認知バイアスを助長する条件
(本日のフクダリーガル社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
「自分だったらそんな思い込みはしない」と、誰もが思うような思い込みや先入観にとらわれてしまうのが認知バイアスの認知バイアスたる所以ですが、一方で、「認知バイアスにとらわれやすくなる条件(状況、環境)」があります。
例えば昨日例に出した登記手続の工程の場合、繁忙時で時間が限られれば限られるほど、認知バイアスにとらわれやすくなります。
即ち、時間がない!という状況(繁忙)が、私達を認知バイアスにとらわれやすくする条件の一つであることがわかります。
ついでに言うと、不動産事故の場合も、時間がない状況は認知バイアスを生み出す要因になりますが、地面師を始めとした「事故を仕掛けてくる側」は、そこを逆手に取って認知バイアスにとらわれやすい状況を敢えて作り出してきます。
不動産取引の場合、「状況」には他にこんなものがあります。
1 購入や融資の実績を作らなければならないという立場
2 物件の条件の良さ
3 希少な優良物件の場合の売主優位の状況
4 競合先
5 権威ある(一般的に信頼度の高い)当事者の関与
不動産取引の場合は、こういう状況を回避していたのでは仕事になりません。
そこが、プロが関わる場合の難しさであり、プロほど被害に会いやすいという意味もそこにあります。
しかし、私達の日常業務においてはそのようなことはありませんから、認知バイアスの呪縛から解き放たれるためにはそういう(時間がないなどの)状況をできるだけ作り出さないようにすることが必要です。
これは個々人の努力では限界がありますから、フクダリーガルが組織として解決していかなければならない問題です。
| 固定リンク | 0
コメント