« 日常の認知バイアス | トップページ | 「司法書士は登記」の意味 »

2022年11月 5日 (土)

バイアスから解放される唯一の方法

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日、日常の認知バイアスの例として、採用面接を取り上げましたが、みなさんにもっと身近な例としては業務における、「レビュー(チェック)」の仕組みがあります。

登記申請手続きの諸工程で、主要な工程には必ずレビュー担当者のレビュー工程が設けられています。

これは、全ての業務に必ず認知バイアス(先入観、思い込み、決めつけ)が働くことから、これを修正する工程が欠かせないためです。

そして、このレビューは必ず判断や作業をおこなった人物とは別の人物、即ち第三者が行う必要があります。

昨日、認知バイアスから解放される方法は一つしかないと申し上げましたが、登記業務における「レビュー」が正しくそれなのです。

つまり、認知バイアスから解放されるためには、第三者の目を通す、第三者の意見を聞くことが必要なのです。

さらに、それは、立場の違う第三者である必要があります。登記業務では、作成・判断担当者とレビュー担当者は立場(役割)が違うと言って良いでしょう。

但し同一人物が立場を使い分けて、自分でした判断について自分でレビューするのでは意味がありません。たとえそれが実力者で、どんなに繁忙でそれを人に頼むのが心苦しくてもこれをすると大きな事故につながります。

因みに、不動産取引において「立場の違う第三者」とは例えばラインとスタッフ(営業と法務など)といった関係です。同じラインの上司と部下では立場が同じで、同じバイアスに囚われる可能性が高いので、あまり意味がありません。

最も望ましいのは私達社外の専門家の意見を聞いていただくことです。

| |

« 日常の認知バイアス | トップページ | 「司法書士は登記」の意味 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 日常の認知バイアス | トップページ | 「司法書士は登記」の意味 »