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2022年9月 8日 (木)

予防法務以前の役割

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

結局元のところに、つまり再三お話していた「予防法務が司法書士の提供する価値の中心である」というところに戻ってきたわけです。

ただ、これまでは「予防法務」という抽象的な言い方と、意思能力の確認等個別のお話しかしてきませんでしたが、その意味するところ(位置付け)が少しわかりやすくなったのではないかと思います。

つまり、「予防」とは、登記(の原因である物権変動)が無効になったり取り消される、あるいはそれらを主張されるのを防ぐことである、ということです。

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ところで、現在司法書士が提供している価値は「予防」だけではない、ということは(みなさんが日常的に当たり前に行っていることでもあり)これまであまりお話して来ませんでした。

それは「取引円滑化の担保」とでもいうべき役割です。

つまり、「予防」の前に、無事に登記が行われること、その大前提として物権変動が当事者全員の期待どおりに滞りなく効力を生じること、すなわち決済が円滑に行われることを「担保」する役割を担います。

典型的な不動産取引、例えば個人間の住宅の売買であれば、「決済」とは、買主に対して銀行が融資を実行し(担保を設定)、その融資金から売主に売買代金が支払われ、その代金から現在の所有者が借りているローンが返済されます(担保を抹消)。司法書士は、この一連の流れが全て滞りなく行われるように(それぞれの当事者が予め準備)しておくことを担保するという役割を担っているのです。

この面からも、登記申請が不要になっても司法書士は重要な役割を担う、といえるのです。

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