実体に興味がないと
(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
不動産の実体に興味のないX司法書士が(投資用マンションでなく)一般不動産を扱った場合、当事者との認識にズレが生じ、それが登記ミスにつながる危険性があります。
例えば一団の土地を分割して複数の買い手に売却するという案件で、東南角のA土地(地番1番5)の売買の手続について、X司法書士が誤って西北角のB土地(地番1番6)の取引と認識してしまったとしましょう。
売主や買主は土地を現況(位置関係や面積、周辺環境等)で把握しており、地番には着目していません。一方X司法書士は現況には興味がなく、地番のみで把握しています。
X司法書士は当然ながら当該不動産についての売買(及び登記委任)の意志を、書面(登記原因証明情報や委任状)のみを通じて確認しようとします。
この場合「1番5」の土地について売買する意思があるかどうかを確認する必要がありますので、「1番5」の不動産表示が記載された書面を用意しなければなりませんが、誤って「1番6」の書類を用意してしまいました。
X司法書士が書面の内容を読み上げて当事者に確認したとしても、この場合の当事者は番号を意識していませんので、司法書士に示された(誤った)書類にそのまま署名してしまう可能性も高く、そのまま手続きを進めるとA土地の購入者がB土地を買ったという登記をしてしまうことになります。
もし司法書士が物件に興味があれば「西北角の、スーパー◯◯の向かい側の土地ですね」等、実体や現況の確認をすることが可能であり、当事者の認識とも一致し、物件を取り違える可能性も低く(書面の間違いに気づくことに)なります。
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