バイト敬語で思考訓練
(今朝のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
ここまで考察してきた通り、いわゆる「バイト敬語」に違和感を感じる最も大きな理由は、それが言葉を使うにあたってのルール、即ち文法や、敬語の用語法に反するものだから、という点です。
一方、私達の仕事は法令、すなわちルールに関わる仕事です。
私達が関わるルールの典型である「法律」は、それに従うことが求められますが、それは、法律が民主的な(自由な議論のもとに自由な選挙によって選ばれた代表者による)手続きによって定められたものだからです。
言葉のルールも同様に、手続きこそ違いますが、長い年月をかけて多数人の賛成を得ることによって成立して来たものです。
そして、時代に合わなくなった法律が、同じ民主的な手続きによって是正されていくように、言葉に関するルールも時代とともに多数人の支持を得れば是正され変化していくものです。
「バイト敬語」も、現在は違和感をもたれ支持が少ないものであっても、何らかの理由によって使われる者の数が増えていけば、やがて新しいルールとして容認されていく可能性があります。
そこで、法律に関わる私達が、「バイト敬語」に限らず、違和感のある言葉遣いに遭遇したときにはこんな観点から考えてみるのも良いのではないでしょうか。
1 その違和感はルールに反することから生ずるものなのか
2 (その違和感がルールに反することから生ずるものだとしたら)そのルールが現在も多数のものに支持されているものなのか
・・・つまり、単に違和感があるといった漠然とした理由で決めつけず、ちょっとした思考訓練の対象として考えてみるのです。
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