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2006年3月26日 (日)

プチ信託登記入門 2 信託登記は何のためにするか

_060326 今年の桜は少し早いようですね。

これはウチの近所の枝垂桜です。

では、本題に入ります。

例えばAさんが自己所有の不動産をB信託銀行に信託したとき、その不動産の登記簿には次のような登記がされます(登記事項は一部省略してあります)。

2|所有権移転

 |原因  ○年○月○日信託

 |受託者 B信託銀行

 |――――――――――――――――――――

 |信託

 |信託目録 第○○○号

この下段の部分が「信託の登記」です。これをすることにより所有権の移転が「信託」のためになされたことを第三者に「対抗」(主張して認めさせる)することができます(信託法3条1項)。

言い換えますと、B信託銀行が所有者ですが、その所有権取得は「信託」のためであり、この不動産がB信託銀行の固有財産とは別個の財産(信託財産)であることを公示して、勝手な処分や強制執行を防止するのです。

つまり「信託」とは自己の所有権その他の財産権を他人に移転した上で一定の目的に従ってその財産の管理や処分をその他人にさせること(信託法1条参照)です。従って当然にその他人はその財産を自由勝手に処分することは出来ませんし(信託法31条参照)、その他人自身の債務についてその財産を差し押さえたりすることも出来ません(同法16条)。

そこで、その目的や管理・処分の内容を登記するわけです(不動産登記法97条1項)。具体的にはこの登記事項は「信託目録」に登記されます(同法97条2項、同規則176条)。

また、これらの登記事項に変更が生じた場合は、変更登記を申請しなければなりません(同法103条)。不動産の権利に関する登記については登記義務が課されていません(同法16条1項、36条参照)が、これはその例外という事になります。

⇒このシリーズの前回の

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