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2016年11月10日 (木)

認知症と不動産というテーマは関心も、意識も高くなっている?

今日はTAP実務セミナーで「認知症と不動産取引」というテーマで講演をさせて頂いた。このテーマでの講演は久し振りだった(前回の模様はこのブログで報告)が、確実に関心は高まっている様で、60名の定員枠がほぼ埋まる盛況ぶりであった。内訳としては不動産業の方が4割、税理士が3割、その他の士業(司法書士、弁護士、行政書士、不動産鑑定士等)が2割。FPの方も含め全員が日頃高齢者の不動産取引に関わっているプロフェッショナルの方々ばかりであった。281110__1

今日の中心テーマは高齢の売主が認知症の疑いがある場合の対処方法であったが、まず、不動産トラブル全般についてプロが実際に巻き込まれたトラブル実例8件についてさわりだけ説明した。大半は弊司法書士法人のホームページに掲載済みの事例である。

本題は、認知症だとどんな問題が生じるか、その問題を生じない様にするためにはどうすれば良いかについて、具体的な面談の方法や、診断書の記載実例、そして裁判例などを交えて極めて実践的な講義をさせて頂いた(資料はパワーポイント140枚に上った)。

やはり皆さん非常に熱心に聞いて下さり、講義中、休憩中、終了後の質問も活発であった。主な質問は次の様なものだ。
Q 意思無能力を理由に売買無効を訴えるには時効はあるか
A ある
Q 後見人が選任されているが、回復している様に思える
A 後見を終了させることができる
Q 保佐人が選任されているが、売却許可の関係で後見にレベルアップさせることは可能か
A 実態が後見相当なら可能
Tap161110_2 Q 小さな物件でも後見人選任が必要というのは実態に合わない(高額の報酬を払えない)。立法的な解決はないのか
A 今のところはないと思う。利用に工夫がいる
Q FPで息子とコンサル契約しており、本人所有の不動産を売却するという流れになっているが本人に会わなくてよいのか
A 会った方が良い
Q 認知症でなく精神病(精神障害)の場合はどうすればよいか 
A 基本的には同じ)
Q 遺言に必要な意思能力は通常よりは低いという話しだったが、(売買の時にはダメだという)「うん」という反応だけでも大丈夫なのか
A ダメ
(では次回は遺言の所をもう少し詳しく話して欲しい)

この質問を見ても分かる通り、かなり経験があり意識も高い方々も多く、今日の私の講義の「プロでも認識の低い方が多いのが問題だ」という論調にはいささか不服だったかもしれないが、一方で「大変勉強になった」と仰って頂けた方も多かったのである。
いずれにしても皆さん大変熱心に目を輝かせて聞いてくださっており、居眠りしていた方は(特に後半は)全くいなかった。

このテーマではこれまでで最も手ごたえのある講義だったかもしれない。
皆さまありがとうございました。

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