決めつけないこと
(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
地面師等の不動産詐欺を始めとした不動産の事件事故の予防策の話の中で、認知バイアスについて説明することがあります。
この認知バイアスの現れの一つとして人間関係や人に対する評価の局面で、ある人を「こういう人なんだ」と決めつける、ということがあります。
これは人間の合理性から生ずる非合理の一つです。
つまり、思考にバイアスのない人間は存在せず、全ての人間は、あくまで限定された合理性しか持ち得ないということです。これは長い進化の過程で人類が生き残るために身に付けた本性です。
これを防ぐための方法は、立場の違う方の意見を仰ぐのが理想的な方法だと思います。
しかし、必ずしもそれができる場合ばかりとは限りません。他人の意見を聞けない場合は、「自分の中の他人」に聞いてみる、つまり自分自身で別の角度から考えてみることが必要です。
そして、それを行えるために重要なのが、必ず自分は決めつけを行っているんだ、バイアスがかかっているんだという認識を持つことです。
自分にもバイアスが必ずかかるという典型的な「決めつけ」に気付かされる例として、第二次世界大戦における虐殺行為は国民性から行われたもの、だという「決めつけ」を覆した「アイヒマン実験」(ミルグラム実験)があります。あのような残虐行為も、一定の条件の下では誰でも行うことになるのです。
私たちも、特定の人の特定の行動を取り出して、その人を「こういう人だ」と決めつけることには十分気をつける必要があります。
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