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2016年4月26日 (火)

「逆農転」は前例がないからダメ?

今回は不動産業界団体からの依頼での講演。不動産業界団体からは、今回の全日(全日本不動産協会)様をはじめ、全宅(全国宅地建物取引業協会)様、全住協(全国住宅産業協会)様及びその他の諸団体の、中央本部、全国の地方本部、支部等で講演をさせて頂いて来た(今回は全日川崎支部さま)。

そして今回も定員60名の会場が満員札止めの盛況だった。

講演冒頭での森山支部長様のご挨拶で、「当支部は研修に大変力を入れており、講師も一流の先生ばかりをお呼びしています」とハードルを上げて頂いたので(笑)、いつにも増して気合の入った(?)講演となったと思う。
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ただ、如何せん1時間半という短い時間の中で基礎から最新情報迄網羅した内容だったため、消化不良だった方が多かった事は否めない。終了後に名刺交換させて頂いた方からも、もっと詳しく聞きたいという声が上がっていたし、質問内容も「
特約のひな型はないのか」という基本的なところから、「Aさんを納得させるためにはどうすれば良いか」という実務的な質問まで、レベルは様々であった。

また、神奈川県司法書士会の役員の方も参加されており、「是非ウチの会でも講演して下さい」と声を掛けて頂いた。神奈川県司法書士会や青年司法書士協議会でも過去に講演はさせて頂いているが、時間も経っているので是非またやらせて欲しいとお答えした。

そして今回の講演でなんといっても一番面白かった(?)のが、最後の質疑応答の際に伺った、「逆農転」の話である。

逆農転、即ち農地以外の土地(主に宅地)を農地にするという事である。
※農転とは農地転用の事で、農地を農地以外のもの、主に宅地に転用する事を意味する。このケースでは宅地を農地に転用したいという事なので、その質問者の方は「逆農転」と呼んだ訳だ。

一般論で言えば所有する宅地を農地、例えば畑にして野菜を作るのは所有者の自由だ。しかし質問者の方によれば役所がそれを「前例がない」という理由で認めないとの事だ。それが本当なら納得できないというのは良くわかる。

ただ、これが市街化区域内の話であるとなるともう一考する事が必要ではないだろうか。

そもそもこの質問自体は中間省略登記と直接関係はない。私が講演の中で「役所というところは前例のない事には消極的である」という話をした(会社分割で新・中間省略登記を行ったという実例の中で)事に触発されたご質問の様だったが、実際に単に「前例がないから」という理由で農地転用を認めないというのであればそれはいささか問題ではあろう。

しかし、市街化区域というのは市街化を推進すべきとの方針の下に諸施策が施されている地域であり、宅地の農地化を図る事に関して規制が掛けられてもあながち不当とは言えないのではないだろうか?

一口に市街化区域内農地と言っても、生産緑地もあれば家庭菜園もあり様々である。事実関係を正確に把握せずにあまり無責任な事は言えないが、頭の体操としては(「法的思考」の訓練)面白いテーマである。

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2016年4月15日 (金)

税理士さん、もっと活用して下さい

珍しく、税理士向けのセミナーに呼んで頂いた。

そもそも新・中間省略登記は「節税」の手法であるから、税理士の皆さんには特に活用して頂きたいと予てから思っていた。しかし実際は税理士で新・中間省略登記についてご存知の方は殆どいない。セミナーも、税理士だけを対象にしたものというのは殆ど記憶にない。

今回は、人数こそ10名程と少なかったが北海道から九州まで全国の税理士の方にご参加頂いた。
やはり新・中間省略登記について知っていた方はいらっしゃらなかった。

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書籍(「新・中間省略登記が図解でわかる本」住宅新報社、初版第6刷)も販売させて頂いたが、買って頂いたのはお一人だけだった(と事務所で話したところ「一冊でも買って下さった事が素晴らしいですよ」と言われてしまった)。

内容も不動産のプロ向けのものをアレンジしたものだったので、会計・税務の
専門家の方達にとっては少々分かりにくかった様だ。「難しかった」という感想も聞かれた。次に機会があれば、税理士向けに原稿を書き直した方が良いかもしれない。

ただ、講義自体は皆さん大変熱心に聞いて頂き、終了後も殆どの方と名刺交換をさせて頂いた。地元の司法書士にも聞いてみますという声もあった。

今後もっと税理士の皆さん方の理解が進むと、更に恩恵にあずかれる方が増えると思うのだが。

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2016年4月 8日 (金)

興味深いアンケート結果(大宮)

シリーズでやらせて頂いている「今さら聞けない新・中間省略登記 入門編」、今回は大宮会場(ソニックシティ)。

今回もご覧の通り会場はほぼ満員の盛況。6~70社の参加を頂いた様だ。
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そして、殆どの方(58人)がアンケートに答えて下さった。質問内容は、新・中間省略登記をやったことがあるか、ない場合はその理由は、そして何が最も知りたいか、といったところである。

主な質問事項と回答は次の通りだ。

(関わったことがあるか)
ない/あるが、あまり積極的には行いたくない・・・39名
(その理由)
やり方が良くわからない/適法性に疑問/安全性に不安・・・24名
(何が知りたいか)
具体的な方法/活用法・・・41名

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適法性や安全性に関してはこの講座でも説明はしたが、時間が短かったからかこの10年変わらなかった固定観念から解き放たれないのか、まだまだ十分理解が出来ていない方が多かったようだ。160408_2_3

逆に言えば理解して頂ける様に丁寧に説明して行けば、この手法を用いて下さる方が増えてくるという事だ。

この講座には「中・上級編」も予定されている。これも含めて今後も色々な所で講演の機会を頂き、理解を深めて頂きたいと考えている。

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