法的思考のできる奴が仕事のできる奴 その16 仕事のできる奴は文書もうまい 前編
最近ウチの事務所で「フクダリーガルWiki支店」というWiki(大勢で書くブログのようなもの)をはじめたことは何度か宣伝させていただきました。そこに「みんなのグッド&ニュー」というスタッフ全員の「日報」のコメントを掲載しているコーナーがあります。文法的におかしかったりするものはワタシが修正しているのですが、先日「あれが勉強になる」という事を言われました。また、たまに業務上の対外的文書に目を通すこともあるのですが、これについても先日Wikiで「また添削お願いします」という要望が寄せられました。
そこで今日は「ビジネス文書と法的思考」についてお話します。
ビジネス文書の「上手さ」って何でしょうか。何が「良い」ビジネス文書なのでしょうか。
こういった疑問に答えるときにも「法的思考」が役に立ちます。良いビジネス文書の条件として最も重要なこと(と少なくともワタシは思います)は何のためにその文書を作るのかを考えるということです。これは別にビジネス文書に限ったことではありませんが。
まず働かせるべき法的思考は、自分が書こうとしている文書がビジネス文書なのかどうかという根本的なところです。つまり、何のためにその文書を書くのかという事です。ビジネスのためなのかプライベートなものなのか。これは単純な様でそうでもないのです。分類すると次の4つに分けられます。①純粋なビジネス文書②純粋なプライベート文書③ビジネス目的を持ったプライベート文書④プライベート目的を持ったビジネス文書。ここでは①の純粋なビジネス文書についてのみお話して行きたいと思います(そのほかのものについてはまた機会があればお話します)。
さて、自分の書こうとしている文書がビジネス文書であることが分かったら、次に考えるべき事はその文書をどんな目的で書くのかという事です。
ビジネス文書の目的は大きく二つに分けることができます。一つは単なる事務連絡文書。もう一つは事務連絡以外の目的を持つ文書。事務連絡以外の目的も二つに分けられます。一つは過去に関する文書、もう一つは将来に関する文書。さらに将来に関する文書は営業・広報的文書とそれ以外の文書に分けることができます。
まず、こういった目的を認識することが必要です。これこそ「法的思考」です。それによってどういう文書を作成すべきかが決まってきます。
次に目的がはっきりしたら、その目的のために最も相手に伝えたい事は何かを考え、それを文書の冒頭に持ってくるのです。用件を強く印象付けることが必要ですし、忙しいビジネス人に無駄な時間を費やさせることのないようにすることも重要です。場合によってはその部分だけを読んでもらえれば済んでしまう事もあるでしょうし、それ以外の部分はそもそも不要だったということもあるかもしれません。
この項続きます・・・。
⇒このシリーズの最初の記事
⇒法的思考シリーズ次回の記事(その17「文書」後編)
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