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2006年3月 6日 (月)

法的思考のできる奴が仕事のできる奴 その17 仕事のできる奴は文書もうまい 後編

先週、ある養子縁組の相談を受けました。ご主人に先立たれ、お子様のない方が、親戚の方を養子として迎え、老後の面倒を見てもらいというお話でした。こういう話はよくありますが、実際のところ美談だけでなく、大変なトラブルの原因となることの多いものでして、今回私も、もろ手を挙げて賛成というわけには行きませんでした。

そこでこの日私がご提案させていただいたのは、「任意後見」の制度の利用です。これは高齢化社会の進展に向けて現在司法書士が力を入れて利用を推進(成年後見センタリーガルサポート)している制度です。これに関しては私も不動産取引と絡めて、「日経ベンチャー経営クラブONLINE」というサイトの「税・会計・法務の針盤」というコーナーで解説(ケーススタディ編対応編)を行っておりますのでご参照下さい(現在はホームページにも転載しております)。またまた宣伝でスミマセン。

こういった養子縁組の問題に関してはやはり「法的思考」シリーズで機会を改めてお話させていただきたいと思っております。

さて、昨日の続きです。

昨日は、良いビジネス文書を作るための「法的思考」の手順として、①文書で伝えるべきか否かの判断→②純粋なビジネス文書なのかどうかの判断→③事務連絡なのかそれ以外かの判断→④相手に最も伝えたいことは何かの判断→⑤それを真っ先に書く、というところまでお話しました。

ここで気を配ると良いことに、最も訴求したいことが論理的側面か、情緒的側面かということがあります。例えば、単純な事務連絡文書であれば論理のみというものが大半でしょうし、「お詫び」の手紙であれば「言い訳」という論理面よりも「謝罪」という情緒面を強調したほうが相手方に訴求する力は大きいでしょう。営業的文書であれば商品の良いイメージ(欲しいと感じさせる)という情緒面を強調したほうが効果的でしょう。

それに続いて書くべきことは、その目的を相手に受け入れてもらうための補足的な事柄です。ここの部分も、その文書の目的によって書くべきことが異なります。単なる業務連絡文書であれば用件以外の補足的事項は不要な事が多いでしょう(もちろんそれだけでは「ぎすぎす」してしまうと思うのであれば、「情緒的」なことを付け加えるのも良いことかもしれませんが)。

最後に気を配るべきなのが形式面です。例えば書式。これも意外と重要です。文書の第一印象となるからです。それと文章自体の構成や論理性。如何に一つの文を短くするか。敬語の使い方も(これも私は重要だと思っています)。

と、ここまで書いてきて大事なことを忘れてました(思いつきで書いているのでとりとめがなくてスミマセン。尤も「法的思考」シリーズの他の記事も殆ど思いつきなので整理がされていなくて読みづらいと思います―ブログですから許されよ)。まず考えるべきなのはその文書を作るべきかどうかという事です。情報を相手に伝えるのに文書で伝えるべきなのか、直接会って伝えるべきなのか、電話で済ませられることなのか。この判断も「法的思考」を要することではありますが、これについて話すと長くなりますので、機会を改めて「コミュニケーションと法的思考」というテーマでお話したいと思います。

今日はこのくらいで・・。

⇒このブログのトッ

⇒このシリーズの最初の

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