プチ信託登記入門 3 個人が受託者
先日ある方と「個人が受託者になっている信託」の話をしていましたら、偶然そういった登記のされた物件の取引の依頼がありました。
次のような登記がされております(事項一部省略)
(甲区)
1|所有権移転
|所有者 A
――――――――――――――――――――――
2|所有権移転
|原因 ○年○月○日信託
|受託者 B(個人)
|――――――――――――――――――――
|信託
|信託原簿 第○○○号
(乙区)
――――――――――――――――――――――
1|根抵当権設定仮登記
|債務者 A
|権利者 X株式会社
|――――――――――――――――――――
|(余白)
|
(信託原簿)
委託者 | A
――――――――――――――――――――――
受託者 | B
――――――――――――――――――――――
受益者 | A
――――――――――――――――――――――
信託条項
信託の目的 ・・委託者が第三者に対して負担する債務の返済資金に当てるために管理及び処分させる・・・。
※当該不動産は委託者(所有者)Aの自宅である。
受託者BはX株式会社の取締役である。
これを見ていただけばわかると思いますが(わからない?)、要は金融会社(所謂「マチ金」?)が融資をして、担保として債務者の居住不動産に根抵当権を設定(仮登記)するとともに所有権移転及び信託登記をしているということです。
根抵当権が仮登記なのも所有権移転が信託なのも登録免許税を節約するためであると解されます。
基本的な登記事項の勉強をする前にかなりめずらしい信託登記をご紹介することになってしまいましたが、たまたまこんな謄本が回ってきたものですから・・・。
⇒このシリーズの第1回目の記事
⇒このブログのトップ
| 固定リンク | 0
コメント
いつも勉強させていただいてます。
2回目の登記簿では信託「目録」となっていたとおもいますが、今回は「信託原簿」となっていますがどう違うのでしょう?
投稿: もりそばあにき | 2006年3月30日 (木) 09時17分
もりそばあにきさん、鋭いご指摘有難うございます。
この点は次回(「4」)でご説明させていただきます。
投稿: ヤキソバオヤジ | 2006年3月30日 (木) 12時51分