SFと課題解決
(フクダリーガルの社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)
本題の前に、昨日の記事(士業と生産性)について少し補足を。
昨日、国会や士業の仕事が非営利だから(と考えられたから)生産性が軽視されて来たのではないかという趣旨のことを書きました。確かにそういう側面はあると思いますが、それが全てではありません。生産性という概念自体は営利性が前提になるものではないからです。生産の「産」の字が「産業」即ち営利事業を連想させますが、「生産」自体は必ずしも営利を伴うものだけではないのです。「生産性」は何かを「作り出す」局面全てにおいて想定できる指標なのです。
因みに生産性の定義について日本生産性本部は「『生産性とは、生産諸要素の有効利用の度合いである』(ヨーロッパ生産性本部)」としています。
つまり国会や士業で生産性が軽視されてきた理由は非営利性以外にもあるという事です。これについてはまた別の機会に書きたいと思います。
さて、本題です。
1月の朝礼で、「マンションが欲しい」と思ってから数十分で購入が完了してしまう様子を「やがて来る時代の不動産取引」としてお伝えしました(後掲)。
これは現時点ではまだ空想の話、つまりSFの世界であり、何を突拍子もないことを言っているのだと思う方もいるでしょう。しかし、今まで実現されて来た技術やしくみは、全てSF等で人類が想像し、構想していたものなのではないでしょうか?
そして、現在自分たちが行っていることの延長線上に未来を描く(フォアキャスティング)よりも、それを一旦捨象して、こうあるべき、こうなりたい、という未来を描いて、それをどう実現するかを考える(バックキャスティング)ことの方がよほど楽しくはないでしょうか?
すくなくとも私は、そういう未来を実現するためには現在をどう変えていけば良いかと考えることに仕事のやりがいを感じます。
もちろん目の前の課題を解決していくことは重要な事ですが、より遠い未来に視点をおき、課題解決はそれを実現するための手段だという認識の上で行うことで、課題解決がより意義のある、それこそ生産性の高いものになるのではないでしょうか。
だからフクダリーガルの基本理念は「未来を創る」なのです。
★ここに書いた様な発想は「SFプロトタイピング」とか「SF思考」という呼び方で近年流行っています。
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(1月朝礼より)
ーやがて来る時代の不動産取引ー
これは未来の不動産取引(売買)の姿です
20XX年XX月XX日、鈴木一郎さんは居間のソファでくつろぎながら、「春さん、ワンルームマンションが欲しいな」と頭のなかで思い浮かべました。
すると春さん(人工知能)から「目的は、予算は、場所は・・・」という質問が脳内に送られましたので、やはり脳内でそれぞれの質問に答え、最後の質問「いつにしますか」には「準備でき次第すぐ」と答えました。
・・・・
数十分後に春さんから「購入完了しましたよ」と言われ、マンションの映像や登記事項が直接脳内に投影されました。
これで取引は完了です。
この間に行われたのは以下の手続きです。
(略)
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