司法書士が会話主導を求められるとき
(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
「気が置けない」理髪店が見つからない私は、今は10分カットの店に行っています。ここではもちろん余計なおしゃべりは一切しませんから、私にとってはある意味居心地のいい場所です。
さて、私達司法書士も会話の主導を求められることがあります。例えば決済立会の場面です。
最近はコロナ禍の影響だけでなく、取引の合理化を求める傾向から立会を行わない方式も増えているようですが、昔ながらの立会の場合は、かならず一定の「待ち時間」が生じるのが一般的でした(最近はネットバンキングが普及したこともあり、売買代金着金までの待ち時間は大幅に減っているようですが)。
この待ち時間の間に「会話」が求められることがあります。仲介会社の方などから、「世間話の上手な司法書士さんはありがたい」と言われたり、「司法書士を選ぶ基準は座持ちの良さだ」とまで言われたこともあります。
決済立会の場の参加者の顔ぶれは、不動産の売主、買主、仲介会社、融資会社、そして司法書士、というのが一般的です。それぞれ親しい関係ではありませんので、必要なやり取りが終わると沈黙が訪れることもあります。
そんな時に場馴れした、会話上手な方がいると、白けた場をなんとか取り繕うことができ気まずさから解放されますから、場を取り仕切る仲介事業者の方は助かるわけです。
司法書士にその役割を求められても、通常司法書士にはそういう訓練はしませんし、向き・不向きもあります。フクダリーガルの教科書にもそこまでは書いてありません。そんな中で無理やり話をしても、あの、私が行かなくなった理容室のようなことになりかねません。
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