法的思考のできる奴が仕事のできる奴 その26 知らない時事用語をどうするか? 前編
今、ウチの事務所では全体ミーティングを毎週水曜日の午前中に行っています。業務関連の議題の他、全員が「グッド&ニュー」(フクダリーガルウィキ支店にも出てきますので是非ご覧下さい)の発表を行い、またコンサルタントの先生のコーチングを受けたりもしております。
今日の主要議題は登記案件の管理シートの運用方法について。最近紙(Word)からデータ(Access)に切り替えたのですが、運用を徹底するために紙の廃止を指示しましたところ異論が相次いだため、事前に意見を募り(メールで皆が送ります)、ミーティングでさらに議論し、集約することとしたものです。
最近は皆意見表明が大変活発になってきており、議論の行方よりもその点がとても意義のあることだと感じています。
その象徴(?)が写真のミーティングテーブルです。以前の記事で取り上げた応接セットに換えて設置しました。人が増えて手狭になってきているのですが、もう少しミーティングスペースを増やしたいと思っています。形を整えることで実質も伴ってくると思いますので。
さて、本題です。久々に「法的思考シリーズ」です。
日々のニュースの中にわからない言葉が出てきたときに、貴方はどうしていますか。例えば昨日のこのニュース。
「第二次大戦後に樺太(サハリン)に残ったまま行方不明になり、戦時死亡宣告を受けた元日本陸軍兵士で岩手県出身の上野石之助さん(83)が、ウクライナに在住していたことが17日、厚生労働省などの調査で確認された。上野さんは19日から28日まで息子と一緒に一時帰国し、家族と約60年ぶりに再会する。(中略) 2000年に戦時死亡宣告が確定し、戸籍から削除されているため、厚労省は戸籍の回復手続きを進めている」(NIKKEI NET 4月18日15:01)。
ここに出てきている「戦時死亡宣告」という言葉。あまり耳慣れないと思います。
そういう言葉が出てきたら、どうしますか。辞典をひいてみますか。ネットで検索してみますか。人に聞いてみますか。どんな方法でもおそらく答えは導き出せるでしょう。しかし、法的思考者として大切なことは、まず自分なりに考えてみることです。
この記事の後半を読むと、戦時死亡宣告の効果として「戸籍から削除」されていたことがわかります。つまりこれによって生死不明の者について、法律的にも死亡したと同様の扱いがされる制度なのだろうという事が推測できます。
ここまで考えるとさらに、民法を少し勉強したことのある人でしたら、これに似た制度について勉強したことを思い出すのではないでしょうか。「失踪宣告」の制度です。ここから類推するのです(類推能力については法的思考シリーズ第8回を是非ご覧下さい)。
さあ、ここまでがヤキソバオヤジ流「法的思考」(広義の法的思考)の真髄です。
ここから先は具体的な法律知識を前提とした、ヤキソバオヤジに言わせると「狭義の」法的思考です。
まず、失踪宣告の制度について簡単にご説明しましょう。
以下続く・・・。
⇒「法的思考シリーズ」の第1回目の記事
⇒「ライブドアシリーズ」の第1回目の記事
⇒「プチ信託登記入門」シリーズの第1回目の記事
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