2024年7月25日 (木)

経験とカンは使えるか 3

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

弊社には不動産事故を防いで来た実績が少なからずありますが、それが出来たのは不完全な基準を「経験とカン」が補って来たからだと思います。

やがて主観的な「経験とカン」はある程度客観的化され、自主基準(教科書)を構成し、経験がないことでも的確な判断ができるようになります。

しかし、誰も経験したことのない危険は新たに現れ続けますからそこにも限界があり、「カン」の働く余地はそれだけではなくなりません。

逆に、教科書通りの確認が行われていなくても安全性に確信が持てることがあります。この感覚も「カン」だと思います。

あるいはそもそも全ては「カン」によって先に結論が出ていて、そこに説得力を持たせるために基準を設け、事実確認での裏付けをしているに過ぎないのかも知れません。

そう思いたくなるほど「カン」とは不思議で、大きな力を持ったものだと思います。

やがて膨大なデータを学習したAIが事故防止を行うようになっても、AIに「カン」はなく、人間の「カン」が働く余地が残るのではないかと思います。

私の「カン」ですが・・。

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2024年7月24日 (水)

経験とカンは使えるか  2

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

「不動産事故の教科書」はもちろん、司法書士会の会則、さらに司法書士法や不動産登記法(規則)も万能ではありません。それらに規定された方法で直接・間接の事実確認を行ったとしても、排除しきれない危険は存在します。

例えば法令や会則では面談や印鑑証明書、運転免許証等での本人確認が求められます。さらに教科書等では、懸念度の高さによっては事前に面談に赴くこと、周辺からの情報を収集すること、また、各証明書の確認に関しては、偽造されたものでないことを確認する手順等も定められています。

これらのルールや手順に従っても替玉や偽造を見抜けず、事故に合う(代金を詐取される)危険性を完全にはなくせません。

もちろんこれらの確認を適切に行うことで注意義務は果たされ、仮に事故が起こっても責任を問われない可能性は高いと言えますが、最善の解決は替玉や偽造を見抜いて、依頼者が事故に会うのを防ぐことです。

そして、弊社では詐欺に限らず、不正を見破って事故を防いで来た実績が少なからずあります。その陰には・・・。

(つづく)

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2024年7月23日 (火)

経験とカンは使えるか 1

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

「最後は経験とカンだ」はよく使われるセリフ(?)ですが、伝聞や憶測などの根拠薄弱な情報と同じく、これもものごとの判断基準とするにはいささか説得力に欠けます。何事も事実や客観的基準に基づいて判断するのが大原則です。

私達の行う不動産事故防止の業務でも、安全確認の確度を上げるために最優先されるのは、事実の確認です。

しかし事実を確認することには人を疑う側面があることも確かですから、そこには自ずと限界があり、間接的な確認にとどまらざるを得ないことが多いのも事実です。

そこで、間接的な確認の確度を上げるため、また過度な事実確認業務の負担と重い責任から解放されるために、確認基準が作られルール化されてきました。

最低限度の基準は法令で定められていますし、それを補強する基準は業界団体や各専門職が独自に定めています。

弊社の「不動産事故防止の教科書」もその一つです。

先日の某社の百数十億円の売買についても私は「教科書通りに確認すれば問題はない」とコメントしました。

しかし、教科書も万能ではありません。

(つづく)

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2024年7月22日 (月)

めげななさはまだあるか

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

「福田さんはめげないね」と言われたことは以前にも書きました(2022年11月26日)が、「めげない」のは私のというよりFLC&Sの特質でした。

ある金融機関の役員の方との雑談で「フクダリーガルさんにはかなりの件数をお願いしていると思いますよ。他社はミスや対応の問題で依頼を控えざるを得なくなることがありますが、御社ではそのようなことはないのでは?」とおっしやるので、「いえいえ、私達でも失敗はありました。ただ、めげなかっただけです」と申し上げました。

もちろんミスや不適切な対応はあってはならない事ですが、人のやることですから失敗もありました。

しかし私達は失敗を犯した後もめげることなくどうすれば失った信頼を取り戻せるかを考えて来ました。まず迅速に修復し、次に原因究明と厳密な再発防止策の策定とその検証を行い信頼回復に努めて来たのです。

そうやって現在の信頼を築いて来ましたし失敗も少なくなりましたが、今度は逆に失敗慣れしておらず、「めげない」強さが失われていないかがいささか(贅沢な?)心配です。

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2024年7月18日 (木)

現時点の私の営業哲学 1

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

1 理念実現の手段
  私達FLC&Sの基本理念(*1)は「未来を創る」、使命(*2)は「新しい価値」「楽しい世界」の創出、存在意義(*3)は「幸せの実現」。業界やモデルを変えるのはその具体化の一つで、実現のための活動が営業である。

2 効率性
  営業も仕事で、目的と時間制限がある。従って当然効率(労力・時間あたりの成果)を意識しなければならない。

3 ルーティンでない
  営業は相手、状況により行動を変え、あるいは新しい方法を考える必要のある、極めてクリエイティブな仕事である。従って、時には失敗や非効率に陥る場合もある。

4 自分に一番近いところから始める
  営業とは人を幸せにすることである。人を幸せにするためには先ず自分が幸せにならなければ(自分を幸せにできなければ)ならない。つまり、自分自身に対する営業活動が最初の営業活動である(次が家族や恋人、その次が・・)。

5 営業とは「影響」だ
  人を幸せにすることは人に影響力を行使することである。自分や組織の他への影響力を高めることが必要である。

*1 Philosophy
*2 Mission
*3 Purpose

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2024年7月17日 (水)

言い直す必要ある?

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

飲食店でメニューの呼び方を言い直されたことはありませんか? 例えば、「ご飯」を下さいと言ったときに「ライスですね」と言い直されたり、カフェで「スモール」と言ったら「ショートですね」と言い直されるとか。確かにメニューには「ライス」「ショート」と書いてあるのですが、「ご飯」「スモール」と言っても別のものと間違えないと思いますから、わざわざ「正しい」呼び方に言い直す意味はないですし、むしろ間違いを指摘されたようで不愉快です。

私達の仕事では、例えばお客様が「権利書」と仰ったのを「登記済証」ですね、とか「登記識別情報通知」ですね、と言い換えたりする必要はありません。

逆に、「戸籍全部事項証明書」という「正しい」呼び方でなく「戸籍謄本」とお客様にご案内することがあります。これはその方が一般の方にとってもなじみのある呼び方だからなのですが、かえってそれが親切ではないということもあります。

「戸籍謄本」では役所の窓口で必要十分なものが取得できないからです(現場では書面等できめ細かく案内していると思います)。

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2024年7月16日 (火)

何がリスクなのか?

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

前回までは買った古屋の所有権移転登記をしない場合のリスクの扱い方について書きましたが、リスクとは「不動産事故」のことであり、「当事者が経済的・法的な損失を被る」ことが要件です(※)。

例えば古屋の場合の最も典型的な不動産事故として、売主が税金を滞納していたことにより売買対象不動産が滞納処分による差押えを受ける場合がありますが、同じことは新・中間省略登記でAB間決済を先行したがBC間決済をせず、Aに所有権を留保している場合にも発生します。

しかし、両者には「損失」の面で違いがあります。

前者の場合は後者の場合とは異なり(正当な売買により)買主に所有権が移転していますから、差押そのものが不当であって、争えば(訴訟をすれば)勝てる、だから「損失」はないと考えることもできます。

しかし、「不動産事故」の観点からは訴訟コストの発生そのものをリスクと考えるべきだと思います。

ところで、移転せずに滅失するのは物権変動の過程を忠実に登記簿に反映するという不動産登記法の原則に反し許されないのではないでしょうか?

 

※「不動産事故」の定義:「不動産を巡る経済活動・権利変動(売買・信託・担保化、相続等)において、何らかの不正、不都合な行為が行われ、それによって当事者が経済的・法的な損失を被ること、またはその危険が発生すること」(「不動産事故防止の教科書」)

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2024年7月12日 (金)

古屋の登記放置リスク(補足)

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

昨日、古屋(取壊し予定建物)付土地の買主が免許税節約のために建物の所有権移転登記を行わない場合、「得てして」この手の買主はそのことによるリスクを「甘く見ている」と書きましたが、少し補足します。

1 軽視と容認と不知

「甘く見る」(軽視)のではなく、(経済的合理性から)敢えて容認する場合もありますし、逆にリスクを知らない場合もあります。

依頼者が三者のいずれに該当するかによって念押し(容認)、説得(軽視)、説明(不知)が必要です。

2 取壊し済み

その場合でも登記をしないとリスクがあります。

滅失登記(申請可能な状態にすること)を決済の条件とすべきです。

更地売買でも対象地上の建物登記残存の有無の調査が司法書士の必須業務であることを考えればすぐわかることです。

3 金融機関

リスク軽視、容認、不知のいずれなのかは、買主だけでなく購入代金を融資する金融機関(担当者)についても検討が必要です。

建物についての担保設定を求めない金融機関には、買主に対すると同様にリスクへの姿勢の確認と対応が必要です。

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2024年7月11日 (木)

負担のリスクを甘く見ている例

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

負担付きのまま不動産を買うという買主に対しては私達もそのリスクを説明し理解を促す必要があります。

ただ、負担には様々なものがあり、負担付きで買うことが必ずしも例外とは言えないものがあります。例えば土地上の建物です。建物を建てる目的で土地を買う場合、必要なのは土地だけですから、その土地上に既存建物があればそれは負担に他なりません。

担保などの負担と同列に考えれば、その負担を消滅させる、つまり建物を取り壊してから買う(「更地渡し」)のが原則ですが、リスクという意味では担保と同列に考える必要はなく、建物付きのまま購入して(「現況渡し」)、買主側で取り壊すことも少なくありません。

建物も所有権を取得すればリスクが低減するからなのですが、登録免許税を節約するために決済後も建物の所有権移転登記を行わない選択をする買主の場合、リスクは低減しません。

得てしてこの手の買主は負担のリスク(悪用・差押え等)を甘く見ていて火傷をする恐れがあります。

私達はそのリスクを説明し移転登記を促す必要があります。

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2024年7月10日 (水)

イレギュラーさ満載の取引はどう扱う? つづき

(今朝のFLC&S社内ブログ「福田龍介のよしなしごと」より)

不動産の売買を負担(担保権など)を消除せずに行うのは極めて稀ですが、全くない訳ではありません(売買代金をその負担の分だけ減額します)。

融資取引でも同様に稀ですがあり得る形態の例としては、債務者所有の土地建物の一方のみ、或いは共有持分上に担保を設定する、等があります。

重要なのは、買主や債権者がそのリスクを理解していることの証拠を正式な文書で残すことです。担当者の理解不足やリスク軽視で行われてしまうことが皆無とは言えないからです。通常は契約書上明記(標準契約書の修正等)しますが、登記委任契約上も文書に残すのが最善です。

それを行えば、後日変則的な扱いの責任を問われる危険を完全に排除でき、①取引の成立、②トラブルの防止に続く司法書士の3番目の留意点(損害賠償請求=過失認定されない)をクリアできます。

なお、弊社反社チェックルールに基づいてチェックした結果、取引関与者が反社会的勢力に該当する場合、そもそもの取引自体を進めることも、登記の委任を受けることも難しくなります。

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