ライブドアの辿った道 復習編 3 「組合」と「連結」
幣事務所の「ウィキ」(メンバー全員で投稿できるブログのようなもの)「フクダリーガルWIKI支店」が評判を呼んでいます(スミマセンちょっと誇張しました。まだごく一部の内輪だけです)。中でも「面白いねー」「本にしたら」などといわれていますのが(これもまだウチワですが)、「みんなのGood & New…フクダリーガルメンバーの日報、公開します 」。
これは幣事務所メンバーの「メール日報」に書き込まれたコメントをピックアップし、簡単なコメントを付けたものです。事務所の実態(?)を知って頂く(ホームページの顔写真とあいまって)と同時に、事務所メンバーの自己表現・情報発信の第一歩としようというものです(これだけでは表現し足りないというメンバーは自分のページをこの「ウィキ」内に作り始めています)。
内容もデザインも今後もっと充実させていくつもりですが、試しに一度覗いてみてください。
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さて、余談はこれくらいにして、昨日の続きです。会計的興味というのは、ライブドア社が投資事業組合(及びマネーライフ社)を連結対象とすべきだったかどうか(適時開示は会計というよりは市場の要請ですが)という点です。
「連結対象」であるということは、ライブドア社が財務諸表(貸借対照表、損益計算書、付属明細書、計算書等)を作成する際に、投資事業組合やマネーライフ社の財政状態や経営成績を反映(合算、但し連結グループ内の取引は相殺)したものにする必要があるということです。
連結対象とするかどうかの基準は、単なる持株数による親子関係ではなく「支配力基準」というものが用いられているそうです。要は、法的評価でなく経済的実態として支配従属関係にあるかどうか、より具体的には「他の会社の意思決定機関を支配しているかどうか」が基準になるということだそうです。
つまり、「支配」の要件は①他の会社の議決権の過半数を実質的に所有している場合、②他の会社に対する議決権の所有割合が100分の50以下であっても、高い比率の議決権を有しており、かつ当該会社の意思決定機関を支配している一定の事実が認められる場合(改定連結原則第3・1)であり、②の例としてはア.議決権を行使しない株主が存在することにより、株主総会において議決権の過半数を継続的に占めることができると認められる場合、イ.役員、関連会社等の協力的な株主の存在により、株主総会において議決権の過半数を継続的に占めることが出来ると認められる場合、ウ.役員もしくは従業員である者又はこれらであった者が、取締役会の構成員の過半数を継続して占めている場合、エ.重要な財務及び営業の方針決定を支配する契約等が存在する場合、があげられています(改定連結原則注解5)。・・・・なんとなくイメージが沸いてきませんか。
※ここまでの記載は伊藤邦雄先生の「ゼミナール現代会計入門」(日本経済新聞社)を一部参考にさせて頂きました。私のような素人が申し上げるのもおこがましいですが、さすがロングセラーになるだけある素晴らしい本だと思います。
これに対してライブドア社及びイブドアマーケティング社(旧バリュークリック・ジャパン社)は「業務執行組合員が異なっているなどの理由からLDグループ会社として連結決算に組み入れることは妥当でないという判断を致しました」とのレポートを行っております(平成18年1月19日付「社内調査に関するお知らせ」)。
当然検察側は、ライブドアが組合に支配力を及ぼしており、連結対象とすべきであったと判断しているわけです。
では、連結とすべきところを連結としなかった場合に、どんな問題が生じ、どんな犯罪が成立するのでしょうか。
(答えは明日・・・。)
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