医薬業界のICT
(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
以前、タクシーの業界と司法書士の業界を比較してみましたが、今日はより共通点の多い(?)医薬の業界について見てみましょう。
医薬業界では診断内容や薬剤の処方内容が、他の病・医院や薬局同士で自動的に共有されるということがありません。
医療機関同士の情報の共有は、なんと(紙の)紹介状、画像ディスク、電話やファクス、で行われているのです。
医療情報を一つのプラットフォームで共有しておいて貰えれば、患者側には何の負担もなく、あるクリニックでの診療内容を別のクリニックでも速やかに共有し、遠隔地での治療ができたり、セカンドオピニオンを迅速に取得したりできるはずです。
そして、その問題点は、このコロナ禍であらわになりました。
なぜこんなことになっていたのか? それは、おわかりの様に「個人情報保護」という建前です。
しかし、実質的な理由は、結局のところ、医療機関が「社会全体の生産性」に興味がなかったということなのではないでしょうか。仮に医療情報が共有されて「全体生産性」が高まっても彼らには特段のメリットがない(保険料収入が増えるわけではない)ということなのでしょう。
しかし、いよいよパンデミックへの対応不全という大問題が発生し、情報共有へシフトしていかざるをならなくなるのではないでしょうか。
では、司法書士はどうでしょうか?
司法書士だけでなく、弁護士、いや士業全般でも同様に、相談内容や依頼内容が同業者間で共有されるということは考えられません。
理由は医療の業界同様だと思いますが、さらに、コロナ禍に相当するような強烈な動機は今のところ存在しません。
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