訂正です申し訳ございません。 担保権消滅制度は「使える」か? その3
先日(3月19日)の記事で、「住宅ローンを借りてマンションを買う場合に担保権消滅制度は利用できない」と断定的な書き方をしてしまいましたが、よく(「法的思考」を働かせて)考えてみますと(ご相談を受けた不動産会社の方からもご指摘を頂きました)手続きにおけるリスクは、(先日の記事でも少し触れました)差押(担保実行、一般債権者による強制競売、租税の滞納処分)、仮差押、仮処分などの付着している不動産の場合とさほど変わらないようにも思われます。
これらの場合も私たち司法書士が差押等の取下げ及び抹消登記嘱託が確実に行われることを確認することを条件に融資が行われています(金融機関によってははじめから取り扱わないところもあるようですが)。
担保権消滅制度の場合も同様に抹消登記嘱託が確実に行われることが確認できれば金融機関が融資に応じるという事は十分考えられます。
例えば納付する金員を融資金融機関から裁判所の口座に直接振り込むといった方法が考えられます。これはある意味差押・仮差押や仮処分の場合よりも確実ともいえます。
担保権消滅制度は住宅ローンを借りる場合でも十分利用する余地はあると言ったほうが良いかもしれません(あとは借入先金融機関にこの制度の内容と抹消手続きの確実性をいかに説明できるかですが)。
軽率に結論を出してしまい申し訳ございませんでした。
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