、事務所と依頼元(大手不動産会社)の間で確立していた業務の進め方が効率的でないと感じ、事務所側と依頼元の双方にやり方を変えてもらったことです。資格も社歴も1年生の司法書士としてはかなり生意気な話です。

こういうことを思い出すと、少なくとも私の場合は司法書士になりたてのころから(おそらくそれ以前から)「法的思考」というマインドセットが身についていたんだなと思います。

つまり、私はある価値観に基づき、意識してマインドセットを身につけた訳ではありません。気がついたらそうだった、そういう性格だった、としか言いようがないかも知れません。

そう考えると、意識してマインドセットを身に付けることが実際どれだけあるのか疑問に思えてきます。

しかし一方で、私のような性格でなくても、旧来のやり方を変えるような提案はできるはずだとも思います。

そこで、こう考えることにしました。

(つづく)

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2023年10月25日 (水)

価値観の共有

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

価値観とは、何に価値を見出すかということですが、自分がその価値観にそった行動をすることができるかどうかはまた別の話です。

私はメンバー各人の価値観がFLC&Sの価値観(企業理念)と一致して欲しいと思っています。さらに、メンバーにはその価値観にそった行動をして欲しいとも思っています。そして常にそういう行動ができるためには一定のマインドセットを備える必要があります。

例えば、私(FLC&S)が価値を置いている概念に「革新・創造」があります。FLC&Sのメンバーにもこの概念に価値を感じ、価値観に沿った行動をとるようになって欲しいと思っています。そのために「法的思考」というマインドセットを身につけて欲しいとも思っています。

これが身につけば、(先日お話した)依頼者や法務局とのやり取りの際にも単に情報を右から左に伝達するだけでなく、問題の解決、イノベーション、そしてしくみの変革、といった「革新・創造」を体現することができるようになります。

そのためには日頃業務に向き合う姿勢を一度見直してみると良いと思います。

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2023年10月24日 (火)

習慣を変える価値観

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日は、習慣を変える「コツ」として、「成功体験を積む」、という方法をお伝えしましたが、もう一つ「失敗体験」を積む、というものもあります。

実践すべき思考や行動を実践できなかったとき、あるいは控えるべき思考や行動を控えられなかったときに、得られなかった(失った)ものやその後悔を心に刻み、それをまた経験したくないと強く思うことです。

ただ、いずれにしても、習慣を変えるためには自分がそれを「変えたい」という気持ちを持っていることが必要です。私が「こういうマインドセットを身につけて欲しい」と言っても、みなさん自身がそうしたいと思わなければ、身につくことはありません。

これは価値観の問題なのです。

例えば先日お話しした、「人を正しく見る」という習慣を身につけたい(人にレッテルを張るという習慣を変えたい)という思いは、多くの方との良好な人間関係が大切であるという価値観をもっていなければ生まれてきません。

私があるマインドセットを身につけて欲しいというのは、同じ価値観を持って欲しいというのと同じことなのです。

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2023年10月23日 (月)

習慣を変えるコツ

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

先週(19日、20日)、問題の解決には知識・技術の習得とマインドセット(ここでは「法的思考」)が重要であるといいました。

FLC&Sのメンバーには「法的思考」だけでなく、できるだけ多くのマインドセット、即ち(ポジティブな)思考習慣を身に付けて欲しいと思っています。

もちろん人はみな何らかの習慣を持っています。それらの多くは意識することなく形成されてきたものです。

マインドセットを身につけるということは、これまでの習慣を変えるということです。そして、身についた習慣を変えることがいかに難しいかはみなさんもご存知の通りです。

しかし、変えようと強く意識すれば、不可能なことではありません。
そしてそれにはコツがあります。

それは、成功体験を積み重ねることです。

つまり、実践すべき思考や行動を実践したとき、あるいは控えるべき思考や行動を控えたときに得られたものやその喜びを心に刻み、それを再現することを意識することです。

それを繰り返して行けば、習慣は変わっていきます。
やがて新しいマインドセットが身につくのです。

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2023年10月20日 (金)

使命を果たすには

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

私達が「可」と判断した登記や手続きについて、法務局から「不可」という回答が返ってきた場合にどう対応するかは、私達に与えられた使命、ひいては存在意義に関わる問題です。

私達司法書士の使命は、情報の収集、加工、伝達及び全体調整だけではありません。情報に問題がある場合はそれを解決することが求められます。

依頼者(側)から収集した「情報」(契約及び物権変動等)の加工と法務局への伝達(申請)の場合も、逆に法務局から収集した「情報」(登記や手続きについての判断等)の依頼者への伝達の場合も、単に右から左に情報を伝達するだけでなく、そこに問題がある場合はそれを指摘し解決することが司法書士の使命なのです。

それが具体的に求められるか否かは問題の内容や程度、依頼者の意向によりますが、使命として本来備わっていると考えるべきです。

但し、いずれの場合も問題点を把握し、解決するだけの見識と技量が必要です。日頃から取引(実体関係)や実体法・手続法についての知識・技術を習得する努力が欠かせないことは言うまでもありません。

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2023年10月19日 (木)

しくみを変えるとは

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

FLC&Sの「マインドセット」の一つに「法的思考」があります。これは一般的な意味とは違い、ルールや指示の正当性を疑うという思考習慣です。

その例の一つとして、法務局から補正を命じられたときのことを上げています。指示内容に納得がいかないときは納得が行くまで質問し、それでも納得できないときは論理的に主張して指示を変更して頂くのが原則である、というものです。

この姿勢は補正だけでなく、「照会」のときでも同じです。依頼者から「こういうことはできないか」と前例のない登記や手続きを依頼されたときは、「可」と判断しても手続き円滑化のため事前に法務局に照会するのが通常です。

そして「不可」という回答が返ってきた場合に、それをそのまま依頼者に伝えるだけでは私達が介在する意味はありません。ただのメッセンジャーです。

その場合もなぜ「不可」なのかを納得が行くまで質問し、納得できない場合はその回答を変更して頂くという姿勢で臨まなければなりません(私達には実績があります)。

未来を創る、しくみを変えるとはそういうことです。

 

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2023年10月18日 (水)

人を正しく「見る」方法

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

人を正しく「見る」ことが、人を評価する上では大変重要です。ここで「評価」とは、評価者の仕事のことだけではなく、広く、良好な人間関係や信頼関係を築く前提を意味しています。

人を正しく見ず、特定の行動だけを見て人物像にバイアスをかけることは信頼関係を築く上で大きな障害になります。

このようなバイアスがかかることを避けるためには、その人を多面的に知る必要があります。それにはその人の色々な言動を見聞きし、受け止めることが必要です。

そのために手っ取り早いのが雑談です。

雑談をせずに(必要最小限の会話しか交わさずに)信頼関係を築くことも不可能ではありませんが、長い時間を必要とします。

もちろん初対面の方と雑談をするのは簡単なことではありませんが、既に仕事で関わりがある方とでしたらさほど難しくはないと思います。

雑談のコツ(相手の方に興味をもつことなど)については過去の本欄で書いていますのでご参照下さい(※)。

こうして築いた信頼関係がなければ、仕事に必要なことで意見を戦わせ、成果を上げることは困難です。

※ 2022年8月6日、7日の本欄をご参照ください。
http://hap.air-nifty.com/phytoncid/2022/08/post-f95997.html
http://hap.air-nifty.com/phytoncid/2022/08/post-a1be0e.html

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2023年10月17日 (火)

「人を見る目」を気にする前に

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

よく、「誰々さんは人を見る目がある(ない)」などと言われているのを聞くことがありますが、「人を見る目がある」とはどういうことでしょうか。

一般的には、表面的にはわからない人の性格や信頼度を見抜く能力があるという意味で使われていると思います。

私自身には人を見抜くなどといった超能力はありませんが、人を評価する場合に気をつけなければならないと思っていることはあります。

それは、行動と人格を混同しないことです。つまり、誰かがとったある行動について不適切だと思ったり、不快に感じたときに、その方の全人格に「不適」というレッテルを貼らないようにすることです。

これは人を「見る」ための大前提だと思います。対象者をきちんと見る(特定の言動によって人物像にバイアスをかけないように気をつける)ということです。

「自分には果たして人を見る目があるのだろうか?」と気にする前に、その人のことをきちんと「見る」ことができているかどうか(見ようとしているのか)を気にすべきなのです。

簡単なようで難しいことです。

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2023年10月13日 (金)

ネガティブ感情払拭法

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

「自分の仕事の全体像が見えている」とは、そもそも自分はこの仕事を通じて世の中にどんなインパクトを与えようとしているのかを認識している、ということです。

本来は仕事を始める前に、それを十分考えておくのが理想です。それがあって初めて仕事の選択ができるはずです。仮にそれができていないうちに仕事を始めた場合、後付けでもそれを考えるように努力すべきです。

「全体像を見る」とは、自分自身を客観視することでもあります。そしてそれは、ネガティブな感情が浮かんだ時に、それを払拭する手段としても有効なのです。

怒りや不満、不公平感、嫉妬や劣等感などのネガティブ感情が湧きあがったとき、あなたは必ずそれを自分以外の誰かのせいにしています。

そんな時に一歩引いて、高みから自分の存在意義を見直す(思い出す)ことができれば、それらの感情の大半は自分自身の心が生み出したものであることに気づけるはずです。

それができたとき、ネガティブな感情は消え、認知バイアスは外れ、晴れやかな気持ちになっているはずです。

難しい事ではありません。

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2023年10月12日 (木)

全体像を見る

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

自分の仕事が「つまらないこと」に思えるときは、大抵目の前の一つ一つの仕事(体や頭をつかうこと/手段)に対するネガティブな気持に意識が支配され、仕事の全体像(お客様や社会からの評価の対象となるもの/成果)が見えなくなってしまっています(認知バイアス)。

このバイアスは同僚・上司やお客様と話すことによって解決する(外す)ことができます。

しかし、目の前の一つ一つの仕事に対してネガティブな気持を持つことはやむを得ないと思える場合があります。次の二つの場合です。

1 自分がその仕事に「向いていない」(適性がない)(と思っている)場合
2 他にもっとやるべきことがある(と思っている)場合

そんなときは無理に自分でその仕事をやろうとする必要はありません。誰かに代わりにやってもらえばよいだけのことです。その「誰か」は人の場合もありますし(役割分担)、コンピューターの場合もあります(DX)。

いずれにしても、自分の仕事の全体像(目標や未来像)が見えていなければ、ネガティブな気持ちやバイアスを上手く処理できないのです。

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2023年10月11日 (水)

お客様に尋ねてみる

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日、自分の仕事がつまらないものに思えるという「バイアス」を外す簡単な方法は、上司や同僚など仕事を客観的に見て下さっている方と話すことだと言いましたが、他にも良い方法があります。

それはお客様(直接の依頼者に限らず私達のサービスを受けられている方)とお話してみることです。

私達の提供しているサービスを正しく(正確にかつ正当に)評価して下さっている方のお話を伺えば、私達の仕事がどれだけ社会的意義のあるものか、つまり、ちっぽけでも、同じことの単純な繰り返しでも、独自性のないものでもないことがすぐにわかります。

ただ、問題が2つあります。

1 全てのお客様が私達の仕事を正しく評価して下さっているとは限らない
2 お客様とそういうお話をする機会がない

1については、その原因を考えてみましょう。特にそうなっている原因が私達の側にあるのではないかと考えることは重要です。
2については努力して機会を作ってみましょう。お客様と直接接する機会があるのであれば、必要最小限のこと以外のことも話すことから始めてみましょう。

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2023年10月10日 (火)

仕事がつまらないものに思えるとき

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

みなさんは、自分の仕事がつまらないものに思えることはありませんか?例えば、「同じことの繰り返しだ、他の仕事もやりたい」とか、「もっと大きな仕事をしたい」とか「もっとクリエイティブな仕事をしたい」というような気持ちになることです。

誰でもややもすればそんな気持ちになることがあるのではないでしょうか。

どんな仕事でも継続していると、同じことの繰り返しのように思えたり、広い世界の中のごく小さな一部分に過ぎないと思えたり、新規性や独創性がないと思えてしまうことはあります。

しかし、殆どの仕事は、既存の知識や技術に基づいて、小さなことをコツコツと繰り返し、積み上げて行く作業が仕事の重要な部分を占めています。

それを否定的に感じてしまうのは、大半は言って見れば視野狭窄、即ち一種の認知バイアスに捉えられてしまっているからだと思います。

このバイアスを外す簡単な方法は、仕事を客観的に見てくれている方(上司や同僚)と話すことですが、自分の成し遂げてきたことや成長をふり返ることでもそれは可能です。

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2023年10月 6日 (金)

多様性とルール

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

9月20日の本欄で、ルールがチームビルディングの助けになる、それは多様なメンバーも同じ一つのルールに従うからだと言いました。

弊社は多様性を「社会的価値」として尊重しています。中でも特にものの考え方や価値観の多様性が重要だと思っています。

一方で、ルールを含む「しくみ」を「組織的価値」として重視しています。弊社が一つの「チーム」として共通の目的・目標を達成するための存在であることからすれば当然のことです。

つまり、多様な考え、価値観をもったメンバー達が同じ方向を向いて、同じ目標を達成するためには、全員がよって立つ一つの基準が必要だということです。多様性を尊重するからこそルールが必要になるのです。

新しいルールの制定や合理性を失ったルールの修正を、多様な価値観の者全員一致で行うことは困難ですが、全員が意見を出し合い、異なる意見を相互に受け止めた上で最適解を見つけて行くことは可能です。

但し、既存のルールに関しては、入社の時点で全員が一度は承認していると考えて良いですから、制定や修正の機会は限られます。

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2023年10月 5日 (木)

依頼を断る前に

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日、事故の懸念要素を取り除くことを依頼者に求め、それができない場合には依頼をお断りしてもやむを得ない場合もあると言いましたが、実際はお断りする前にすることがあります。

それは、取引続行について当事者(特に買主、融資機関)に再考を促すことです。

私達が依頼者に対して提供しているものは不動産取引を「安全・確実・便利」に行う「システム」です(本年1月1日、4月29日の本欄などをご参照ください)。依頼された登記を忠実に登記簿に反映させるのはその一部に過ぎません。

従って取引が安全に行えない危険性がある場合にはその懸念要素を取り除くこともシステムの機能に当然含まれます。

そして、懸念要素が払拭できない場合には、想定できる危険を明示した上で中止を推奨し、取引を続行するか否かの判断を求めることになります。

それに対し依頼者が事故発生の危険性を認識したうえで取引継続を決めた場合、私達にはそれを阻止する権限はありませんが、事故の防止が私達の法的な責任範囲に含まれ、それを果たせない時は、依頼をお断りせざるを得ません。

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2023年10月 4日 (水)

事故防止の観点

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日の、「無理っぽい依頼」の検討手順では、「無理」の内容を主に営業的観点から検討しているように思えますが、忘れてはならないのが、安全面からの検討です。事故、即ちトラブルや損害の発生につながる「無理」ではないかの検討が不可欠です。

「無理」は依頼内容の安全性に関する懸念要素となります。特に時間的要素は様々な種類の「事故」に共通した要素です(「あしもとのこと」をご参照ください)。

営業的観点からの検討の結果、(多少無理をしても)引き受けられるという結論に至った場合でも、事故惹起の懸念要素が払拭できない場合は簡単にお引き受けするわけには行きません。

そして、検討の際に気をつけて欲しいのが、営業的観点からの検討は、主に依頼者である買主(第一、第二)や融資機関の利益を慮っての検討になりがちだという点です。

事故防止のためには買主や融資機関の意にそわない判断もしなければなりません。懸念要素を取り除くことを(売主側に)求め、それができない場合には依頼をお断りしてもやむを得ない場合もあることを忘れないでください。

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2023年10月 3日 (火)

無理かもという依頼の検討手順

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

実際に「無理なご依頼」を頂いた場合の検討の手順を見てみましょう。

Aさんは、担当しているX不動産(株)様から、中1日での決済のご依頼を頂きました。
Aさんの判断、行動は以下のようになると思われます。

1 「この期限は必須ですか」 (念のため質問)
  必須でなければ通常の手順に。
  必須であれば以下に続きます。

2 「これはちょっと無理っぽい。でも、むげにお断りするのもどうか。」

3 「この日程が必須なのはどうしてですか?」
  回答は色々考えられますがこの場合問題の解決にならないと思います。

4 「最低○○日は欲しい」
  受け入れてもらえれば通常の手順に。
  断られた場合は以下に続きます。

5 「やはり引き受けるべきではない」

6 「例外的にお引き受けできる事情がないか」
  事情とは、例えば売主、買主の属性や、弊社側の状況(繁閑他)などです。

7 「依頼をお引き受けすることを検討する余地は有るかも。でも自分で判断するべきではない(必要はない)のでチーム(グループ)リーダーのBさんに相談しよう。」

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2023年10月 2日 (月)

高度な判断

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

前回、無理をして(他の何かを犠牲にしてまで)依頼を受ける必要があるかどうかの判断は高度な判断であると言いました。

弊社では日々多くの依頼者からの多様なご依頼を受け、要望を聞き、お答えする、ということを繰り返し、継続することで依頼者の信頼を獲得し、引き続きご依頼を頂いて来ました。

また、そのような依頼の数を、そして依頼者の数をさらに増やすべく日々努力を続けています。

ですから、依頼を引き受けることで自分達が何かを犠牲にしなければならなくなる場合でも、果たして依頼を断って良いものかどうか(依頼者を減らすことにならないか)悩むことになります。

幸い弊社の場合規模が比較的大きく、また常に生産性を向上させる努力をしていますので、自分達を犠牲にせずにご依頼にお答えできることが増えていると言って良いと思います。

しかしもちろん限界はあり、全ての依頼を無制限にお受けできる訳では有りません。

その時、期待を裏切らないため、たとえ犠牲があっても依頼を引き受けるべきだという判断、即ち高度な判断が必要となることがあるのです。

のです。

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