司法書士と法的思考
(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
これまで何度か「法的思考」について書いて来ました。
私は「法的思考」を(一般的なものとは異なるかも知れませんが)「決まり事や命令の正当性を疑い、根拠を考えること」と定義しています。
そして法律家に限らずおよそどんな仕事をする場合でもこれは必須のマインドセットであると考えています。
ところが、法律家であるはずの司法書士の実務についてしまうとかえって法的思考ができなくなる(思考習慣がなくなる)という矛盾に陥る傾向があります(もちろん個人差はありますが)。
それは何故でしょうか?
思うに、それはこういうことだと思います。
私たちの提供している「システム」の要素は「安全、確実、便利」です。このうちの「確実」「便利」の部分を高い精度で実現していこうとするとき「法的思考」がむしろ邪魔になってしまうのです。
例えば、不動産の売買の結果を確実に登記簿に反映させることと、その手続きを便利に(負担を最小に)行うことを至上命題とした場合に、行われた売買の内容に疑問を挟むことは、その命題に反することになってしまうのです。
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