法的思考のできる奴が仕事のできる奴 その14 仕事の出来る奴はだまされない 後編その3
ウチの事務所の求人に応募して下さった方が受験生(司法書士試験や司法試験等の国家試験の)である場合に必ず話すことがあります。
それは「受かりたいんだったら仕事をしてはいけない」ということです。仕事を求めて来た方に対していう事としては矛盾しているかも知れませんが、お互いの幸せのために本当にそう考えているのですから仕方ありません。
もっともそういわれて「はいわかりました」と言える人は殆どいませんが。皆色々な事情を抱えてウチへ応募して来てくださったわけですから。でも、単なる意地や見栄や遠慮で親(や家族)の脛をかじるのをためらっているような人は、もう1年だけでも頼ったほうがよいのです。そうせずに1年ですむところを3年も5年もかかったとしたら、そのほうが不幸です。
もちろん仕事をしながら資格をとる人だっているわけですが、大多数の人にとっては仕事をせずに集中して勉強して短期間で合格したほうが、長い目で見ると得だと思います。
現実には弊事務所にも正社員として入社した受験生も数名おります(彼らはワタシの忠告にも拘わらず、どうしても正社員じゃないと、ということで入って来たのです)。彼らには絶対に今年受かって欲しいと思っておりますが、みずから正社員を望んだ者たちですから、仕事も半端じゃなくこなしてくれます。事務所にとっては有難いのですが・・・・。
さて、本題です。
「だまされない」ための「法的思考」とは、ある人がなぜそういう言動を取ったのか、考えてみよう(考える習慣をつけよう)という事です。
特にこの場合、法的思考を発揮する場面かどうかの判断がまず難しいところです。自分に命題が突きつけられているのかどうか判断できるのかということです。
今回の事例で言うと、XさんがM君たちをかばうような言動をとったときにまず「あれ~ヘンだぞ」と感じることができるかということです。
それが出来ればあとは与えられた色々な事実から推論を働かせるだけです。
事例で言うと、バザーでジューススタンドをやったこと、チケット1枚でお代わり自由だったけど、ジュースが少なくなってしまい、事情を説明した上で1杯だけに限定したこと、後でお客だった人からクレームがついたこと、園長先生が責任者だったXさんに事情を聞いたところ、M君たちをかばうような言動をしたこと。
なぜかばったか・・・①義侠心、②他に理由・・・・他の事実を見る・・・・クレームのつきにくいはずなのにクレームがついた・・・表向きの理由以外の理由・・・・日頃のご近所に対するXさんの態度の悪さ・・・そういったことが露見しないように、かばうふりをした・・・・ご近所との関係を重視する幼稚園からにらまれたくない子供の進学に悪影響があるから・・・・という事実が明らかになった、等。
Xさんの行動はやはり信頼の置けるものではない、従って今回の勧誘についても疑わしいものである可能性が大変高いと言う結論になるのでした。
続く
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