他人物売買 今更聞けない新・中間省略登記 第13回
久しぶりに「今更きけない」シリーズです。
今回は「他人物売買」。
←こちらをポチッとして頂くと、このブログに対する世間(業界?)の注目度がわかります。
「他人物売買」とは、文字通り自分のものでない財産権を対象とした売買契約である。
民法上これも有効である(560条)。誰でも自分の所有物でないものを売る事が出来るのである。
例えば筆者が友人と町を歩いていて、通りがかったビル(他人の所有物)を指して、友人に「このビルを君に10億円で売るよ」と言い、友人が「よしわかった、買おう」と言えば、売買契約は有効に成立するのである。
「売買は債権契約であるから売主が所有権を有する事を必要としない」(川井健「民法概論④」2006、140頁)のである。
諸国の立法例では他人物売買の効力を否定している例もあるようだが、我が民法はこれを認めた。
その代わり、他人物売買契約の売主はその権利を取得して買主に移転する義務を負う事になる(同条)。
「新・中間省略登記」では、Bは自己の所有でない(Aの所有する)ものをCに売却する契約を結ぶから、第二の売買契約は常に他人物売買である。
売主の義務(所有権を「取得」して移転する義務)の点や、宅建業法との関係でいくつかの論点のあるところであるが、それについてはいずれまた書く機会もあろう(私のセミナーや出版物、新聞連載等をご覧になった方は良くご存知だと思うが)。
最近のコメント