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2006年5月 2日 (火)

会社法よくある質問 2 少人数私募債とDESの関係とは?

先日ある方から、「DESが簡単になったそうですが」というお問い合わせを頂きました。

その方は少人数私募債を利用して会社の資金調達をしている方で、もし会社の資金繰りが苦しくなって、社債の償還が厳しくなった時に、DESで社債を株式に転換することで対処したい、ということのようでした。

DES」とはDebt Equity Swap(債務と資本の交換=債務の株式化)の略です(IBMが開発した暗号方式のことではありません-笑)。通常株式を発行する時はその対価として金銭を払い込みますが、例外的に金銭以外のものを出資として給付することも認められています(現物出資)。そして、この「現物」として当該会社に対する債権(会社の債務)を出資するのが「DES」です。

わが国でのDESの「はしり」は、最低資本金制度の導入(平成2年-これも会社法で廃止されましたが)に伴い、中小会社のオーナーの救済策としてオーナー社長が会社に有する貸付金を現物出資することを登記実務上許容したことに始まった(それまでは債務の株式化に関しては疑義もあった)わけで、そう古いことではありません。そして近年、法改正により銀行の事業会社への出資に関する所謂5%ルールに例外が認められてから、DESは会社再建、不良債権処理等の目的のために広く用いられるようになって来ました。

そして、会社法によってこれが簡単になったと言うのはこういうことです。

現物出資とは、金銭以外のもの、わかりやすいところでは不動産や動産(自動車やコンピュータなど)、株式などを出資することですが、これらのものは金銭のように価値が客観的に明らかではありませんから、その価値が過大評価(与える株式数)される危険性があります(過少の出資で過大な株式を取得)。

そこで、現物出資の場合、その対象財産について裁判所の選任した検査役の調査を求めることが条件とされてきました。しかし、この規制があまりにも厳格で、コストと時間がかかり迅速な資金調達ができないため、殆ど現物出資は利用されませんでした。

そこで、度重なる法改正により条件が緩和され、一定の要件の下に検査役の選任が不要とされる範囲が拡大されて来ましたが、会社法では、以下の場合には検査役の調査は不要とされました(会社法207条9項各号)。

①少数現物出資:割当株式数が発行済株式総数の10分の1以下。

②少額現物出資:「価額」の総額が500万円以下。

③市場価格のある有価証券:出資有価証券の「価額」が市場価額以下。

④弁護士等の証明:「価額」が相当であることにつき、弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人の証明(不動産の場合は不動産鑑定士の鑑定評価も)を受けた場合

⑤会社に対する金銭債権:弁済期が到来しかつ「価額」が当該金銭債権にかかる負債の帳簿価格を超えない場合。但し、弁済期に関しては、債務者側(会社側)がその利益を放棄できます。

※「価額」とはそれぞれの財産の価額として会社が定めた金額を言います(199条1項3号)

これが、「DESが簡単になった」ということです。

ところで、DES利用が検討できる少人数私募債とは何でしょうか。

これについてはまたの機会に・・・。

⇒「会社法FAQ」シリーズの第1回目の記事

⇒「法的思考シリーズ」の第1回目の記事

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※会社法の事ならフクダリーガルウイキ支店

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