親しくなくても会話ははずむ
(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
ある理髪店では、顧客との人的な関係を構築するために顧客に話かけることを義務付けました。「会社はお近くですか?」「今日はお仕事帰りですか?」。
しかし、そんなことを聞かれると不愉快に感じる人もいます。仕事に就いていない人もいるでしょう。仕事の話はしたくないと思っている人もいるでしょう。私の様な気の小さいジジイは腹を立ててしまうかも知れません。
目的は会話を成立させることではなく、それによって良好な人的関係を構築していくことですから、何でも良いから話せば良いという訳ではありません。会話が続き、お互いの間の壁が取り払われていくことが必要です。
そこで一つヒントになるのが、以前私が長い間通っていた理髪店です。子供時代を除けば、唯一の「馴染み」の理髪店です。
この理髪店で私はご主人とよく話をしていました。しかし、特に親しいというわけでもなく、お互いに名前も知りませんでした。
ではなぜ会話がはずんだのでしょうか?
それは、ご主人の話が必ず私の髪の毛の話題から入るからです。「あなたの髪の毛はこうだからねぇ」というところから始まります。私も自分の髪の毛のことですから興味を持って聞きます。まして、相手は髪の毛を扱うプロですから、髪の毛について私達の知らない興味深い話をよくご存じです。
そんな話から始まって、会話がはずみ、髪の毛や散髪に直接関係のない話にまで話が及びます。息子さんも理容師だが跡を継いでくれないという話までお聞きしました。
私にとってこういう「気が置けない」お店は後にも先にもこのお店だけでした(閉店しました)。
こんな理髪店はその後見つかっていません。
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