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2023年6月30日 (金)

登記星人と地球人

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

クサい程の「登記星人」になれたとしても、そのままでは「『無事な売買』に関しては殆ど無力」(6月27日)「司法書士として真の職責を果たすことはできない」(28日)ですから、是非「地球人」に戻って欲しいと思います。

「地球人」は、どんな物件ですか?と聞かれたとき、地番や家屋番号でなく、○駅の駅前商店街を抜けて10分程歩いた住宅街の中のアパートです、とか、○○高速○○インターで降りて国道○号を北へ○分程走ったところにあるゴルフ場の跡地○○万㎡です。と答えます。

当事者についても、今の所有者は○○病院で、それを株式会社○○が買って、さらに○○社に転売します。と答えます。

つまり、誰でも登記星人になる前は、家や土地についてこういう理解をしていたはずなのです。誰でも、どんな不動産なのか、どんな人がどう関わるのか、つまり実体関係に関心があるのです。

仮に、それがないとすると、「売買」という実体関係に関わり、それを無事に終わらせるという最重要任務にコミットし、司法書士の真の職責を果たすことは絶対にできないのです。

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2023年6月29日 (木)

社員が負う責任とは?

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

最近、ある社員の方から「大きな仕事を任されてやり甲斐はあるのですが、ミスをしたら大きな責任を負わされるんじゃないでしょうか」と聞かれました。

私は「責任には二種類あります。一つは引き受けた任務(①)。もう一つは問題を引き受けること(②)。あなたは②の意味で言っているのだと思いますが、責任②を負うのは代表者だけです」と答えました。

ミスに対処する責任(①)を負うのは関与した社員(と上司)です。ミスに対処する責任とは、それによって直接発生した不都合そのものへの対処、例えば、ミスの原因究明や再発防止策の策定、社内、社外への説明や相手方担当者への謝罪などです。

そしてその役割が果たされるかどうかについての責任(②)は代表者が負います。

代表者がミスに関して負う責任(②)は、さらに大きく重い場合もあります。ミスが原因で発生する全ての問題に対する責任が含まれるからです。依頼者に経済的損害を与えたときの賠償責任や、組織を代表して釈明したり謝罪する責任、そしてミスが原因で経営に打撃を受けた時の責任です。

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2023年6月28日 (水)

登記星人は通過点

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

一口に登記手続の代理(司法書士法3Ⅰ①)と言っても様々な仕事があります。司法書士法人の中にも、一人で様々な仕事を行うしくみのところと、それぞれの仕事を分担して行う仕組みのところがあります。FLC&Sの場合はそれらが混在しています。

また、仕事の習熟度や知識の集積度によって、行う仕事も変わって来ます。未経験の方が経験を積んでいく過程の中で、一度は「登記星人」(または「登記の星の住人」)になることもあるでしょう。

私の大学時代のゼミの担当教授は奥島孝康元早大総長でしたが、奥島先生(文字通りの「先生」です)がこんなことを仰っていました。「まずは、法律家クサ過ぎるくらい法律家になれ。判断の妥当性を考える(利益衡量)など、その後だ」。

この伝で行けば、一度は登記の星の住人になることも必要なのかも知れません。ただし、クサ過ぎる程の登記星人(登記の知識・理論や技術を必要十分に習得している人)でなければなりません。

しかし、登記の星の住人だけにとどまっていては司法書士として真の職責を果たすことはできないのです。

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2023年6月27日 (火)

登記星人

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

不動産売買の登記を代理する司法書士にとって、登記は最重要事項でしょうか?

答えはノーです。

最重要事項は、売買が無事に行われることです。「無事に行われる」、とは、契約通りの代金支払いと権利移転が有効に行われることです。

売買が無事に行われていなければ、どんなに正確・迅速に登記を行ってもその仕事は無に帰してしまうのです。

ですから司法書士は売買が無事に行われるように必ず確認を行っているわけです。しかし、慣れてくるとその確認が形式的になってしまい、実体関係(どんな不動産なのか、どんな取引なのか)についての興味がなくなってしまう人がいます。登記のことにしか興味がなくなってしまうのです。

そういう人を私は「登記星人」と呼んでいます。

もしあなたが「どんな不動産ですか、当事者は誰ですか」と聞かれたときに、「不動産は○○町○丁目○番○号の土地で、登記権利者は××、義務者は××、中間者は××です」と答えたとしたら、あなたは立派な登記星人です。

登記星人にとって登記は最重要事項ですが、「無事な売買」に関しては殆ど無力です。

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2023年6月26日 (月)

大人の行動基準

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

子供がするべきことをしなかったとき、親は「あなたは◯◯をしなくても良いと思っているの?」と聞きます。こう聞かれた子供は、そう思っていない(した方が良いと思っている)場合でも、そう答えると自分がそれをしなかったことを正当化できないので、「良いと思っている!」と答えることがあります。

そうなるとその答えを正当化しなければならなくなりますが、子供のことですから、正当化しきれずに結局は叱られることになります。

大人でも似たようなことがあります。例えば上司が部下にある行動を取らせたいときに、それを直接命ずることをせずに、本人にその必要性に気づかせて、自ずとその行動を取るようしむける場合などです。

上司は「◯◯はしなくても良いと思いますか?」と質問します。それに対して、叱責を恐れたり、忙しくて面倒だと考えて、「はい。しなくても良いです」と答える人がいます。

しかし、これでは子供と同じです。上司の質問の意図(ある行動を促す)を正確に汲み取り、何が「正しい」のかを考えて、意図を実現するように努めるのが大人なのです。

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2023年6月25日 (日)

論理性と意思疎通

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

質問と回答の非対応(非論理の典型)の理由の一つは自分(の話)に興味を持って貰いたいところにあると、先日お話しました。

他にも、対応した回答が回答者にとって不利益になる(と回答者が考えている)ことにも理由はあります。

例えば、親が子どもを叱るために「◯◯するなんて良いことだと思っているの?」と質問した時、子どもがそれに答えずに、「だって・・・」と言い訳をし始めるような場合です。

子供としてみれば、自分が悪いと認めることで親に叱られると思い、言い訳をするのですが、実はそれは逆効果で、火に油を注ぐ結果になります。子供にはそれがわからないのですが、大人でも同じようなことをします。

大人のみなさんには、質問者の意図を読み取って、その質問に対応した回答(論理的な回答)をして欲しいと思います。

先の子供の例ですと、まずは素直に「悪いことだと思っていますごめんなさい」と一旦受け止め(質問者の意図に沿った回答)、その上で言い訳(自分の主張)をすることです。

論理性は、的確な意思疎通のためにも非常に重要なことなのです。

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2023年6月24日 (土)

フィードバック

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

先日のウォールストリートジャーナルに、「あなたは職場の『嫌なやつ』? 確かめる方法」という記事がありました。職場で嫌な奴だと思われていると心配になるのはともかく、誰かに嫌われているとか、あることをしたら嫌われるんじゃないか、と心配になることは良くあることなんじゃないでしょうか。

なぜそうなるか、というと、人は人に否定的なフィードバックをすることを嫌がるからです。つまり、人は誰かに嫌なことをされてもそれをなかなか注意しない(できない)ことが多いのです。

マネジメントの世界では、上司が部下に対して適切なフィードバックを行うことは非常に大切なことですが、この「適切な」というのが大変難しいのです。なぜなら、前提として、上司は部下を育てていこうという意識を持っている必要がある一方で、部下に好かれようとか、嫌われたくないという気持ちを持っていてはいけない(部下を育てられない)からです。

即ち、ここでいうフィードバックとは、「耳の痛いことを部下にしっかりと伝え、彼らの成長を立て直すこと」(※)なのです。


※中原淳「フィードバック入門」PHPビジネス新書

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2023年6月23日 (金)

価値と遺伝子

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

先月の「価値研修」では冒頭に参加者の方に「あなたは今幸せですか?」と質問しましたが、経営者が社員に「幸せか」と聞くなどというのは、まるで無理やり「幸せだ」と答えさせて満足しようとしている様で恥ずかしい限りです。愚問でした。

でも、色々と勉強になりました。もちろんこの質問は、「幸せです」という答えを期待してのことではありません。一番言いたかったのは、会社は社員が幸せになろうと努力するのを助ける社会的な役割(義務)があるということです。ですから、幸せになろうと努力していますか?と聞くべきでした。

この「価値研修」も「助ける」ことの一環です。もともと「価値研修」は新人の方達に、FLC&Sは他の司法書士とは何が違うのかを理解して頂くために始めたものでした(当初は「遺伝子」研修と銘打っていました)。

それが少し意味を広げて、FLC&Sが大事にしているもの、つまり「価値」の話に変わってきました。この「価値」という概念は元々基本理念の中に、「社員と会社の約束」として記載されている概念です(この構造は見直し中)。

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2023年6月22日 (木)

敢えて非論理

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日、非論理的な話の例として、質問と回答が対応していない(質問に答えずに理由を話す)例を取り上げましたが、なぜそうなってしまうのか考えてみました(自分の問題としても)。

ところで言葉の対応関係ではニュース記事も気になります。私は毎朝皆さんにその日のニュース記事を(8本だけ)共有していますが、(特に事実報道でない、論評を含んだ記事の場合)見出しに対応した書き出しでなく、本文の趣旨(見出し)に一見結びつかないようなエピソードなどから入るものがあり、時間のない者(朝の忙しい時に読む)からすると早く結論を言ってくれ!と、時々イラッとします(笑)。

つまり、これらの記事が重視しているのは論理性ではないということでしょう。例えば、長文の記事に如何に興味を持って読んでもらえるか。ライターとしては、できる限り多くの読者に読んでもらい、高評価を得る必要があります。

日常会話のなかで結論を先に述べない人にも、ライターと同じように、自分の話に、ひいては自分自身に興味を持ってもらいたい、という意図があるのかも知れません。

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2023年6月21日 (水)

論理的な話をするために

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

直感が論理で裏打ちされることはよくありますが、逆に論理的な話は直感的に理解できる話だと感じるものです。

それは、論理的な話は論理的な構造を備えているからです。論理的な構造とは、言葉の対応関係(原因と結果、主張と根拠、前提と当てはめ、質問と回答等々)が明確であり、それらが適切な順序で並べられている構造です。

別な言葉で言えば、すじみちの通った構造です。ある事実から、当然次の事実が言えるという、すじみちが一本通った構造です。

皆さんも是非自分の話の仕方(習慣)が論理的な構造を備えているか考えて見て下さい。言葉の位置付けと、それらの相互関係を意識することです。

最も単純で卑近な例を一つだけ紹介しておきます。それは、質問と回答の対応関係です。「Aですか」と聞かれたら、答えは「Aです」か「Aではありません」か「わかりません」と答えるのが適切な対応関係です。

しかし、答える前に理由を話し始める人がときどきいます。これは質問と回答が対応しておらず、非論理的です。これは直感的に理解できない話だ、と感じます。

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2023年6月20日 (火)

直感と論理

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

私はある意味直感を大事にして来ました。

まず、今の事務所を立ち上げたときがそうでした。突然直感的に「自分でもできそう」と思ったのです。ある方から「(長女が大学進学で)一番金がかかるときに事務所を立ち上げるなんて馬鹿じゃないの」と言われました。私は「根拠のない自信がある」と言って計画を進めました。

そして事務所設立後も直感的に「大きくすべき」と思いました。その後、「FLC&Sの教科書」で諸ルールを定めた根拠も他社で直感的に感じた「嫌だな」という感覚でした。

また直近ですと、社員全員の名前をフルネームで覚えるというプロジェクト(?)を始めましたが、それも、理屈ではなく、名前は大事だ、と直感的に思ったからです。

直感で判断する一方、その判断の意味は何なのか、論理的に説明できないと気が済まないところもあります。「事務所を大きくする」ことも、「何のために大きくするのか」を徹底的に考え、今の経営理念にたどり着きました。

直感的判断や選択が、後から経営理論などの観点から「論理的に」腹落ちしたということもよくあります。

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2023年6月19日 (月)

心理的安全

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

「目安箱」(意見投稿システム)についてもお話しました。

朝礼で「もっと活用を」と言いましたが、これは件数を増やすことより、目安箱でなければ目的を達成しにくいものをここに投稿して欲しいということです。

目安箱でなく関係部署に直接要望して頂いた方が早い投稿(什器備品に関する要望など)も多いからです。

また、匿名でも可能ですが、そこに問題もあります。例えば意見が抽象的、主観的だったり憶測によるものだったり、具体的なものでも詳細がわかりにくかったり、一方的な主張だったりするものもあります。この様な投稿に対して適切な対応をするためには、発信者との意見のやりとりが不可欠ですが匿名だとできません。

しかし、実名投稿を義務付けるつもりもありません。それは、匿名投稿が多いのは未だ心理的安全(「このチームで、もしリスクをとったとしても、対人関係上亀裂や破壊がおこらないであろう」という(チームに)共有された信念」※)が不十分であることの現れだと思うからです。

ただ、匿名だと適切な対応が難しい場合もあることは理解してください。


※Edmondson (1999) Administrative Science Quarterly. 44(2)、立教大学中原教授のサイトより

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2023年6月18日 (日)

両立かトレードオフか

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

次に、大谷翔平選手についてお話した件です。

彼は投手と打者の双方で超一流の仕事をし、二刀流と言われています。従来日米のプロ野球の世界では、投手と打者はトレードオフの関係、即ち一方を実現するために他方の犠牲が必然である関係とされており、両者の両立に挑戦する人は稀有でした。

これは仕事をしながら司法書士試験の合格を目指している方にも参考になる話だと思います。

仕事をしながら受験勉強を開始した方には、まず、何年で合格を目指すのか、目標期限を設定して欲しいと思います。短期(2~3年)なのか、長期(5~10年)なのか。

次に、短期合格を目指す方が、仕事でも高く評価されたいと考えているのかどうかです。合格と仕事での高評価の双方を獲得することは、プロ野球で投手と打者を両立させるのと同じではないでしょうか?

つまり、基本的に(大谷翔平選手の様な稀有な例外を除いて)トレードオフの関係だと思います。合格を実現するためには仕事での高評価は犠牲にしなければならない。

そしてそのためには、同僚や上司の理解が不可欠です。

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2023年6月17日 (土)

Chat GPTとマインドセット

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

12日の月例朝礼でお話したことについて、少し言葉足らずで分かりにくかったところがあるのではないかと思いましたので、補足します。

まずChat GPT

これに関しては、つまるところはデータの信頼性の問題だと言いましたが、これは、これまでしつこく強調してきた「憶測で仕事をしない」ということに他なりません。

「マインドセット」で言えば「法的思考」でしょうか。これは自分がある「指令」に直面した時にそれにただ従うのではなく、それの意味するところを考え、正しいのか、合理的なのかを疑わなければならないということです。

Chat GPTの回答は指令ではありませんが同じことです。

因みに今回の研修ではあるチームリーダーの方が、「思考停止せずに自分の頭で考えるようにメンバーに指導している」とおっしゃっていましたが、それはまさしくこのマインドセットの現れです。

なお、通常の登記申請業務は個人情報の塊ですから、Chat GPTを使うことはあり得ないと思いますが、念のためその点も十分気をつけておいてください。

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2023年6月16日 (金)

服装は意思表示

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日の「福田の五月雨朝礼」(私が全社員の顔と姓名を一致させるために各チームに乱入する)のときに、雑談の中で服装規定が話題になりました。2年前に服装規定が代わり、服装の自由化が進みました。

各メンバーの服装を見ていてもそれぞれ個性に富んでおり面白いと感じていますが、改めて服装について考えてみました。

まず、どんな服を着るか、どんな立ち居振る舞いをするかは、基本的に各人の自由です。

それが他人に不快感を与えたり、礼を失することがないように、それが制限されることはよくあることです。服装規定やドレスコードはそういうものです。

しかし私がより重要だと思うのは、それが各人の「意思表示」だということです。他人がどう思うか、どう感じるか(不快だとか失礼だとか)以前の問題です。自分はこういう服装をしたいのだ、こういう立ち居振る舞いをしたいのだ、という意思の表現だということです。

みなさんも是非、自分の服装、身だしなみや立ち居振る舞いには自分の思想信条、考え方、信念が現れるのだということを意識して頂きたいと思います。

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2023年6月15日 (木)

気配りが信頼を揺るがす

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

みなさんは日頃、依頼者側の立場で司法書士の仕事ぶりに接する機会は少ないと思います。それに比べて、病気・けがの治療や健康診断等の際に医療従事者(※)の仕事ぶりに接する機会は多いのではないでしょうか。

私は常々司法書士の仕事と医療従事者の仕事には、専門性や資格を必要とすること、対人的サービスであること、などの共通点があると感じていました。

最近本欄では気配りの重要性についてお話することが多いのですが、医療従事者にも同じことが言えるのではないでしょうか。

それを感じたのは、ある検査機関で人間ドックを受診した際のことです。てきぱきと検査器具をからだに装着してくれるのですが、そのやり方が文字通り機械的で、気配り(相手の身体や感情に対する配慮)が感じられなかったのです。

重要なのは、それで不快な思いをしたことにとどまらず、検査者の検査に対する真摯さ、ひいては検査の信頼性にまで不安や疑いを抱かされることになってしまったことなのです。

安全を提供する者(司法書士も同じ)の気配りの重要性を再認識したわけです。


※医師・歯科医師・看護師・歯科衛生士・薬剤師・介護福祉士・医療技術者(放射線技師、臨床検査技師、理学療法士など)・医療事務従事者など。

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2023年6月14日 (水)

双方向

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)


今月の価値研修は先月までとやり方を変えて、参加者のみなさん自身に発言して頂くことにしました。その結果多くの参加者の方が、研修の感想として、「色々な方達の話が聞けたことが良かった」とおっしゃって下さいましたので、この方法に変えたのは少なくとも無意味ではなかったと安堵しました。

特にコロナ以降、メンバー同士、特に他チームの方達と話をする機会が減っていましたから、なおさらそういう感想を持ったのでしょう。

また、今回の研修の参加者には一般メンバーもいれば、チームリーダーを初めとするマネジメント層もいましたので、彼らの考え方を聞くことができ、他チームのマネジメントのありようを見る良い機会にもなったようです。

以前、「縦割り」について書きました(5月7日、8日)。固定化されたチームは縦割りで、その利点はもちろんあるのですが、弊害もあります。その一つがチーム間のコミュニケーションや情報共有が不十分になることです。

これら弊害をなくす効果もこういった「双方向方式」の研修にはあると思います。そこで月次朝礼も双方向にしました。

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2023年6月13日 (火)

自らつくる、求める

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

今月の価値研修では参加者の方達にそれぞれが価値だと考えていることを話して頂いたことは以前書きました。

さらに参加者のある方は、価値であり理念でもある「未来を創る」ことについて、その方の考えを披露して下さいました。

それは、「未来というものは誰にでも自動的に来るものだ。そうではなくて、自らの力で未来をつくるところに理念としての意義がある」という考えでした。私は「なるほど」と思わず膝を打ちました。

それまで私は、未来を創るといっても抽象的だし人それぞれだし分かりにくいかも知れない、などと思っていました。しかし、「創る」の方に重点を置けば非常に分かりやすくなります。誰が創るのか、という視点です。

考えてみると既に「幸せ」については同じような発想をしていました。「幸せかどうか」でなく「幸せになろうとしているか」に焦点を当てて考えることにしたのです。

これはやはり他の参加者の方の発言にあった「自分の頭で考える」とも共通する発想です。

ただ、考えるだけでなく行動する(つくる、求める)という要素が加わりますが。

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2023年6月12日 (月)

ベース・レジストリと登記

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

登記申請手続きは一連のデータのやり取りです。収集→確認→加工→送信という工程です。確認と加工が必要なのは、データの信頼度や統一性が不十分だからです。信頼性の確認と、不統一なものを合致させる工程です。

データには2種類あります。

一つは取引によって変動するデータ、謂わば「動的データ」です。これは取引の存否から当事者の信頼度まで多岐に渡ります。

もう一つは当該取引によって変動しないデータ、謂わば「静的データ」です。基盤データと言っても良いでしょう。不動産や人(個人・法人)についての基本的な情報です。

これら二種類のデータについてはいずれも司法書士がその信頼度を担保する役割を担っています。

一方、基盤データに信頼性や統一性を与える企てが現在進行中です。デジタル庁を中心に進められているベース・レジストリ(※1)です。
これが完成しますと、基盤データに関しては確認と加工はもちろん、データ添付も必要なくなります。
また、基盤データが変わったことによる登記は当事者の関与(申請)が必要なくなります(※2)。

 

※1 https://www.digital.go.jp/policies/base_registry/
※2 既に住所氏名変更登記は申請不要とされているが(不動産登記法76条の6‐未施行)、登記官が職権でデータを取得して登記できるというものであり、構造が違う。

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2023年6月11日 (日)

しみこませる

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

これまでの「価値研修」では、新人の皆さんに対して、「価値」や「マインドセット」が社内に浸透しているのかを、現場で(先輩たちの仕事ぶりを見て)確認して欲しいと言って来ました。

今月の研修では、先輩社員の多くがそれらを一定程度身につけていることがわかり、また、「FLC&Sに入ってそれらの重要性を学んだ」という発言もありました。

「FLC&Sで学んだこと」の一つとして「自分の頭で考えることの大切さ」を上げていた方がいらっしゃいました。それは正しく私が大事にし、口を酸っぱくして伝えて来たことであり、FLC&Sのメンバーに身に付けて欲しい「マインドセット」の一つです。

また、それについてあるチームリーダーからは、部下に対して、「思考停止するな、言われたことをやるだけではなく、自分の頭で考えろ」と言っているという発言も有りました。

「価値」「マインドセット」「ルール」はそれを「見える化」することが最低限必要ですが、浸透のためにはこの様にリーダー自身がそれを身につけた上で、メンバーにも身につけさせることが必要です。

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2023年6月10日 (土)

大きいことは・・

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

もう一つ「価値研修」で参加者の方から与えられた気付きとして、「大規模化」のメリットの点があります。研修レジュメでは「大規模であることそのものではなく、システム化できるところに意義がある」と言っていますが、システム化以前に、規模が大きい(多数の司法書士やスタッフを擁している)ことで得られるメリットがあったことに改めて気付かされました。

大規模・大量の案件が受託可能であること、スケジュールの調整が容易であること(繁忙のために人繰りがつかないということがない)等です。

これらは日頃当たり前に(?)行われているので、あえてメリットとして認識していませんでしたが、重要な大規模事務所の利点でしたね。

もっともこの方は「より多くの方にサービスを提供できる、より広範に社会貢献ができる」という言い方をされており、より高い意識を持たれていると感じました。

また、なぜ大規模化を実現できたかという質問には何人かの方が「柔軟性」を上げられ、これも意外でした。予防法務等、どちらかというと「固い」側面を強調してきましたので。

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2023年6月 9日 (金)

幸せについて分かりやすく

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日「幸せ」を難しく考える必要がない、と言いましたが、「価値研修」では「幸せ」を「幸福感」という観点でなく、「幸せになる」といういわば行動の観点で論じています。「幸せになる」とは、「生を全うする」ことだと言っています。これがまず少し分かりにくかったですね。

分かりやすく言えば、与えられた命なんだから精一杯生きる努力をしようよということです。ですから、「幸せですか」と聞くのではなく「精一杯生きていますか」と聞いた方が、質問としては適切だったかも知れません。

また、幸せになるために行動することと、今幸せと感じているか、とは別なので、「幸せですか」と聞かれて参加者の方達がそれぞれ、「こんなときに幸せを感じます」と答えて下さったのは自然なことで、これに関しても難しく考える必要はないと思ったわけです。

そして、ここで言いたかったのは、「会社は幸せになろうと精一杯生きようとしている人たちを応援しますよ」ということです。

また、「応援する」とは何かを「してあげる」のでなく「環境を整える」ことなのです。

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2023年6月 8日 (木)

幸せって

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

今月から「価値研修」は対象者が既存社員中心になりましたので、進め方も変えました。私が一方的に(130頁のスライドを)話すのではなく、参加者の方の意見を中心に進めるというやり方です。

半分しか終わりませんでしたが、参加者の方達からは有益な発言を多数頂き、私にとっても大きな学びになりました。研修内容もまたまた変更(進化)していくことになると思います。

最初に「今幸せですか?」という質問を何人かの方にしてみましたが、考えてみますと、多くの人は「幸せか」などということを普段考えることはあまりありませんよね。私自身、「幸せ」は人それぞれだからと思い、あまり深く考えることはありませんでした。

しかし、最近になって(何度かご紹介した)日立の矢野和男さんの著書(「データの見えざる手」)で、幸せは数値化できるという話やポジティブ心理学に触れ、幸福について少し考えてみることにした結果、「人には幸せになる義務がある」という結論に至りました。

ただ、研修参加者の話を聞いていて、あまり難しく考えることもないな、とも思いました。

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2023年6月 7日 (水)

ファクトチェックのルール

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

私たちの仕事の参考にもなりますので、ある日本のファクトチェック団体が示している基本的なルールをご紹介しておきます(※)。

1 事実と意見の区別
ファクトチェックはあくまで「事実」かどうかを検証する営みであり、原則として「事実言明」に限って検証する。事実(fact)とそれ以外を区別し、事実以外は対象外。

「事実」とは、何らかの「証拠」によって第三者が確認できる事柄をいい、過去に起こった出来事が典型例。
「事実以外」とは価値観や立場によって見方が分かれる意見・評価・解釈・論評、主観的な認識、内面的な心情・心理などをいう。

もっとも、人の言葉は曖昧かつ複雑で、「事実言明」か「意見表明」かを区別することが難しいこともあるので、客観的な証拠の有無・内容を調査することによって判断する事が必要。

2 証拠に基づく検証
ファクトチェックは原則として調査によって収集・入手できる証拠(公開情報や文書など物的、客観的証拠)及び情報公開請求などによって入手した証拠に基づいて、現実的に検証可能な「事実言明」を取り上げる。

特定非営利活動法人ファクトチェック・イニシアティブ 

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2023年6月 6日 (火)

ファクトチェックは日常業務

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

先日、ツールの選び方として、第三者からの間接的な情報の(信頼度の)判断基準は論理性・実績・信憑性だと言いました(「信憑性」は「信頼度」と同義で殆ど意味はありませんね、失礼しました。要は情報の発信源がだれかという事です)。

最近特に情報の信頼度について(ネットやAIによる情報を中心に)問題にされることが多いですが、これは私達が日頃の業務のなかで常に気にしてきたことであり、特段新しい問題ではありません。

詳しくは「あしもとのこと」で説明していますし、今後も取り上げて行くことになると思いますが、私達が不動産事故を防止するに当たって必ずしも情報源に直接あたることができるわけではないため、第三者からの情報の信頼性を如何に確保するかが常に問題になります。

つまり、不動産事故防止の場面でも、論理性・実績・情報源は重要な確認要素です。事故を防止するために確認すべき事項(権限と能力のある、真の当事者が動いているのか)の信用度もその論理性、当事者との関係性(実績)、そして情報源、は極めて重要な要素です。

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2023年6月 5日 (月)

評価の対象

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日、ネットニュースで傘を水平に持って歩くことの危険性が話題になっていました(※)。これも「気配り」の問題です。

自分の後方にいる人の立場に立ってものを考えられる(気配りのできる)人なら、絶対にそういう傘の持ち方はしないはずです。

ところで昨日成功のためには「価値」や「マインドセット」が重要であり、「気配り」もその一つであると言いました。ただ、「気配り(をすること)」はマインドセットではなく「行動」です。

例えば上記の例でいえば「後ろの人に迷惑にならないかが気になる(気にしている)」というのがマインドセットであり、このマインドセットに従い、傘は立てて(垂直に)持つというのが「気配り」であり、行動です。

この区別は、評価(査定)で意味を持ちます。現在新しい評価制度導入に向け、評価者訓練にも着手していますが、評価の対象になるのは第一に結果であり、第二に(結果を出すための)行動です(人の内心は評価できません)。

評価に値する結果がだせなくてもそための行動を取っていれば評価の対象にはなり得ます
(指導・育成も)。


https://www.j-cast.com/2023/06/03462549.html

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2023年6月 4日 (日)

独立志向の方へ

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

司法書士として(司法書士に限りませんが)独立するためには業務の経験や知識を備えることが必要だという考え方には少し問題があります。

独立しようとする方が考えるべきことは、どうすれば独立できるか、ではなく、どうすれば成功できるか、です。ある程度の業務知識や経験があれば独立することはできますが、業務知識や経験だけで成功が保証されるわけではありません。

成功する、即ち多くの司法書士の中からお客様(依頼者)に選んでもらえる司法書士になるために必要なことは他にあります。

弊社の新人研修では、私が「価値研修」を受け持ちます。そこでは、「幸せになるため」に必要なのは「価値」の認識とそれを実現するための「マインドセット」であるという話をします。

司法書士が独立して成功するために必要なことも全く同じです。

「価値」や「マインドセット」に関してはここでも散々お話してきました(私自身の考えがここで整理されてきました)ので、みなさんにはご理解頂いているとは思いますが、最近その重要性を改めて強調しているのが「気配り」です。

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2023年6月 3日 (土)

受験生の誤解

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

ある司法書士受験予備校から、不動産登記についての講演の依頼を頂いたそうです。趣旨は、司法書士試験受験生や合格者には「不動産登記中心の事務所に就職しても独立に役立たない」という誤解があるので、その誤解を解いて欲しいということのようです。

この誤解は要するに
1 司法書士の仕事内容が良くわかっていない
2 所謂「決済事務所」つまり売買中心のBtoB(toC)のモデルだとBtoCの仕事の経験が積めない
3 大規模事務所で分業が進んでいると登記業務の一部しか経験ができない
ということだと思われます。

確かにFLC&SではBtoB(toC)の売買中心ですし、分業も進めていますから、そのような懸念を頂かれるのは分かります。

しかし実は、売買に比較すれば決して大量とはいえませんが、幅広い仕事を手掛けていますし、分業に携わる方々にも多くの職種を身につけた、多能人財に育てるのが大きな方針で、徐々にその実現に向けた動きも始まっています。

むしろ問題は、独立するためには業務の経験や知識を備えることが必要だと考えていることです。

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2023年6月 2日 (金)

ツールの選び方

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

AIやICTツールに限らず新しい道具には、使う目的があります。現状に不足や不便があり、それを解消するということです。

目的を達成してくれる道具がみつかったら、その効果を検証します。候補が複数ある場合はそれらの優劣を比較します。

次はそれを導入することによって発生する問題がないかどうかを考えます。必ずある問題がコストです。

例えば私は毎朝コーヒーを淹れます。以前は全て手動でやっていたのですが、今は電動の器具(グラインダーとコーヒーメーカー)を使っています。電動器具を使うことにした目的は、時間の短縮です。

候補は複数ありますから、効果(手動と同等か)と問題点(コスト他)を比較しました。実際に使って比較するのが最も良い方法ですが、このときは第三者からの間接的な情報のみによりました。

その場合の判断基準はこうです。

1 論理性:なぜその商品が他よりも効果が高く問題が少ないのかを論理的に説明できているか。
2 実績:その商品には販売実績がどれだけあるのか。
3 信憑性:その情報に信憑性はあるか(ステマは問題外)。

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2023年6月 1日 (木)

AIも道具

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

みなさんはChatGPTを使ってみましたか? 私は新しいものが好きなので(笑)もちろん使ってみました(当然リスク配慮もした上で)。

自分の仕事への活用を考えた方もいらっしゃると思います。ただ、AIもあくまでも目標実現のための「道具」に過ぎません。AIに限らずこれまで様々なIT(情報技術)を活用した「道具」が登場し、仕事に生かしているものもあればまだ生かせていないものもあります。

みなさんに一番身近なものとして、ワープロや表計算、プレゼンテーション、メールやチャット、クラウド型汎用業務アプリ、そして登記申請書作成支援システムがあります。みなさんにとっては、気がついたときにはこれらが使われていて、使うのが当たり前になっているかもしれませんが、最初は様々な業務を行う中で「もっと効率の良い方法はないか、便利なツールはないか」という問題意識の中から生み出されたものです。

既存のアプリを本来の目的を超えて活用したり、自分達で開発(?)したりもしていますが、それらも問題意識があったからこそ行われてきたわけです。

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