不動産事故が発生したら
(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
不動産事故発生の懸念要素があるにも関わらず、当事者がその除去に非協力的な場合、私達司法書士はどうすれば良いでしょうか。
懸念要素の内容によって、対応は違ってきます。
1 意思無能力など、不動産事故発生の確定的要因がある場合。
意思無能力の場合私達は取引の延期(後見人を付するまで)を強く勧めますが、当事者がそれに従わない場合は、登記の依頼を拒絶する必要があります(司法書士法21条の正当事由)。
もっとも、その前に「それなら他の司法書士に頼む」と言われるかも知れませんが(今はそこまでして強行する方はいない?)。
2 事前確認を拒むなど、不動産事故発生を懸念させる要因はあるが、確定的要因とはいえない場合。
この場合私達は、意を尽くして懸念事項除去(事前確認を行わせて頂くなど)の必要性を説きますが、それでも当事者が従ってくださらない場合、私たちは最悪の場合(事故発生)でも責任を問われることがないように(訴訟で過失=注意義務違反を認定されないように)備える必要があります。
そのためにはどうすれば良いでしょうか。
不動産の売買において司法書士の注意義務がどこまであるのかは、事案に沿って具体的に検討する必要があります。
まず、わかりやすい事例から考えてみましょう。
例えば売主が高齢で、意思能力が低下している疑いがあるにも関わらず、取引を行い、取引後に売買無効であると売主の親族から訴えられ、無効が認められた場合、司法書士はどこまですれば注意義務を尽くしたと言えるでしょうか?
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