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2022年11月15日 (火)

専門家の知ったかぶり

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

新人司法書士の方達には実体法に次いで周辺法領域、即ち税法(相続税、所得税、法人税、消費税、印紙税、地方税、固定資産税、国税通則他)や宅建業法、建築基準法、消費者契約法、等の勉強をお勧めしています。

なぜ、登記や実体関係に直接関係しない領域の法的知識が必要なのでしょうか?
その理由は少しでも実務に触れて取引関係者と接してみればわかります。つまり、その方達が直面している問題を解決するためには私達の専門分野だけの知識では足りず、これらの法領域の知識が必要だからです。

しかし、私達がこれら隣接法領域に関して自分達の専門分野と同様に通暁することは現実的ではありませんし、その必要もありません。餅は餅屋で、その分野の専門家の力を借りれば良いのです。

ただ、自分の専門分野以外のことについて相談されたときに、それは専門外だから知りません、専門家に聞いて下さいと答えるのも、良い対応とはいえません。

ではどんな対応をすることが望ましいのでしょうか?

専門家・コンサルタントの姿勢として重要なのは「線引き」です。
つまり、専門外の問題について、どこまで自分たちで答えてよいのか(答えるべきか)、どこから専門家に相談すべきかといういわば境界をきちんと認識しておくことです。

そして、その境界から先のことについては自分で答えずに、専門家に相談するように促す、あるいは専門家を紹介する、という対応です。

もっともこれは専門家にだけ求められる難しいことではなく「わからないことはわからないと言う。知ったかぶりをするべからず。」という日常業務の基本的心得と同じレベルの話です。

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