アート思考
(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
今日は、数年前から(デザイン思考、SF思考などとともに)注目されている「アート思考」について。
「アート思考」(秋元 雄史著 プレジデント社)※1という本があります。この本自体はアート思考をビジネスにどう活かすかという観点から、出版社が企画したもので、つまるところ、アート思考とビジネス思考の共通点は「クリエイティビティ」だということに尽きるのですが、私はアート思考そのものに興味がありましたので、著者の講演会にも行って来ました(代官山の蔦屋でした)。
そこで伺った話の中で衝撃的だったのは、天才アーティストの見ているものは私達普通人が見ているものとは全く違うということです。例えばジャコメッティというアーティストはモデルを観察して人物彫刻を作成するのですが、出来上がったものは全く写実的ではなく、異様に細長く引き伸ばされた形態をしています※2。彼の目にはそのように見えているのだと言うのです。
ジャコメッティに限らず、写実とかけ離れた表現の芸術作品は多いですが、芸術家にはそもそもものの見え方からして違うのだということに衝撃を受けました。
また、便器をそのままアートにしてしまった作品はご存知でしょうか?
市販の男性用便器を横にしてそこにサインを施しただけのものですが、現代アートの原点とも言われています(※3)。
しかし、これが美術館に展示されているのではなく、道端に置いてあったとしたら、それはアートなのでしょうか。
この点を講演会で秋元さんにお尋ねしたところ「美術館にあるからこそアートと認められても、路上に放置されているに過ぎない場合は誰もアートとは気づかないであろう」とのことでした。
※1https://tinyurl.com/yxb89566
※2https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/4968
※3マルセル・デュシャンの「泉」https://www.momak.go.jp/Japanese/collectionGalleryArchive/2017/specialTheme2017curatorial12.html
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